7-2 晶人の器
はてさて、ゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルとの面会を快諾した晴人。どのような出逢いになっていくのでしょうか。
翌朝、フィンランド製のログハウスのウッドデッキに置いたロッキングチェアに揺れながら、目覚めのブルーマウンテンを飲んでいると、ゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルから念話が入り、面会したいという申し出を受けた。
「晶人様、お目覚めでしょうか。私は『天』によって聖獣になったゴールデンサーベルタイガーと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
「晶人様、お早うございます。私は『天』によって聖獣になったイエローフェンリルと申します。どうぞよろしくお願いいたします。早速で申し訳ありませんが、直接、面会に行って宜しいでしょうか?」
「おお、ゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルか?俺も逢いたいと思っていたんだ、俺の家に来いよ!逢いたいよ!」
と言って、コーヒーを一口飲んだまさにその瞬間、
「スッ。」
「スッ。」
2体のとてつもなく大きな獣が現れ、晶人はコーヒーを霧のように吹き出してしまった。
「ブッ、ブッ、ブー!ゲホ、ゲホ、ゲホ、ゲホ・・・・。」
私は本能的にサイコキネシスソードに手をかけようとした、すると
「晶人様、早まらないで下さい。念話で申し上げたゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルです。」
「な~に~い!お前ら、怪獣だろうが!成敗してやる!」
「晶人さん、ミニッツです。早まってはなりません。正真正銘のゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルです。これが彼らの本来の大きさです。2匹とも、体長80mで肩までの体高が40mあるんです。前もって伝えずに申し訳ありませんでした。どうか、どうか、冷静になって下さい。」
「わかったよ、ミニッツ。戦闘モードに入りそうになったことをこちらも詫びるよ。」
「おい、お前たちがゴールデンサーベルタイガーとイエローフェンリルなのか?」
「はい、そうであります。私がゴールデンサーベルタイガーで左隣がイエローフェンリルです。」
「なんてデカさなんだ。見上げ過ぎて首が痛くなったぞ。」
「失礼しました。3D縮小魔法で10分の1のサイズにします。」
「スッ。」
「スッ。」
「おお~!やっと対等に話ができる大きさになったじゃねえか。」
「改めてご挨拶申し上げます。わたくしがゴールデンサーベルタイガーです。どうぞよろしくお願い致します。」
「わたくしがイエローフェンリルです。どうぞよろしくお願い致します。」
「俺は、大和晶人だ。よろしく頼む。」
「ハハーッ。」
「ハハーッ。」
「お前ら、俺にわざわざ挨拶をしにきたのか?ご苦労なこったな。」
「はい、それと『天』の命令を果たしに参りました。」
「イエローフェンリル、『天』の命令って何だ?」
「我々に名前をお付けください。」
「イエローフェンリルとゴールデンサーベルタイガーでいいじゃねえか。」
「いいえ、我々は晶人様に忠誠を誓う部下になるために晶人様から直接名前をつけてもらうよう、『天』からおおせつかっております。」
「そのままでいいのになあ~。『天』のおやっさんもやきがまわったなあ~。」
「どうか、どうか、晶人様より直接命名してください。」
「じゃあ、お前は晶人タイガーだ。お前は、晶人フェンリルだ。」
そう告げた瞬間、晶人と晶人タイガーは虹色のオーラに包まれ、頭と頭の部分に回廊のようなものができ、晶人からエナジーのようなものが晶人タイガーの頭の中に入り込んでいった。そして、それが済むや否や、同じような現象が晶人と晶人フェンリルにも起きた。
「晶人さん、これが忠誠の儀式なんです。名前を付けてやると、晶人さんの忠実な部下になります。今後は、晶人さんの手足となって動くでしょう。」
「晶人タイガー、晶人フェンリル、俺の部下になったそうだが、俺は、お前らに助けは求めても、こき使うつもりは、これっぽちもねえからな。俺の仲間として付き合ってくれ。これは俺からの命令だ、いいな。」
「ハハーッ。有難きお言葉に感謝いたします。この晶人タイガー、身命を賭してお仕え申し上げます。」
「ハハーッ。有難きお言葉に感謝いたします。この晶人フェンリル、身命を賭してお仕え申し上げます。」
「馬鹿やろう!」
「はあ?」
「はあ?」
「身命を賭してどうすんだ!絶対に死ぬなよ、何があっても死ぬなよ、逃げるべき時は潔く逃げろよ、とにかく死ぬな!俺の命令だ!」
「ハハーッ。有難きお言葉に感謝申し上げます。」
「ハハーッ。もったいないお言葉に感謝申し上げます。」
「晶人タイガー、晶人フェンリル、その『ハハーッ。』を『はい。』に変えてくれ。命令だ。かたっ苦しいのは苦手なんだ。」
「ハハ、いや、はい。」
「ハハッ、いや、はい。」
「ギャハハハハ!噛んだな!とにかく俺の部下は『天』の指図だから頂戴しておくが、俺がお前たちに言いたいことは、『仲間になれだ!』いいな。」
「はい。」
「はい。」
「晶人タイガーと晶人フェンリルは、『サイコキネシスソード』を持ちたいか?」
「ええーっ!よろしいのでしょうか?」
「ええー、いいのでしょうか?」
「晶人タイガーと晶人フェンリルは、今の姿のままじゃ刀は握れねえな。俺が獣人化してやるよ。獣人化は自分で簡単に解除できるからな。心配はいらねえぞ。それに、『サイコキネシスソード』を持てば、今より数万倍強くなれる。さあ、どうする。自分で決めてくれ。」
「はい、お願いいたします。」
「はい、お願いいたします。」
「よし、じゃあ、晶人タイガーから始めんぞ!俺がお前の額に手を当ててエナジーを送り込む。少し時間がかかるが、じっとしていてくれ。」
晶人の右腕の周りに虹色のオーラがグルグルと音を立てて回り出し、それが晶人タイガーの脳内に入り込んでいった。すると、晶人タイガーの体型に少しずつ変化が起こり、四つん這いから直立した獣人になり、手が人間に似た形になり、刀を持てるように変化していった。
「ウオオオー!なんじゃこりゃアアアア!」
「ギャハハハハ!ギャハハハハ!似合うじゃねえか、晶人タイガー!戦闘服まで着ていやがる。腰を触ってみろよ!ほら、そいつが『サイコキネシスソード』だ。使い方は俺が教えてやる。天下無双の剣術もな。」
「よし、次、晶人フェンリル、お前の番だ!」
晶人フェンリルにも晶人タイガーと全く同じ現象が起き、完全な獣人になった。そして、腰には『サイコキネシスソード』と『サイコキネシスソード』の脇差が差してあった。
「ウオオオー!なんじゃこりゃアアアア!」
「ギャハハハハ!ギャハハハハ!2人とも似合うじゃねえか!」
と言うや否や、晶人タイガーと晶人フェンリルが感極まって涙を流しながら晶人に抱き着いて来た。
「よし、よし、よし、よし。」
晶人は、晶人タイガーと晶人フェンリルの頭をなでながら優しく包み込んであげた。
「なにがあっても死ぬな」「仲間になれ」と命じられた晶人タイガーと晶人フェンリルは、その後、八面六臂の大活躍をして晶人を助けてゆくことになります。




