6-1 晶人、アラバス公国へ転移する
アラバス公国へ転移した晶人。しかし、とんでもないことが巻き起こってしまいます。
このような経緯があり、晶人は虹色のオーラに覆われた竜巻の中にいた。すると晶人の耳元で声がした。
「初めまして、晶人さん、『天』の二男の『ミニッツ』と言います。ずっと天の声として晶人さんの付き人をすることになりました。よろしくお願いいたします。」
「俺は、大和晶人だ。ミニッツ、敬語は要らない。晶人でいい。晶人と呼んでくれ。こちらこそよろしく頼むな。」
「分かりました。でも、『晶人さん』と呼ばせてもらいますね。晶人さん、『天』から『コスモサイコキネシス・インフィニティ』と『サイコキネシスソード』を授かって来たので、今、晶人さんの脳を通して同化させます。両眼を閉じて下さい。それでは行きます。…。はい、無事に終わりました。」
すると、晶人は宇宙でも3本の強度を誇るブラックドラゴンの甲冑を身に纏い、「サイコキネシスソード」の刀と脇差を授かり、瞳には六芒星が宿った『真偽の瞳』に変化した。
「晶人さん、成功です。完璧です。」
「晶人さん、そろそろ、アラバス公国の謁見の間に転移します。」
「ラジャー!」
「グル、グル、グル、グル、グル、グル、グル、グル、ヒューン!」
複数の魔法陣が描かれた円を通り抜けると、晶人は、大きな虹色のオーラを身に纏いながら、国王の間の赤い絨毯に姿を現した。
「オオー!」
「勇者が現れたぞ!」
「遂に勇者が現れたぞ!」
「1000年ぶりの勇者じゃ!」
「見よ!虹色のオーラは『天』を表すのじゃぞ、『天』の使徒に相違ない!」
「そうじゃ、『天』の使徒じゃ!」
大勢の神官たちと駆けつけていた大勢の貴族とアラバス国王陛下とエリス女王陛下、そして、第一王女のソフィアと第二王女のリリーは、あまりの驚きに平静さを隠し得なかった。
ゴイル神官長が、晶人に向かって名前を尋ねた。
「そなたは、名を何と申す?」
「姓は大和です。名は晶人です。」
「では、何と呼べば良い?」
「晶人で結構です。」
「では、晶人よ、ローランド共和国王陛下とエリス女王陛下、そして、第一王女のソフィーナ様、第二王女のリリー様にご挨拶を。」
「此度の召喚に応じました大和晶人です。どうぞよろしくお願い致します。」
「うむ。晶人よ、よろしく頼むぞ。我が国、アラバス公国のために尽くすのじゃぞ。」
「ハハーッ。」
晶人は、ゴイル神官長に促された。
「では、晶人よ、そなたの能力を確かめる。こちらに参れ。」
「はい。」
「よいか、晶人、これは、数千年前からアラバス国王に伝わる国宝のダイヤモンド球だ。この大きなダイヤモンド球に右掌をかざすのじゃ。さすればそなたが何者で、そなたのもつ能力と資質が文字となって表れる。」
「さあ、やってみよ。」
晶人は、ゴイル神官長から言われるがままに大きなダイヤモンド球に右掌をかざしてみた。その瞬間、直径が30cmほどあるダイヤモンド球が虹色のオーラを放ち、王の謁見の間の天井に文字が浮かび上がった。
「守護神」、
「英雄」、
「名君」、
「武神」、
「平和の象徴」、
「民衆の絶大なる支持」、
「勧善懲悪」、
という文字がダイヤモンド球の中に浮かび上がり、天井にその文字が浮かび出された。
王の謁見の間に集まっている神官や貴族たちは驚愕の声を上げた。
「何と!『守護神、英雄、名君、武神、平和の象徴、民衆の絶大なる支持、勧善懲悪』の文字が書かれているぞ!」
「これは、まぎれもない『勇者』じゃ!神官たちは『勇者』召喚に成功したのだ!」
すると突然、その大きなダイヤモンド球に徐々に数本の大きな亀裂が入り、
「バ、バ、バ、バーン!」
という爆発音とともに、ダイヤモンド球が四方八方に飛び散ったのだ。
「危ない!皆、伏せよ!」
とっさにアラバス国王が大声で叫んだ。
「何たることじゃ!あってはならぬ、我が国の国宝であるダイヤモンド球の破裂じゃ、いや爆発じゃ!ゴイル神官長よ、この事態をどう解釈するのじゃ!」
アラバス王国陛下が大声で叫んだ。
それに対してゴイル神官長は、あろうことか
「国宝のダイヤモンド球の破裂は、建国史上、今まで一度もなかったこと。ダイヤモンド球が鉱石の中で最高クラスの硬さなのです。これはまさに、我が共和国にとって、不吉な前兆であるとお見受けします。割れるどころか、爆発するなど決してあってはならぬことです。アラバス国王陛下、これは不吉な前兆であることに間違いありません!」
と恣意的な発言をし、アラバス王国陛下の不安を煽った。
「何たることよ!この最弱の国家を立て直し、列強諸国並みの強さにしようとしたわしの夢が水の泡になってしもうたではないか!しかも、国王の座を譲り渡し、ソフィア第一王女をそなたの妃にするつもりじゃったが、全ては幻に終わったではないか!このような危険な輩は、即刻、追放じゃ!近衛兵たちを集めて、鋼鉄の鎖でぐるぐる巻きにせよ!『死の森』に追放じゃ!くそう!国宝のダイヤモンド球を割りおって!」
その傍若無人な言動を、エリス皇后が諫めた。
「あなた、軽率な判断です!虹色のオーラを放つ者を追放してはなりません!ダイヤモンド球に浮び上がった文字を見ましたか!『守護神、英雄、名君、武神、平和の象徴、民衆の絶大なる支持、勧善懲悪』、虹色のオーラを放つ者こそ『天』の使者です。晶人殿の力が大き過ぎただけのことです。それにダイヤモンド球が持ちこたえられなかっただけのことです。」
「ええい!エリス女王は黙っておれ!発言を控えよ!」
さて、その後の展開はどうなるのでしょう。




