第9話 説教
「し、仕事ですか? しっかりやってますよ! 問題ないと思いますが……」
俺は真面目だ。
今まで評価だって良かった。
でも……
「お前は真面目で、仕事も問題ない。だが、最近地球の全体を見ているか?」
「ど、どういうことでしょうか?」
「……はぁ」
GALAXY部長は深くため息をついた。
そのため息からは、俺に対する疑念が感じられた。
「日本……」
「えっ?」
「はぁ、日本だ。最近、お前からの報告書を見ると、この区域だけ情報が欠落している」
……やはりそこか。
「いや、日本はですね……ひ、比較的平和で安全な場所なんです! なので問題ないと思いまして」
我ながら酷い言い訳だ。
酷い!酷すぎる!
こんなの監視人失格だぞ、俺!
「そうか……だか、つい最近までは一番報告書に書かれていた区域だったが?」
「そ、それは……」
カエデがいたからだ。
カエデのことが知りたくて。
カエデの住んでるところが知りたくて……
「それに、今は問題がなくても、いつかは災害が起きる。戦争もする。この宇宙に害をもたらす元凶になりうる可能性もある。お前の担当は“地球生物全て”だ」
そうだ、俺は“監視人”
惑星の生物を監視するのが仕事だ。
人間、鳥、虫、あと……イルカとか……猫とか……オカピとか……とにかく全部だ。
分かってる。
分かってるけど……
「どうした? まだ暑いか?」
「あ、いえ……大丈夫です」
GALAXY部長……俺の動揺、絶対伝わっている。
え、もしかして見られてる?
「とにかく、これからは気を引き締めて仕事に励め」
「はい、承知しました」
やっぱりこの人怖い。
話し方が高圧的。
今回のは俺が百パーセント悪い。
でも……怖い。
「あと、暑かったらそれも報告書に書け。開発部に設備の相談をしてみる。期待しているぞ、MOON MAN」
ブツっと通信が切れた。
……………………GALAXY部長……
俺…………
お仕事頑張ります!




