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6-2 アラバス国王、晶人を追放する

ダイヤモンド球を割ってしまった晶人。それから大騒動が起こりました。その展開の続きです。

 その傍若無人ボウジャクブジンな言動を、エリス皇后がイサめた。


「あなた、軽率な判断です!虹色のオーラを放つ者を追放してはなりません!ダイヤモンド球に浮び上がった文字を見ましたか!『守護神、英雄、名君、武神、平和の象徴、民衆の絶大なる支持、勧善懲悪』、虹色のオーラを放つ者こそ『天』の使者です。晶人殿の力が大き過ぎただけのことです。それにダイヤモンド球が持ちこたえられなかっただけのことです。」


「ええい!エリス女王は黙っておれ!発言を控えよ!」


「いいえ、発言は控えません、言わせてもらいます!御父上、御母上のおっしゃる通りです。虹色のオーラを放つ者は『天』であるホワイトドラゴン様の使徒です。しかも、天井に映し出された文字を御父上もご覧になったではありませんか!それを、追放するということは、あってはならないことです。晶人様にあまりにも失礼です。ホワイトドラゴン様の使徒であれば、この惑星を吹き飛ばすほどのエナジーを持っているはずです。だからこそ、ダイヤモンド球が割れるのは当然のことです。晶人殿は悪人ではありません。『善人の相』が顔に現れております!」


 すると、あろうことか、アラバス国王陛下は、娘である第一王女のソフィアのホホを思いきり叩こうと手を振り上げた。その瞬間、20mほど離れていた位置から、晶人はアラバス公国王陛下のそばに瞬間移動し、アラバス国王の振り上げた手を握りしめてこう言い放った。


「このように戒めの言葉を伝える勇気あるレディに対して、頬を叩こうとするとは何事ですか?しかも、愛する娘でしょう!レディを叩こうとする者は、例え国王であれ、オトコとして恥を知れ!」


 晶人は、そう言い終えるとまた瞬間移動し、元の位置に戻った。この動きを周囲の者たち全員がはっきりと目撃し、啞然となった。にもかかわらず、アラバス公国王陛下は、


「わしに対して無礼であるぞ!こやつは危険じゃ!ダイヤモンド球が割れて飛び散ったのが何よりの証左である!晶人よ、即刻立ち去れ!おい、近衛兵、鋼鉄の鎖でぐるぐる巻きにして、荷馬車に乗せ、『死の森』の谷底へ突き落として来い!」


「ハハーッ。おい、近衛兵、こやつをひっとらえるぞ!」


 すると、ミニッツが晶人に助言した。


「晶人さん、もう、こんな国からは出ましょう、」


「うん。こんな国王は、まっぴらだ。でも、エリス王妃とソフィア第一王女とリリー第二王女には一礼だけして去るよ。」


「うん、それがいいね。」


「晶人は、キビスを返すと、エリス王妃とソフィーナ第一王女とリリー第二王女の瞳を1人ずつしっかりと見ながら微笑んで一礼をし、その場を後にした。」

 ソフィア第一王女は、そのあたたかな微笑みに胸がドキッとし、体中に電気のようなものが走った。その数秒後、自分の足元に落ちている大水晶の大きな破片を拾おうとした。


「イタッ!」

 見ると、右手の手首や親指、人差し指、中指を深く切り、大量の血が床にしたたり落ちた。どうやら動脈まで切ったらしい。


「スッ。」

 晶人は、王の謁見の間の扉の位置、つまり50mの距離を瞬間移動し、ソフィアの右手を取った。


「痛かったでしょう。大丈夫です。心配しないで。直ぐ治します。温かい綺麗な手ですね。」


 晶人はサイコキネシスを使い、ソフィアの右手を、両手で包んだ。その際、晶人はソフィアの澄んだ青い瞳を見た。その瞬間、晶人にも体中に電気のようなものが走った。


「さあ、もう大丈夫。」


「スッ。」


 晶人は、ソフィアの澄んだ青い瞳を見つめながら微笑んだ。そして、またその場から消えた。



 ソフィアは、呆然としながら自分の右手の傷を見た。すると、あれほどの深い傷がふさがっていたのだ。


「御父上、御母上、ご覧ください。右手の深い傷がふさがって治っています!」


「なにを申す!血を流していたではないか!ソフィア、手を見せみよ!」


「はい、御父上、ご覧になって下さい。」


「な、な、なんと、本当じゃ!傷が完治しているではないか!何たることじゃ!」

 


 しかし、その間、晶人はもう城を出ていた。その後、近衛兵に囲まれて、荷馬車に乗り込んだ。晶人とミニッツの会話は、脳内で行う念話であるため人に聞かれる心配は皆無だ。


「ミニッツ、俺の『真偽の瞳』では、エリス王妃とソフィア第一王女は豊かな人間性を持っていると判断したよ。一方、ゴイル神官長は、俺の登場で職を追われる危険性を感じ取ってあのような発言をしたようだ。身の保身だな。心の腐った野郎だ。国王は、短気で短絡的で感情で物事を判断する人物のようだ。是非に及ばずだな。」


「そうですね。残念な話です。こうなったらこの惑星の全ての国が恐れる『死の森』を本拠地にして、国でも作りましょうか。」


「ギャハハハハ!ミニッツは発想が面白いなあ~、出発点が『死の森』か~、なんだかウケるな。」


 4時間ほど荷馬車に揺られた晶人は、鋼鉄の鎖で体を縛られたまま、高い崖から近衛兵に突き落とされそうになった。


「ちょっと待て、ガシャン!こんな鎖で俺様を拘束できるものか!じゃあな、アホ国王によろしく伝えてくれ!そうだ、あれほど綺麗で美しい娘に暴力を振るおうとする弱虫の『タコオヤジ』と付け加えておいてくれ。」


 そう言うと、晶人は、サイコキネシスで空を飛んだ。すると、大勢の近衛兵たちが、


「おい、空を飛んだぞ!しかも、すごいスピードだ。もう見えなくなったぞ!報告だ!国王陛下に報告するんだ!」


 急いで、城に帰った近衛兵たちは、アラバス国王とエリス王妃とソフィア第一王女と神官長にこのことを伝えた。


「なに!アホ国王じゃと!綺麗で美しい娘に暴力を振るおうとする弱虫のタコオヤジじゃと!鋼鉄でできた鎖を破壊し、猛スピードで空を飛んでいったじゃと!あ奴は魔法が使えるのか!信じられんぞ!」


「ウフフ、『アホ国王』と『タコオヤジ』ですって。晶人様は、お茶目な御仁ですね。ウフフ。」


「コラ!ソフィア、お前まで、このわしをバカにするでない!」


「あなた、だから言ったじゃありませんか?晶人様はホワイトドラゴン様の使徒で膨大なエナジーをもっているために、ダイヤモンド球が割れたのですよ。」


「御父上、晶人様は、礼節を重んじる方でした。父の暴力も私の右手の深い傷も一瞬に治してくださったのですよ。それに空を自由に飛べるのですから、様々な大魔法を使えるのでしょう。敵の陣営にでも入ったら、我が弱小国家のアラバス公国は、亡ぶのですよ。それに、ゴイル神官長は、晶人様の魔力やエナジーの力によって自分の地位や立場が危うくなり、退官させられると思い込んで、あのような危険視発言をしたのがまだ分からないのですか!」


「くうう、もう、どうしようもない。どの国家も近寄れぬほど危険な魔物が済んでいる『死の森』に行ったのじゃ。ジキに死ぬじゃろう。」


「御父上、万が一、『死の森』で生きていたら、謝罪をしていただけますか?」


「何を言う!ソフィア!国王たるわしが謝罪などするか!」


「御父上、晶人様は、噓偽りのないホワイトドラゴン様の使徒です。間違いございません。晶人様がお怒りになれば、このアラバス王国は、1分で全滅しますよ!」


「何!『予見の判別能力』をもつソフィアよ、それは誠か?」


「噓ではございません。御父上は、私に『予見の判別能力』があることを知りながら、癇癪カンシャクを起こし、私の諫言カンゲンを聞かぬばかりか、暴力まで振るおうとされました。晶人様は、それを制止して下さったのですよ。あのゴイル神官長は、晶人様が国王陛下になった折、その無能さが見抜かれることを恐れて嘘を付いたのでございます。そんなことさえ分からずに、晶人様を『死の森』に追放した責任は御父上が全て背負ってくださいませ。」


「あっ~、しまった。鋼鉄の鎖を破壊し、空を飛べる人間などおりはせぬ。まぎれもない『天』であるホワイトドラゴン様の使徒じゃ。わしは取り返しの付かぬことをしてしまった。」


 己のしでかした未熟さや情けない過ちに深く恥じ入り、忸怩ジクジたる思いにられるアラバス王国であった。


「レディを叩こうとする者は、例え国王であれ、オトコとして恥を知れ!」

「アホ国王によろしく伝えてくれ!そうだ、あれほど綺麗で美しい娘に暴力を振るおうとする弱虫の『タコオヤジ』と付け加えておいてくれ。」

 アラバス国王にこのような発言をし、激怒させた晶人。

この二人の関係は、今後、どのような展開になるのでしょう。

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 筆者は、少年期の酷いいじめの経験と青年期の二度の心肺停止と臨死体験と死後の世界を経験しました。世界で起きている侵略戦争に対して、強い憤りの念をもつ筆者が、せめて異世界の小説の中だけは、侵略戦争を食い止め、勧善懲悪を貫き通す武士道精神をもった薩摩武士の生き様を描きたいという強い思い入れがあり、せめて異世界ものの小説は絶対的な「善」が存在し、絶対的な「悪」を懲らしめるといったストーリーを軸足に据え、筆者の実体験を基にしながら、主人公が数々の危機を乗り越えながら予定調和的な結末に落ち着くことで、現在起こっている侵略戦争に対するアンチテーゼを提案したいと考えています。 #男主人公 #超能力 #侵略戦争 #臨死体験 #心肺停止 #薩摩示現流 #コスモサイコキネシス #勧善懲悪 #ロマンス #心理学 #大量虐殺 #武士道精神 #命の尊さ #転移 #薩摩隼人
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