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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十一章 エルフの里の異変

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第10話 洞窟を調査しよう!

「さすがに暗いな……足元に気をつけろよ」

「は、はい」


 洞窟の中には光源がなくて、真っ暗だ。

 地面が少しぬかるんでいるせいもあって、油断したら滑っちゃいそうだ。

 こんな調子で先に進めるかなと不安になっていると、


光在ひかりあれ」


 そうアンナさんが呟いて、次の瞬間洞窟の中がふわっと明るくなる。

 見るとアンナさんの手の先に小さな球体の光源が出現している。その明るい球は、僕たちの頭上に移動し、ふわふわと浮きながら足元を照らしてくれる。


「これって……」

「光魔法です。攻撃能力はありませんが、足元を照らすくらいならこれで十分だと思います」

「ありがとうございます! これくらい明るかったら大丈夫ですね!」


 アンナさんのおかげで快適に進めるようになった僕たちは、スピードアップして洞窟の中を進む。

 中を進んでいくと、なんだか空気が淀んだ気がしてくる。気温も下がってきて肌寒くなる。エルフのみんなは薄着なので寒そうに肌をさすっている。


「嫌な気配がするな……警戒しろよ」


 エレナさんは剣を構えながら先頭を進む。

 最後尾ではアンナさんがいつでも魔法を放てる準備をしてくれている。これならいつ襲われても安心だ。


 警戒しながら進んでいると、洞窟の通路が急に広くなる。

 その先は開けた空間になっていた。円状に広いその空間の中心部には、巨大な黒い塊のような物があった。

 あれは……瘴気? 黒く淀んだそれは怪しく蠢いていて、今にも動き出しそうだ。

 その瘴気の塊は、大きな光の鎖のようなものでぐるぐると縛り付けられている。あの鎖が瘴気を抑え込んでいるように見える。


「アンナさん、あれって……」

「あの鎖からは強い『封印』の力を感じます。あれがお母さまの施した封印魔法で間違いないでしょう」

「ということはあの瘴気の塊が……」

「はい。形こそ変わってますが、あの悍ましい瘴気……ブラックウィドウで間違いありません」


 アンナさんはその瘴気の塊を忌々しげに睨みつける。

 ブラックウィドウは多くのエルフを手にかけ、アンナさんのお母さんの命まで奪った。憎く思っていて当然だ。


 ブラックウィドウは巨大なクモって聞いたけど、目の前の瘴気の塊は繭のような球体だ。封印されてあの状態になってるのかな?

 もし封印が解けたらどうなるのか、考えただけでぶるっとする。


「おい! クモが出てきたぞ!」


 エレナさんが瘴気の塊を指差して声を出す。

 見ると瘴気の塊の一部がちぎれて、クモのモンスターへと変化する。僕たちが戦ったクモと同じくらいのサイズだ。

 里にいたクモは、ブラックウィドウがああやって作り出していたんだ。


 そのクモは瘴気の塊の上を這って動くと、光の鎖のとこまでいってガジガジとそれを齧りだす。光の鎖は頑丈ですぐには壊れないけど、それでも少しずつ傷がついてしまう。


「ああやって少しずつ封印を弱めていたのか……母上の封印下で手下を作り出すとは、なんて恐ろしいやつだ」


 エレナさんはそう言った後、鎖を齧るクモを切り捨てる。

 クモは簡単に倒され消滅するけど、鎖は傷ついたまま。このままじゃいつか封印は完全に解けてブラックウィドウは復活してしまうだろう。


「アンナさん。封印はどれくらい持ちそうですか?」

「かなり弱くなってますね……おそらく持ってあと数日といったところでしょうか。まさかここまで封印が弱くなっているなんて。もう少し気づくのが遅れていたら危ないところでした」


 僕が思っていた以上に封印は危ない状態だったみたいだ。

 教えてくれた女神さまには感謝しないとね。これが復活して村を襲ってきたら危なかったかもしれない。


「この封印が解けないようにすることはできますか?」

「はい。私が封印を重ねがけすれば、ある程度は持たせられると思います。一度封印を解除してブラックウィドウを倒すという手もありますが……それはあまりにも危険だと思います」


 ブラックウィドウはエルフの里を滅ぼすほど強いモンスター。今ここで戦うのは確かに危険だ。

 ここは封印を重ねがけしてもらって、また今度、万全の状態で倒しに来るのがいい気がする。


「それじゃあ封印を重ねがけしてもらえますか? その後、一度村に戻ってブラックウィドウを討伐する作戦を立てましょう」

「かしこまりました。それでは封印をかけ直しますね。この封印を保ったままにできるよう、この封印を調べますので少々お待ちください」


 アンナさんはそう言って封印を近くで観察し始める。

 僕は魔法に詳しくないから分からないけど、封印をかけるというのは複雑な作業なんだろうね。


 やることがなくなった僕たちは、アンナさんの作業を見守る。

 クモが新しく出現したらアンナさんを守れるように警戒だけはしておく。


「ここの封印はかなり弱くなってますね……こちらはそのままで大丈夫そうなので、ここから伸ばして……」


 アンナさんは封印の様子を確認しながら、瘴気の塊の裏手に回る。

 すると次の瞬間、封印を観察していたアンナさんの表情が突然固まる。


「そ、んな……っ」


 なにかを見たアンナさんは驚愕の表情を浮かべた後、その目に大きな涙を浮かべその場にへたり込む。

 いったいなにを見てしまったのか。僕たちは急いでアンナさんのもとに駆け寄り、彼女が見たものを確認する。


「これは……」


 そこにいたのは、とても美しい見た目をした、大人のエルフだった。

 そのエルフは封印の鎖によって瘴気の塊に縛り付けられていた。いったいなんでエルフがここに?

 僕が混乱していると、そのエルフを見たエレナさんが驚いたように声を漏らす。


「そんな……母上、なのか……っ!?


 それを聞いた瞬間、アンナさんの様子が変わった理由に気づく。

 目の前のこの女性は、アンナさんとエレナさんのお母さんなんだ。


 ブラックウィドウを封印し、亡くなったと聞いていたのに……まさか生きていたなんて……!

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