15-7 キムジョン帝国の侵略戦争ジェノサイド7
さらに激しさを増す戦争。コリア公国とアラバス公国は陥落し、キムジョン帝国軍の支配下に置かれる状況になっていく。
「ソフィア、今からミニッツに念話を入れるから一緒に対策を聴いていてほしい。」
「はい。」
「ミニッツか、晶人だ。」
「晶人さん、落ち着いて聴いてくださいね。中山勇司朗総大将率いる970万の軍隊はキムジョン帝国の仕掛けた多くの罠にかかり、兵数が半減しています。一方、キムジョン帝国の兵力は未だに5000万弱です。キムジョン帝国の兵士は、酸素欠乏症にならないように外から大型発電機を使い、地下トンネルに地上の空気をとりこんでいるようです。また、大型ドリルで天の使徒の国の地下に接近することを考えています。このままでは、天の使徒の国も国民が大虐殺の目に遭います。コスモサイコキネシス・インフィニティを用いてコスモエナジーを吸収し、天の使徒の国の地下から空中まで防衛用バリアを張って下さい。晶人さん、イメージが肝心です。自分にかける防衛用バリアを広げる感覚です。大魔法地図を見ながら国土の範囲をイメージしてください。失敗を恐れずに取り組んでください。このバリアに全てがかかっています。チャレンジした後で必ず連絡を下さい。」
「ミニッツ、ありがとう。やってみるよ。必ず成功させてみる。」
晶人は、両脇を締めた状態で掌を天に向け、コスモエナジーの吸収を始めた。すると、光の粒子が次々に晶人の掌に吸い込まれていった。晶人の頭には大魔法地図に描かれている天の使徒の国の形は適切にインプットされていた。そのため、どんな形が適切なのかイメージするのが早かった。晶人は、球体をイメージした。天の使徒の国の国は南北に長い。晶人は既に、その形に沿ったバリアを創ることは不可能なことだと判断した。直径が6千kmの球体をイメージすることに集中した。その球体をバリアにするのだ。
「よし、できた。やってみよう。」
「晶人は、掌を下に向けコスモエナジーを10分ほど送り続けた。その後、掌を地面に平行に向け、その後、空に向けた。」
すると、一瞬にして透明に近い虹色のバリアが目にとびこんできた。その透明に近い虹色のバリアは地下にも入り込んでいった。
「よし、やった完成だ!」
「ミニッツ、俺だ、晶人だ!国を守る完全防御の国の防衛用バリアができたんだよ!」
「晶人さん、ご苦労様でした。これで一安心ですと言いたいところですが、中山勇司朗総大将に全軍隊客を命じて下さいませんか?勇司朗次郎総大将は私の存在を伏せてあります。晶人さんの命令しか聞かないと思います。電磁波の影響でレーダー探知機腕時計は使えないらしいですけど、私の推察能力で測定すると兵士の半分は死んでいるのです。深追いは危険です。撤退命令を出してください。」
「ミニッツ、了解した。念話を入れてみるよ。」
「よろしくお願いします。」
晶人は、中山勇司朗総大将に念話を入れる前に、ソフィアと晶人タイガーと晶人フェンリルに念話を入れ、国全体を守る防衛用バリアを施したことを説明し、避難してきた住民たちの怪我の状況を把握し、細胞再生魔法や治癒魔法、完全治療魔法を用いて、怪我人の治療を優先することを伝えた。その後、中山勇司朗総大将に念話を入れた。
「山ちゃん、俺だ、晶人だ。地下トンネルに入った部隊の状況を教えてくれ。」
「オオー!晶人やんけ!アカンわ。敵に完全にだまされて全部隊が罠に陥ってしもうたで。今、その裏をかいて前進しているねんけど、敵が見当たらんのんや。しかも、迷路になっていて位置が分からない状況や。そっちはどないな状況やねん?」
「山ちゃん、こっちもはめられた、キムジョン帝国の兵士に完全に裏をかかれた。コリル公国とアラバス公国にまで数千の地下トンネルの出入り口を設けて、そこから総攻撃を受けた。街や城が焼け落ちて火の海になり、国民の約半数の2億人が犠牲になった。1100万人の防衛軍も生き残ったものが約200万人の状況になってしまった。敵は、地下トンネルから次から次に湧いたように出て来て、城壁の5分の4を占拠された。敵の機関銃によって重機関銃も破壊され、生き残った兵士は大魔法陣で天の使徒の国に転移させたよ。山ちゃん、キムジョン帝国の軍隊は、大型電気ドリルで我々の本拠地のある天の使徒の国に向かっていると思われる。今が撤退するチャンスだ。土魔法で斜めに穴を掘って全員地上に脱出するように将軍と中将に念話で伝えてくれないだろうか?俺は今からおおよその見当で現地に向かう。味方の兵士が縦穴から出てきた時点で大魔法陣を創りだすから、天の使徒の国に退却するよう命じてくれ。それから、重傷者も含めて協力し合って脱出してくれないか?」
「わかったで。実は俺もどうするか迷っとったで。念話で全大将と中将に伝えるわ。ここでもし敵軍に遭遇しても土砂で生き埋めや。それだけは回避せなアカン。」
「山ちゃん、斜めに穴を掘るときは、15度ぐらいがせいぜい妥当だと思うぞ。30度にすれば、滑り落ちて大事故が起こる危険性がある。大将と中将が土魔法で斜めに穴を空けたら、アンカーワイヤ―ロープを地上に投げてしっかり引っ掛けるんだ。そして、大将と中将がアンカ―ワイヤーロープを伝って地上に出たら、大きな岩にくぐり付けてくれ。木じゃ抜けてしまうからな。できるだけ大きな岩にくくりつけてくれ。」
「わかった、晶人、おおきに。ほな、全軍隊客命令を出すで。」
晶人は、おそらくキムジョン帝国の軍が今度は、天の使徒の国を狙って地下を掘り進めていることを鑑み、地上に残された味方の軍靴の後を追って、その中間地点に山を絞り、空中で待機していた。その30分後、アンカーが地上高く飛んでいる姿を発見した。晶人は大念話に切り替えた。
「俺だ、晶人だ!今、地下トンネルからアンカーを投げたのは誰だ!」
「おお、晶人!秀吉だ!今のアンカーは俺のだ!」
「秀吉、俺がアンカ―を拾って大きな岩に括りつけるから、それまで登ってくるのを待ってくれ。」
「ラジャー!」
晶人は、周囲を見渡し、多くの岩がある山を発見し、大きな岩にアンカーをくくりつけた。」
「秀吉!大丈夫だ!アンカーワイヤーロープは頑丈な岩にくくりつけた。登ってきていいぞ。」
「サンキュー、晶人!よし、俺に続いて登って来い!」
「イエッ・サー!」
「イエッ・サー!」
「イエッ・サー!」
かくして、10人の大将と20人の中将の開けた穴から出されたアンカーワイヤーロープ全30本を所々の岩山にくくりつけ、大将や中将、兵士たちが穴から這い上がって来た。そして、位置を把握した大将と中将は転移魔法を使って、地下にいる怪我人や重傷者を地上に運び出した。
全員が泥まみれの姿であった。ゴーグルを外すと目だけが光っており、顔中泥だらけであった。晶人は兵士たちがよじ登ってくる間に天の使徒の国に転移するための大魔法陣を数か所創り出し、大念話を用いて、天の使徒の国に退却するように命じた。
怪我がなかった兵士たちは、天の使徒の国に流れる川に飛び込み、体全身の泥を洗い流していた。大将と中将たちは、怪我が酷い順番に治療魔法を施していった。晶人もまた、怪我人の治療に当たっていた。晶人はソフィアと晶人タイガーと晶人フェンリルに念話を入れた。
「俺だ、晶人だ、全軍撤退が無事に済んだぞ。そっちの状況を教えてくれ。」
「はい、晶人フェンリルです。怪我人の治療は終わりましたが、2万人は既に息絶えていました。」
「そうか・・・。間に合わなかったか。晶人フェンリル、晶人タイガーと一緒になって、次元収納ストレージから完全栄養バランス食と水のペットボトルを支給してくれないか。ある程度の量がたまったら、物体再現魔法で次々に増やして配布してくれ。それから、ソフィアに代わってくれないか?」
「イエッ・サー!食料と水は既に配布ができるほど準備してありますので、配布いたします。それではソフィア女王陛下と代わります。」
「晶人さーん!ウエエーン!ウエエーン!ウエエーン!」
「ソフィア、悲しい気持ちを味わわせてすまなかった。俺の油断と取り返しの付かない落ち度だ。許してくれ。」
「晶人さんは悪くないですよー、ウエエーン!ウエエーン!」
「ソフィア、今、どこなんだ?」
「芝生の広場の真ん中にいます、ウエエエエーン!ウエエエエーン!」
「直ぐに行く!」
「スッ。」
「パッ。」
「晶人さーん!」
ソフィアは、大声で泣き続けながら晶人にしがみついて来た。
「大勢の人や亜人を助けることができませんでした!罪のない大勢の人たちが死んでいきました!ウエエエエーン!ウエエエエーン!」
晶人のコスモサイコキネシス・インフィニティで天の使徒の国の防衛魔法により全軍が撤退し、負傷者の治療に追われていた。晶人らぼっけもんずのメンバーたちは、今後、どのような善後策を立てるのか。




