大河、初陣。~VS大地.1~
「………………………大地?」
大河は静かに声をかけた。太刀を構えたまま。
「よう大河、久しぶりだな。学校に来なくなったと思ったらこんなとこにいたのか。」
大地はいつも話しかけてくるときのように普通に話しだした。だが、大河は疑問を感じていた。
(なんでここに大地がいるんだ?絶対に誰にも話していないはずなのだ…………。今大地が入ってきたとこも、普段は絶対に閉めきってバレていないはずなのに………)
「あ、ああ。そうだ。俺はちょっと用事があってここにいるんだ。もう学校にも行かないしな。」
大河は少し意識しながら返した。
「へぇ…………。そんな服装で、剣をもって、『ちょっと』か………。」
大地は更に疑ってきた。明らかにおかしい。それにさっきの銃弾…………。
大河は思いきって質問した。
「なあ大地、なんでお前がここにいるんだ?俺の居場所なんて聞いてないだろ?」
すると大地は近寄ってきた。大河はじりじりと下がる。
「さあ、なんでだろうな。」
「いいから言えよ早く………」
「言わずに近づくんだから、少しは察しろよ。」
そして大地は手を服の内側に突っ込んだ。そこから鉄の物体が見えた瞬間、大河はその場から飛び退いていた。
『バァンッ!バァンッ!バァンッ!!』
「くそっ!!」
大河は銃弾をなんとか避けた。やはり大地が銃を打った張本人であった。
「まあ分かってて聞いたんだろうが、その考えの通りだ!!大河、お前を殺す!!!」
大地は少し距離を置いて、更に弾を撃ってきた。
(今の話を聞くと、まだ大河は対人をやってねぇ。しかもこっちは遠距離だ。瞬殺してやる……!!)
大地は余裕の表情を浮かべて弾を撃ち続けた。しかしそこで大地には予想できなかった事が起きた。
『カンッ!カンッ!』
「!?」
(嘘だろこいつ………!?)
なんと大河は銃弾を弾いていた。太刀によって。
「てめぇ……………ふざけんじゃねぇ!!!!」
『バンバンバンバンバァンッッ!!!』
大地の射撃速度はより増していく。大河はついていくので精一杯だった。
(なぜか知らないが銃弾が弾けるようになってるな俺………これも特訓の成果か………。)
そう。宗次郎が組み込んだトレーニングの中には反射神経を強化するものも含まれていた。更には集中力を養うものも入っていたので、総合的に大河の身体能力は飛躍的に上昇していた。
「大地!!なんで俺を狙うんだ!理由を言え!!」
「理由なんて言う必要ねえんだよ!ここで消えてもらうからなぁ!!」
(駄目だ………話し合いにならない。どうして大地が?何故なんだ…………。というか、何処で銃なんて入手したんだ?)
するとその時、大河はあるものを見つけた。
(あれか……………。)
大河は確信した。大地の上半身を完全に覆っている服の内側…………大地の首の部分だが………に光るなにかを見つけた。そして、大地に叫んだ。
「大地!フードを取れ!!」
「はぁ?なんでんなことしなきゃいけねえんだよ!紛らわそうとしたって無駄だ大河!!!」
(くそっ、それすら無駄か……。大地は自我はあるが、記憶の一部が明らかになにかで改ざんされている。あの首の装置で操作されているのか。どうであれ、あれを壊したらもしかしたら…………だが、そうだとして壊せるか?俺の剣さばきは繊細さをまだ欠いている。もし首の装置を壊そうとして、そのまんま大地を…………なんてことになったら。あれが壊れることによって大地に後遺症が残らないとも限らない。どうする………?答えを出せ………!!)
大河が考えを巡らせてる間にも無数の銃弾は飛んでくる。ずっと動きっぱなしの大河だったが、まだスタミナに余裕はあった。
(今は俺の集中が続く間凌ぎ続けるしか方法が見当たらない……!!)
「いい加減ぶっ倒れろってんだよ!!ここまできたら第二ステージだ!」
大地はまたもや服の内側に手を伸ばした。
「!?」
大河は太刀を構え直しながら驚愕した。
(これついていけんのかよ………。)
大地は距離をとった。両手に銃を装備して。
第13話を読んでいただきありがとうございました
大河の初戦闘、その一です。戦闘は後二、三話ですね。




