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三日目の朝、食料が尽きた。
前日までの残りは全て消費した。木の実は周辺の分を採り尽くし、より奥へ入らなければ見つからない。しかし森の奥には魔物がいる。セレーナの防衛ラインの外——つまり今の難民キャンプの位置——は、小型の魔物が日常的に通過する領域だ。
昼過ぎ、子供が泣き始めた。
メイラだった。ダリオの娘。腹が空いて泣いている。母親のリーネが抱きしめるが、与える食べ物がない。リーネの頬も痩けてきている。
夕方、ダリオは一人で森に入った。食べ物を探すために。
暗い森の中を歩きながら、ダリオは自分が今していることの馬鹿馬鹿しさに気づいていた。靴職人が、森で食料を探している。木の実と毒キノコの区別すらつかない。こんなことをするために、あの拠点を飛び出したのか。
枝の上で何かが動いた。
ダリオは凍りついた。黒い影。四本足。尾が長い。牙が見えた。
小型の魔物——影狼だった。体長一メートル足らずの捕食者。人間の成人一人なら殺せる力がある。
影狼はダリオを見つめていた。黄色い目が、暗闇の中で光っている。
ダリオは——逃げた。
叫びながら、枝を掻き分け、転びそうになりながら、キャンプまで走った。影狼は追ってこなかった。たまたまだ。腹が減っていなかったか、他に獲物があったか。運が良かっただけ。
キャンプに戻り、息を切らしながら地面に座り込んだ。手は震えていた。
ヴェルナーの防衛訓練で槍の握り方を教わった時のことを思い出した。あの時は馬鹿にしていた。靴職人が槍なんか振るってどうするんだと。訓練に参加はしたが、本気ではなかった。
今、あの槍があれば。
いや——あの槍の振り方を、本気で覚えていれば。




