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『追放された悪役令嬢は、最凶の悪党たちと辺境で【悪の帝国】を建国する』  作者: 冷やし中華はじめました
依存からの脱却と自立

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2

三日目の朝、食料が尽きた。

前日までの残りは全て消費した。木の実は周辺の分を採り尽くし、より奥へ入らなければ見つからない。しかし森の奥には魔物がいる。セレーナの防衛ラインの外——つまり今の難民キャンプの位置——は、小型の魔物が日常的に通過する領域だ。

昼過ぎ、子供が泣き始めた。

メイラだった。ダリオの娘。腹が空いて泣いている。母親のリーネが抱きしめるが、与える食べ物がない。リーネの頬も痩けてきている。

夕方、ダリオは一人で森に入った。食べ物を探すために。

暗い森の中を歩きながら、ダリオは自分が今していることの馬鹿馬鹿しさに気づいていた。靴職人が、森で食料を探している。木の実と毒キノコの区別すらつかない。こんなことをするために、あの拠点を飛び出したのか。

枝の上で何かが動いた。

ダリオは凍りついた。黒い影。四本足。尾が長い。牙が見えた。

小型の魔物——影狼だった。体長一メートル足らずの捕食者。人間の成人一人なら殺せる力がある。

影狼はダリオを見つめていた。黄色い目が、暗闇の中で光っている。

ダリオは——逃げた。

叫びながら、枝を掻き分け、転びそうになりながら、キャンプまで走った。影狼は追ってこなかった。たまたまだ。腹が減っていなかったか、他に獲物があったか。運が良かっただけ。

キャンプに戻り、息を切らしながら地面に座り込んだ。手は震えていた。

ヴェルナーの防衛訓練で槍の握り方を教わった時のことを思い出した。あの時は馬鹿にしていた。靴職人が槍なんか振るってどうするんだと。訓練に参加はしたが、本気ではなかった。

今、あの槍があれば。

いや——あの槍の振り方を、本気で覚えていれば。


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