表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十一章 エルフの里の異変

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

163/166

第7話 謎の声

 気がつくと、僕はどこまでも続く暗闇の中にいた。


 ……あれ? 僕はさっきまでなにをしていたんだっけ?

 思い出そうとするけど、思考にもやがかかって上手く思い出せない。


 体を動かそうとしてもなんだか上手く動かせないし、どうすればいいんだろう……と思っていると、近くに誰かがいることに気が付いて、そっちに意識を向ける。


「……で」

「え?」


 なにか言ったみたいだけど上手く聞こえず、僕は聞き返す。


「……い、で……」


 だめだ、やっぱり聞こえない。

 その人のことをよく見ようとするけど、その人は黒いなにかに体のほとんどが包まれていて見ることができない。

 かろうじて分かるのは、その人がとても綺麗な金色の髪と透き通った白い肌をしているということだけ。


 他に分かることといえば……その人が凄く、つらそうな表情をしていることくらいだ。


「大丈夫ですか? なにか僕にできることはありませんか?」


 僕はその人に尋ねる。

 僕の声が届いたのか、その人はしばらく考えるような素振りを見せる。

 そして僕になにかを言いかけるけど、頭を振ってそれをやめる。そして、


「……な……いで……」


 同じ言葉をまた言う。

 なんだろう。助けを求めようとしてやめたのかな? いきなり現れた僕がしんようできないのか……それとも、僕を巻き込みたくなかったのか。

 それを判断する材料はないけれど、僕にはなんとなく後者に思えた。

 もしそうなんだったら、見捨てられない。僕は少しでもその人に近づこうともがいて、声を張り上げる。


「あ、あの! 僕なら大丈夫なので! なにがあったか話してもらえませんか!?」


 そう呼びかけるけど、その人は困ったように首を横に振る。

 そして何度も言ったその言葉を、今度ははっきり僕に伝える。


「来ないで」


◇ ◇ ◇


「……待って!」


 そう口にしながら、僕は目を開く。

 気づけば僕は、あの暗い世界じゃなくて、木でできた家の中にいた。

 そうだ……僕はエルフの里にやって来て、それで謎のクモと戦ったんだった。それで気を失って、今に至るというわけだ。


「大丈夫か? うなされていたが」


 そう心配そうに僕を覗き込んできたのは、エレナさんだった。

 なんで上にエレナさんがいるの? と不思議に思う。目を動かして周囲の状況を探ると、なんと僕はエレナさんに膝枕されていた。アンナさんなら分かるけど、エレナさんにそんなことされてるなんて思わず、僕はびっくりする。


「エレナさん!? この状況って……」

「か、勘違いするな! 里にはベッドのようなやわらかいものは残っていなかったから、貸してやっただけだ! ほら、起きたならさっさと降りろ!」


 僕はエレナさんの膝枕から降ろされてしまう。

 ひんやりしてやわらかくて、凄く気持ちが良かったので残念に感じてしまう。

 するとエレナさんは僕のそんな表情に気づいたのか、


「そ、そんな残念そうな顔をするなっ。膝枕くらい、その……帰ったらいくらでもやってやるから」


 エレナさんはそう言うと、とがった耳の先端まで赤くする。

 ……なんだか最近のエレナさんは、とてもちょろい(・・・・)気がする。頼んだらなんでもやらせてくれそうだ。

 悪い人に騙されないといいけど。


「えっと、僕はクモと戦って、気を失っちゃってたんですか?」

「そうだ。お前のおかげでクモたちはいなくなり、ひとまず安全になった。私たちは里の家屋に入り、休息を取っている」


 よかった。あれ以降はクモは出てきてないみたいだ。

 あれで全部なら脅威は去ったことになるんだけど……僕はそうは思えなかった。

 あの程度の敵を、女神様が気にするとは思えないからだ。多分まだこの異変は終わっていない。


「……そういえばアンナさんは大丈夫ですか? クモを見て取り乱していましたけど」

「姉上なら隣のリビングにいる。立てるならお前も来い」


 僕は立ち上がると扉を開けて、リビングに向かう。

 するとそこには毛布を体にかけて椅子に座るアンナさんの姿があった。

 その顔にはいつもの優しい笑みはなく、疲れたように俯いている。こんなアンナさんを見るのは始めてかもしれない。


「あの、アンナさん……?」

「あ、旦那さま……。目を覚されたのですね。良かったです」


 そう言って笑みを浮かべるアンナさんだけど、その表情はぎこちない。

 どうしてこんな風になっちゃったんだろう。やっぱりあのクモが原因なのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ