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リオンは帝国の隅にいた。
降伏した兵士たちに混じって、帝国に残ることを選んだ——というよりも、行く場所がなかった。王都に戻ってもドミニクとヴィクトルは拘束されている。神殿は機能を停止している。自分を「勇者」として迎えてくれる場所は、もうどこにもない。
リオンは三日間、割り当てられた寝台の上で膝を抱えていた。食事は配給されたが、手をつけなかった。正確には——手をつける気力がなかった。空洞の中にいた。何を考えればいいのかわからない。何をすればいいのかわからない。今までの人生で、一度も「自分で決める」ことをしなかった人間が、突然全てを自分で決めなければならなくなった。
四日目の朝。
腹が鳴った。
生理的な、どうしようもない音。体が食事を要求している。頭が拒否しても、胃が動く。
リオンは寝台から降りた。裸足で冷たい土の床を踏んだ。居住区の外に出た。朝日が眩しかった。
炊事場が見えた。帝国民の女たちが朝食の支度をしている。大鍋に粥が煮えている。湯気が立ち上り、穀物の素朴な匂いが漂っている。
リオンは炊事場の列に並んだ。
誰に言われたわけでもない。側近が導いたのでもない。腹が減って、食べ物の匂いがして、列があったから並んだ。それだけ。
順番が来た。鍋の前に立つ女性が、リオンの顔を見た。金髪碧眼。元勇者。この帝国で最も複雑な立場にいる青年。
女性は何も言わなかった。木の椀に粥をよそい、差し出した。
リオンは椀を受け取った。両手で。温かかった。
炊事場の隅に座り、粥を口に運んだ。熱い。舌を火傷しそうだった。味は薄い。塩と穀物だけの、飾りのない粥。神殿で食べていた白磁の皿に盛られた料理とは、何もかもが違う。
しかし——腹に入った。
自分の手で椀を持ち、自分の口に運び、自分の腹に入れた。
リオンはそのまま、しばらく座っていた。空の椀を膝の上に載せて。
防壁の外。森の中の木の上から、カイがその姿を見ていた。
偵察の帰路だった。拠点を横切る最短ルートの途中に、炊事場がある。
灰緑色の目が、粥の椀を抱えて座っている金髪の青年を映した。
カイは何も言わなかった。足を止めることもなかった。
しかし——視線は、通り過ぎるまで外さなかった。
あの乾燥肉が。無駄にならなかった。




