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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十一章 エルフの里の異変

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第5話 帰郷

「あまり変わっていませんね」

「里を出てからそれほど経っているわけではないからな。当然だろう」


 エルフの里にやってきた第一印象を口にすると、エレナさんがそれに反応する。

 最近は色々なことが立て続けに起きているからエルフみんなが来てから時間が経ったように感じるけど、実際には一月程度しか経っていない。

 その短い間にドワーフの国に行ったり、岩の王と戦ったり、タマモさんに会ったり海の中で魚人と仲良くなったり……色々あり過ぎだよ。


「それほど離れたわけではないのですが……とても懐かしく感じますね。やはりここは私たちの故郷なんでしょう」


 アンナさんは里を眺めながら呟く。

 その表情はとても穏やかで、幸せそうだ。


「ところでどうですか? 里になにか変わったようなところはありますか?」


 そもそもここに来たのは、女神ヘスティア様に『不思議な反応』があると言われたからだ。

 僕はざっとエルフの里を見渡してみたけど、変なところは分からなかった。そもそも僕がこの村に滞在したのは数日しかないので、元の状態をそれほど覚えてないんだけど。

 でもずっとここで過ごしてきた二人ならなにか分かるんじゃないか、そう考えた。


「ふむ、変わったところか。少し緑が豊かになった気がするが……それくらいか。姉上はどうですか?」

「私もそれくらいでしょうか。あ、それと大地を汚染していた瘴気もだいぶ減りました。これも世界樹様のおかげですね」


 アンナさんの言う通り、瘴気の嫌な感じは減っている。

 エルフの里に根ざしていた世界樹は、その種を残して命を終えた。だけどその枯れた樹は、瘴気を浄化してくれるという。今も世界樹はその役目を全うしてくれているんだ。


「瘴気が減って緑が豊かになったのはとてもいいことですが、それは『不思議な反応』ではありませんよね。いったい女神様はなにを感じ取ったんだろう?」

「ここにいても残念ながらこれ以上分かることはなさそうです。手がかりがあるとしたら世界樹様の根元、でしょうか」

「なるほど、確かにそこならなにかあるかもしれません。行ってみましょうか」


 こうして僕たちは枯れた世界樹のもとに行こうとする。

 だけど数歩歩いたところで急にエレナさんとエルフの戦士たちがビクッと反応し、僕を囲むようにして外側を向き、戦闘態勢を取る。い、いったいどうしたの!?


「エレナさん? いったいなにが……」

「気をつけろ。なにかいる……!」


 周囲を睨みながら、エレナさんは言う。

 ただごとじゃないことを察した僕とアンナさんも周囲を警戒する。

 すると次の瞬間、地面に黒いシミ(・・)のようなものができて、それが広がる。

 そしてそれは水たまりくらいの大きさになると、今度はうにょうにょと動きながら立体的な形を成し、とある生物のような姿になる。


「あれは、クモ……!?」


 エレナさんが驚いたように呟く。

 この黒いのは間違いなく瘴気だろう。その瘴気の塊が昆虫のクモのような姿になった。

 クモと瘴気と聞くと、馬車の中で聞いた『ブラックウィドウ』というクモが頭によぎる。きっとエレナさんもそのことを思い出して驚いたんだろう。


 目の前のクモは人の腰ほどの大きさ。

 ブラックウィドウは巨大な体を持っているので別の個体だと思うけど、ブラックウィドウが関係している可能性はある。

 一体このクモはなんなんだ……?


「考えるよりもまずは撃退することを考えろ。来るぞ!」

「は、はい!」


 現れたクモは顎をカチカチと鳴らした後、僕たちに飛びかかってくる。

 うわ、速い。

 その速さに気持ち悪さを覚える僕だが、エレナさんは一切表情を変えず、そのクモを無駄のない剣技で真っ二つにする。


『ピギャ!?』

「私の目の黒い内は、姉上にもテオドルフにも手を出させん」


 エレナさんはそう言うと、剣をピッと振って、刀身に残った瘴気を振り払う。

 所作もセリフもとてもかっこいい。


「やりましたね! さすがエレナさん!」

「褒めてくれるのは嬉しいが……まだ危機は去ってない」

「え?」


 すると次々と地面に黒いシミが出現し、再び瘴気のクモが現れる。

 しかもクモは今度は五体もいる。そのどれもが怒ったように僕たちを見て、今にも襲いかかろうとしている。

 瘴気は前よりも薄まっているのに、こんな化物が出てくるなんていったいなんでだろう。

 気になるけど、まずは目の前の敵を倒さなくちゃね。

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