第8話 部長
さらにあれから何日経っただろうか。
……まー、せいぜい五、六か月くらいだろう。
俺にとっては、あっという間だ。
変わらず俺は働き者だ。
規則正しく、仕事に励んでいる。
そのおかげで、カエデのことも……たぶん吹っ切れた。
少なくとも、俺はそう思っている。
カエデは地球の少女だ。
俺とは次元が違う。
地球は確か……三次元だったか?
俺たちは五次元とか七次元だったか?
忘れた。
だが、高次元から低次元は見ることができるが、低次元から高次元を見ることはできないらしい。
だからカエデは俺のことを一生知ることはできない。
よーく考えれば分かることだ。
……思い返すと、恥ずかしい。
ピーピーピーピー
俺が一人で反省をしていると、急に通信機が鳴った。
「はい、こちらMOON MAN」
「惑星監視本部のGALAXYだ」
「え!?」
最悪だ!
惑星監視人総監視部長、GALAXY部長。
この人怖いんだよ。
俺、苦手。
「な、何でしょう?」
な、なんだ?
何か俺したか?
もしかしてカエデのことか?
でも、もう俺は吹っ切れたし……
あードキドキする……不整脈!
あの時とは違う不整脈!
俺は汗を拭い、唾を飲んだ。
喉が詰まり、うまく声が出せない。
「どうした? 体調が悪いのか?」
「あ、いや。少し暑いなーって」
「月は暑いのか? 初耳だが」
「あー近くに太陽あるんで! 昼は百十度くらいありますよ! あははは」
「……そうだったな」
怪しんでる!絶対怪しんでる!
でも、何とか切り抜けた。
何焦ってるんだ、俺。
まだ話も聞いてないのに……
俺は小さく深呼吸をした。
呼吸と鼓動が徐々に落ち着いていく。
これで大丈夫。
何でもこいや!!
「GALAXY部長、それで何の用でしょうか?」
「あーすまない。少々確認したいことがあってな」
「確認ですか?」
「MOON MAN、最近仕事に身が入っていないんじゃないか?」
頭の中がすーっと白くなっていくのがわかった。
少し……心当たりがあった。




