7-3 アラバス公国の危機
晶人タイガーと晶人フェンリルと意気投合した晶人。晴人タイガーと晴人フェンリルによって、晶人は初めて自分の強さを知るが、いまいちピンとこない晶人であった。
晶人タイガーと晶人フェンリルがしばらくの間、晶人に抱き着いて泣いた後、晶人は晶人タイガーと晶人フェンリルに向かって改めて言った。
「晶人タイガーと晶人フェンリル、『天』に俺の部下になれと言われたそうだが、相手が『天』ともなれば、お前らも筋を通さねえといけねえだろう。それは、それでいい。だが、忘れんなよ。晶人タイガーと晶人フェンリル、お前たちは俺の『仲間』だ。それと、どんなことが起きても、死ぬな。俺が守ってやるから、敵がヤベエ相手だったら、逃げろ。俺がそいつを潰す。って言っても、お前ら相当強いんだろう⁉ランクを教えろ。」
「はい、晶人タイガーが7Zで、私も7Zです。」
「はあ?7Z?ギャハハハハ!ギャハハハハ!ギャハハハハ!」
「どうしたんですか晶人さん?」
「俺は、ミニッツから5Zって聞いたぞ?」
「はい。『天』は一度5Zと見立てて、5Zの強さを授かったのですが、これまでの我々の戦闘を見て『天』より7Zを授かりました。ミニッツさんは、恐らくこの事実を知らないのだと思います。」
「7Zだとよ!晶人フェンリル、俺が助けてやるレベルじゃねえじゃねえか!超大物じゃねえか!ギャハハハハ!ギャハハハハ!ギャハハハハ!」
「晶人さん、もっと強い人がいるんですよ!」
「そいつはいってえ、誰だ?」
「『天』と晶人さんです。」
「はあ?なんだって?」
「だから、『天』と晶人さんです。もちろん、『天』は宇宙の創造主ですからこの全宇宙を司っています。だから、レベルに入れちゃ失礼に当たるんです。そして、晶人さんもその類なんですよ。『天』から晶人さんが、『コスモサイコキネシス・インフィニティ』をもったバケモノだっていい聞かされました。だから、『天』以外で、この宇宙の全てで最も強いのは晶人さんなんです。知らなかったんですか?」
「はあ?なんだそりゃあ?『天』はそんなこと一言も言わなかったぞ。ちょっと念話して、確認してえ奴がいるから待ってろ。」
「はい。」
「はい。」
「もしもし、ミニッツか?」
「晶人さん、どうしたんですか?」
「どうもこうもねえよ!晶人タイガーと晶人フェンリルと話をしていたら、『天』以外にこの全宇宙でいちばん強いのは、この俺だって言うんだよ!冗談なんだろう?」
「いえ、本当です。『コスモサイコキネシス・インフィニティ』をもつ者は、『天』と晶人さんしかいません。だから、本当です。」
「おい、おい、おい、冗談だろう?」
「本当です。信じて下さい。私は『天』の息子です。二男です。『天』の息子の言うことが信用できないんですか?」
「ええーっ、マジなのか?」
「晶人さん、大マジですよ。だから、もっとも侵略戦争が激しい惑星『レミラス』に晶人さんを転移させたんです。」
「ミニッツ、俺、そんなに強いなんて実感ねえぞ。」
「晶人さん、戦っていくうちに実感が伴っていきます。でも、これは真実ですからね。今は、修業する時間がないから実感が湧かないんでしょうけど、サイコキネシスソードを使って、今度、死の森の山を斬ってみてください。必ず頭でイメージするんですよ。サイコキネシスソードそのものでも斬ることもできますが、コスモエナジーの力で斬撃が飛びますからね。父が渡したプリントをもう一度よく読んで頭にインプットしてくださいね。山や海で訓練をしてから、実践で使ってください。必ずです。そうじゃないと、この惑星が消し飛びますから。」
「はあ?消しゴム?じゃなかった、消し飛ぶ?わ、分かったよ。ありがとうな、ちゃんと訓練するからな。その間は、サイコキネシスソードの示現流だけは使っていいんだろう、ミニッツ?」
「はい、サイコキネシスソードを用いた示現流だけならいいですが、そこにイメージを入れちゃダメですからね。あくまでも、これまでしてきた天下無双の薩摩示現流だけのイメージで敵と戦ってくださいね。」
「わ、分かったよ。ありがとうな。また連絡するわ。」
「はい、いつでも連絡してください。」
「おい、晶人タイガーと晶人フェンリル、今、『天』の知り合いに念話したんだが、俺、なんか強いらしいぞ。」
「晶人さん、当り前じゃないですか!『天』が直接スカウトして、『コスモサイコキネシス・インフィニティ』を付与した時点で、『天下無双確定』なんですよ!それに、最弱小国のアラバス公国に転移させたってことは、アラバス公国の守護者になって、惑星『レミラス』を強国にして、この『レミラス』で起こっている残忍な侵略戦争を失くすために派遣したんですよ。」
「おい、おい、おい、俺を戦争の派遣社員みたいに言うんじゃねえ!」
「派遣社員?」
「戦争の派遣社員?」
「もういい、今の言葉は失言だ。撤回する。説明もしねえ。」
「俺が強いのは分かったけど、実践がねえんだよ。お前ら、俺の実践相手になってくれねえか?」
「ヒー、それだけは勘弁してください。」
「マジで勘弁してください。」
「何でだ?」
「殺されます。」
「はい、確実に殺されます。」
「俺は、そんなに危ねえ奴なのか?」
「はい。チョー危ない人です。」
「はい。チョー危険人物です。」
「晶人さん、頼みます、海とか山を相手に訓練するなら横でアドバイスできますから、それで勘弁してください。」
「わかったよ、晶人タイガー。そうさせてもらうわ。」
「あっ、そうだ、晶人タイガー、晶人フェンリル、俺の秘密基地に入れよ。美味しい飲み物をごちそうするぜ。」
「秘密基地?」
「秘密基地?」
「何だ?どうしたんだ?」
「晶人さん、失礼ですが、全然秘密になっていないじゃないですか?ログハウス、誰が見ても丸見えじゃないですか?」
「そ、そ、そうだな。そうとも言えるなあ~。秘密になっていねえなあ~。じゃあ、俺の『家』に入ってくれ。」
「はい。」
「はい。」
「何が飲みてえんだ?」
「ミルクです。」
「ミルクです。」
「おお、お前ら野生で生きて来たからミルクがいいのか。じゃあ、シロップを入れてやるよ。甘くなるぞ。はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
「うん、甘い!晶人さん、こんなに美味しいミルク初めてです。」
「美味しい!甘くて美味しいです。」
「そりゃあ、よかった。お替りはいるか?」
「はい。」
「はい。」
「ほれ、お替りだ。でも、ちょっと待て。飲みたい分だけこの器に手をかざして『物体再現魔法』って唱えてみろよ!ほれ、こうするんだ。『物体再現魔法!』」
「おお、ミルクがもう一杯増えました。こうやったらわざわざ甘いミルクを作らなくても好きなだけ飲めるんだぞ。」
「おおースゲエや!」
「うん、確かにスゲエ!」
「『物体再現魔法!』『物体再現魔法!』『物体再現魔法!』『物体再現魔法!』おおー!すごいや。」
「『物体再現魔法!』『物体再現魔法!』晶人さん、物体再現魔法で2個になったミルクに物体再現魔法を唱えたら、一気に4個になりましたよ。」
「おー!さすがじゃねえか、晶人フェンリル。晶人タイガーと晶人フェンリルは、次からは鍋で甘いミルクを作ってやるよ。砂糖の替わりにハチミツを入れてやるからな。」
「本当ですか!ありがとうございます。」
「楽しみです、ありがとうございます。」
ちょうどその頃、死の森のいっかくでは、不気味な大集団が集結していた。
「ブラックハイオークの兄貴、今、調査してきましたが、ゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルは、死の森の南側の奥地で、見知らぬ青年の家で獣人になってミルクを飲んでいました。」
「はあ?獣人に成り下がったのか?バカな連中だ。しかも、ミルクなんぞ飲みやがって、ヘ、ヘ、ヘ、今がチャンスじゃねえか。ゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルさえいなけりゃ、こっちのもんだ!」
「報告します。南門の守備隊が手薄になっています。10人ほどしかいません。ブラックハイオークの兄貴、今なら十分襲えますぜ。」
「よし、突撃だ!村や街を破壊して、人間を亜人を食いまくれ!」
「オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!」
「バキッ!ゴン!バキッ!ゴン!バキッ!ゴン!バキバキバキ!」
「南門を破壊したぞ!一斉に侵入しろ!」
「オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!オオー!」
「ギャー!ウワアアアー!ハイオークの集団が襲ってきたぞ!逃げろ、逃げろー!」
「殺せ!殺せ!殺しまくって、喰いまくれ!」
アラバス公国の南門を破壊し、街や村を破壊し、人間と亜人を喰らっていく10万ものハイオークたち。晶人と晶人タイガーと晶人フェンリルは間に合うのか?アラバス公国にとって最大のピンチが襲い掛かる!




