2-6 大爆笑!愉快な仲間たち 4
この白部和隆も伝説の多い人物である。そのうちの2つを紹介しよう。1つ目は、小学校時代、学校予算の関係で白部和隆や和田秀吉、中鳥俊二が通う学校は、ショベルカーで掘った穴にビニールシートを被せ、プールに使用していた。そしてついに、本格的な工事が始まり、コンクリート製の綺麗なプールが完成したそうだ。
その記念すべきプール開きの際に町長や教育長などのお偉いさんたちがたくさん集まり、式典が行われた。そして、長々とした校長先生の話が終わった後、参加した6年生だけ、笛の合図で一斉にプールに入ることになっていた。
そして、教師の笛の合図で皆がプールに入ろうとしていたときに、白部和隆は、一回転ジャンプをしてプールにカッコよく入ろうとしたのだが、ジャンプする場所がプールより手前過ぎて、プールのコンクリートで頭部を割り、大出血をし、そのままプールの中に倒れ込んだらしいのだ。すると、プール一面に白部和隆の頭部から出た血で真っ赤に染まり、直ぐに救急車が呼ばれ、式典は中止になったという。
白部和隆は喧嘩番長と呼ばれるほど、荒くれ者だったが、式典が中止になりプールに入れなかった女子たちからこっぴどく文句を言われたという。
また、二つ目の伝説は、その当時はまだ、校庭のトイレは男女別に分かれておらず、男子の小便用のトイレは、横に穴を掘って、コンクリートで固められたトイレであった。アンモニアの匂いがきつく、黄色い塊のような物がびっしりとこびりついたトイレであった。
白部和隆は、体育の授業が終わると小便がしたくなり、猛ダッシュして、トイレに入って行ったそうである。しかし、和田秀吉や中鳥俊二のところに一向に戻ってこないので和隆を見に行ったところ、トイレ入り口の敷石でつまずき、そのままコンクリートで固められてある黄色に染まったトイレを横滑りし、体育服が真っ黄色になって落ち込んでいたという。
実は、俺(=晶人)自身にも変態的な伝説や女子たちに嫌われていた伝説をもっていた。晶人は、福山智勝と白部和隆と中鳥俊二と同じクラスという最悪の状況の中にいたのだが、ある日の掃除時間に、体育教師のヤクザのような担任から、体育館の地下の掃除を命じられ、福山智勝と白部和隆と中鳥俊二たちと埃まみれになりながら箒と塵取りと雑巾がけのグループに分けて掃除をしていたところ、跳び箱の奥から黒いものが出てきた。私はそれを取り上げると、真っ白な埃のついたブルマーだった。そこで、悪行の数々を行ってきた晶人は、皆に対して、
「おい、ブルマー鬼ごっこをするぞ。じゃんけんで負けた奴はブルマーをかぶったまま体育館の中を追い回し、タッチされた奴が鬼だからな。」
と意気揚々と言って、ジャンケンをしたところ、言い出しっぺの晶人が鬼になってしまったのだ。ブルマーは真っ白だったので、箒でバンバン叩くと埃がたくさん出てくるほど汚れたブルマーだった。晶人は、見通しを誤っていた。前が透けて見えるのだろうと思ったところが、かぶってみると真っ暗で何も見えないのだ。周りの男子に冷やかされてもどこにいるのか分からなかった。そして、急に体育館が静まり返ったときに、晶人の前に人の気配がしたため、晶人は喜び勇んで、
「タッチ!」
と叫んで、ブルマーを脱いだ時、晶人の体は凍てつくように固まってしまった。晶人がタッチしたのは鬼教官で有名な担任の体育教師だったのである。非常に重い拳骨を2発も喰らって、意識が宙を舞ってしまったのである。
その話が、クラス中に広がると、変態晶人と呼ばれるようになり、女子の一部から白い目で見られるようになったことは言うまでもない。
併せて、俺(=晶人)は、女の子の気持ちが全く理解できない漢であった。ホワイトデーで依然同じクラスだった女の子から、海苔の入っていた大瓶にたくさんのクッキーをプレゼントされた。
俺(=晶人)は、腹が減っていたので、校門を出た瞬間にビリビリと包み紙を破いてカバンに突っ込み、箱を空けて、クッキーを食べ始めた。俺が美味しそうにクッキーを食べながら下校していると、ぼっけもんずの連中が全員寄って来て、
「晶人、美味しいか?」
と尋ねてきたので、素直に、
「いろんな味があって、超うめえぞ。ザクザクして美味しいぞ。」
と返事したのが運の突きであった。
「晶人、俺に一枚食わせろよ!」
と智勝に言われ、智勝にクッキーを一枚渡した。すると、智勝が、
「美味いぞ!」
といったものだから、まわりにいたぼっけもんずの連中が、
「晶人、俺にも一枚食べさせてくれ!」
と頼み込んできたので、
「いいぞ。」
と言ったが最後、
「俺にも。」
「俺にも。」
「俺にも。」
「俺にも。」
「美味いぞ!」
「美味いぞ!」
「美味いぞ!」
「美味いぞ!」
となってしまい、一気に4枚のクッキーを取る奴まで現れたのだ。と、その瞬間、女子の一団が自転車で下校して通り過ぎたのだが、その中に、晶人にクッキーをプレゼントした女子がおり、涙を流しているではないか。
俺は、自宅に帰ってから、そのことを兄に話したら、
「その女の子も、涙を流すほど嬉しかったんだぜ、晶人。お前が親友のぼっけもんずのメンバーにも美味しいクッキーを食べさせる優しさに感動したにちげえねえ。お前自身がクッキーを美味しいと感じたから、ぼっけもんずのメンバーにも喰わせたんだろうが?」
「兄ちゃん、違うんだよ、智勝にクッキーを一枚渡したら、次々にぼっけもんずの連中に取られたんだって。」
「晶人、結局はお前が食っていいことを許可したんだろう?」
「うん。」
「だったら、ぼっけもんずの連中も幸せだっただろうなあ~。いいことをしたんだ、いつか、ぼっけもんずの連中からいいことが返ってくるぜ。」
俺(=晶人)は、翌日、クッキーをプレゼントしてくれた女の子の所属する女子バレーボール部員10名に屋上の踊り場に呼び出され、
「この最低野郎!ボカッ!」
「最悪だテメエは!ドスッ!」
「〇〇〇ちゃんの気持ちを考えたことがあんのか、ゴン!ゴン!ゴン!」
女子バレーボール部員が手に持ったモップで思い切り袋叩きにあったことは言うまでもねえ。
それ以来、卒業式以降も女子バレーボール部員とすれ違うときは、必ず「最低野郎!」と言われ続けたのであった。
そのことを兄に話すと、
「そりゃあ、晶人、お前が悪いぜ。『女心と飽きらせるぜ』ていうからなあ~。結局、お前は飽きられたのかもなあ~。」
と意味の分からないことを言われたのだった。
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