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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十章 海底遺跡攻略戦

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第2話 刻鎖

「……だいぶ暗くなってきましたね」


 クラーケンを倒して、更に潜ること数十分。

 上にいた時とは景色が変わり、魚もほとんどいなくなり周囲はかなり暗くなっていた。


 下に行けば行くほど暗くなるのは当然だけど、暗いのはそれだけが原因ではない。


「瘴気もだいぶ濃くなったな。ナディア様の加護がなければこれ以上進むのは不可能だったな」


 エレナさんの言う通り、ここはもうだいぶ瘴気が濃い。

 下からどんどん瘴気が湧き上がってきている。


 かなり嫌な感じだけど、瘴気の源が近い証拠だ。頑張らないと。


「ところでナディアさん。さっきクラーケン倒す時、結構力を使ってましたけど大丈夫なんですか? 確か神獣は全力を出しちゃいけないんですよね」

「ん? ああ、そのことか」


 僕に尋ねられたナディアさんはくすっと笑う。


「安心しろ、あれでもだいぶ抑えている。本来の力の一割も出していない。私が全力を出すことができれば、海底遺跡なんて一瞬で消しとばすことができる。しかしそれをすればハデスを刺激することになってしまう。だから人間の姿で侵入するなんてみみっちいことをしなければいけないんだ」

「あれで一割以下……凄いですね」


 一割以下の力でクラーケンを倒せるのなら、遺跡なんて一瞬で破壊できるよね。

 でも今回はそれをすることができない。僕たちもちゃんと力にならないとね。


「……と、見えてきたぞ。あれが海底遺跡だ」

「あれが……!」


 僕たちの下に、ついに海底遺跡が姿を現す。

 それは地上にあるような遺跡を、丸ごと海底に移したようなものだった。

 大きな石を切り出したものを積み上げて作られていて、僕の前いた世界でいうマヤ文明の遺跡みたいだ。


 大きなピラミッドのような建造物を中心にいくつも建物があり、それを囲むように塀が立っている。とても立派な遺跡だ……これを海中に作るなんて、凄い技術力だ。


「これだけ精巧なものを奴らが作れるとは思えない。なにをした……?」

「それも調査した方がいいかもしれませんね。とにかく中に侵入して調べて……ん?」


 なにか体にチクっとしたものを感じた僕は、水中で止まる。

 ナディアさんとエレナさんも同じものを感じたみたいで、止まって自分の体を確認している。


「なんだ? 急に嫌な感じがし始めたぞ」

「エレナさんもですか。いったいなにが……っ!?」


 ズキっとした痛みが腕を襲い、僕はそこを押さえる。

 なにか鋭いものが刺さったみたいに痛い! 二人も同じように腕を押さえて痛そうにしている。


 いったいなにが起きたんだ!? 僕は押さえた手をゆっくり外して痛んだ箇所を確認する。

 するとそこには真っ黒な色をした紋様が刻み込まれていた。

 その紋様は『鎖』のような形をしている。これはいったいなんなんだ?


「え、なにこれ……!?」


 その紋様からは瘴気の気配を感じる。

 今もそれはズキズキと痛んでいて、体力も少しずつ持っていかれている感じがする。


 これは、危険だ。

 今すぐ引き返した方がいいと思い、僕はナディアさんに視線を向ける。


「ナディアさん! ここは一旦引き返しましょう!」

「……ダメだ」

「え、なんでですか!?」


 ナディアさんは自身の身に刻まれた紋様をジッと見ながら口を開く。


「嫌な予感がする。ここから離れるのは得策じゃないだろう」


 予感でなにもしないのはマズいと思うけど、神獣であるナディアさんの勘を無視できない。

 いったいどうすれば……あ、そうだ。

 僕には『鑑定』があったんだ。これを使えばなにか分かるはず。

 そう思った僕は早速それを使うことにする。


「鑑定!」


 自分の体に刻まれた紋様を対象に、鑑定を発動する。

 すると、


刻鎖こくさの呪い

 体を蝕む刻印を刻む、呪いの一種。

 術者と対象の距離が離れれば離れるほど呪いは強くなり、やがて死に至る。

 呪いを解くには術者を倒す必要がある。

 瘴気の力により能力が強化されている。


「これは……呪い!?」


 まさかの鑑定結果に僕は驚愕する。

 距離が離れれば離れるほど強くなるって……もし引き返していたら、大変なことになっていた。ナディアさんの勘は当たっていたんだ。


「テオドルフ、説明してくれるか?」

「はい」


 僕は鑑定結果をナディアさんとエレナさんに話す。

 全てを聞き終わったナディアさんは「なるほど」と呟く。


「おそらく相手は遺跡に近づいた者全てにその『呪い』をかけているんだろう。そんな広範囲に呪いをかけるのは普通不可能だが、瘴気の力を使えば不可能ではない」

「なるほど。じゃあこの呪いをかけているのは……」

「ああ、瘴気の源かハデスの手下だろうな」


 ごくり、と僕は唾を飲む。

 僕たちはもう敵の領域テリトリーに侵入してしまっていたんだ。


「私が本気になることができればこの程度の呪い自力で解けるが……面倒な真似を。テオドルフ、お前はどうするんだ? 私は一人でも行くぞ」

「……ナディアさん一人に任せるなんて、できません。僕も行きます」


 僕がそう宣言すると、エレナさんも頷いて同意してくれる。

 良かった。エレナさんも同じ気持ちみたいだ。


「分かった。しかし気をつけろよ。呪いの対象になったということは、私たちの居場所も感知されている可能性がある。慎重にな」

「はい、気をつけます」


 僕が同意すると、ナディアさんたちと共に降下を再開する。

 こうして僕たちは呪いをかけられたまま、海底遺跡の調査を始めるのだった。

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