↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/112

088 ミオの提案

 ギルドに戻った俺たちは、まず受付で第1階層の精算を済ませた。

 第1階層しか討伐依頼を受けていなかったからだ。

 今回もエリナではなく、知らない受付嬢が担当だった。


---------------------------

【依頼報酬ログ】

・[通常]青芽ネリュム:180G

・[通常]草角ラビット:200G

・[通常]青羽コッコ:220G

・[通常]若葉ウルフ:240G

・[通常]土くれゴブリン:260G

・[危険]大牙ボア:300G

・[危険]牙群れアルファウルフ:400G

・[ボス]草冠トロル:700G


総額:2,500G

所持金:3,080G → 5,580G

---------------------------


 まずは依頼報酬を受け取る。


---------------------------

【魔石換金ログ】

・[通常]青芽ネリュム:10G×6個=60G

・[通常]草角ラビット:10G×5個=50G

・[通常]青羽コッコ:10G×4個=40G

・[通常]若葉ウルフ:20G×4個=80G

・[通常]土くれゴブリン:20G×3個=60G

・[危険]大牙ボア:50G×1個=50G

・[危険]牙群れアルファウルフ:70G×1個=70G

・[ボス]草冠トロル:300G×1個=300G


総額:710G

分配人数:2人

分配後:355G / 残余:0G

所持金:5,580G → 5,935G

---------------------------


 次に魔石の換金を済ませた。


「続けて新しい討伐依頼を受けたいんだけど、いいかな?」


「かしこまりました。どの階層にしますか?」


 答える前に、俺は掛け時計を確認する。


 14時20分だった。

 早足で戻ったが、それでもかなり遅い。



(第2と第3の両方をクリアするのは、時間的に難しいな。第2だけにするか)


 そう思い、「第2」と言ったところで、ミオが俺の服を引っ張った。


「……第4か第5がいい」


「え?」


 驚いたことに、ミオが上の階層を指名してきた。


「かまわないけど、どっちもミオは未経験じゃないのか?」


「……うん。だから、吉岡くんと行きたい。できれば第5階層」


「正気か? 第5の難易度は第4とは桁違いだぞ。レベルは大差ないが、難易度は全然違う」


「わかってる。しかも、私はレベル10。危険個体やボスと戦う時はレベル差補正が発生する」


「そこまで理解しているなら、もう少し詳しく理由を教えてもらえるかい?」


 意外なことに、イケイケドンドンの俺がブレーキを踏んでいた。


「……吉岡隊や霧島隊が見てる最前線の世界を、私も見てみたい。ユウゴといる時には、見られない景色だから。ボスまで行けなくてもいい」


 ミオの言葉には力強さがあった。

 その場のノリで言っているわけではない。

 危険を承知しながら、自分の意思で行きたいと言っている。


「よかろう! ならば第5階層だ! 撤退の判断は俺がする! 俺が決めたら絶対に撤退だ! 俺は君を絶対に傷つけたくないから、安全第一で行く! よろしいかな?」


「わかった。それで、かまわない」


「決まりだ! 受付嬢のお姉さん、第5階層の討伐依頼をよこしてくれ!」


「かしこまりました」


 受付嬢が謎のキーボードをカタカタと叩く。


---------------------------

・[通常] Lv.11 赤砂スライム:6体(290G)

・[通常] Lv.12 砦ラット:5体(330G)

・[通常] Lv.13 錆剣ゴブリン:4体(360G)

・[通常] Lv.14 赤土ハウンド:4体(390G)

・[通常] Lv.15 石盾コボルト:3体(420G)

・[危険] Lv.15 破城ボア:1体(490G)

・[危険] Lv.16 赤砦ウォーロード:1体(650G)

・[ボス] Lv.17 赤砦サイクロプス:1体(1,140G)

---------------------------


「さあ、行こうか、ミオ。二人で敵を蹴散らすぞ」


「……行く」


 俺とミオは万全の態勢で第5階層に向かった。


 ◇


 転移直後の第5階層は、昨日と同じで静かだった。

 遠目にはウォーロードとサイクロプスが見える。


「……ここが、第5階層」


「そうだ。見ての通り、狩場のサイズはこれまでで最も小さい。全力で走れば20分足らずで往復できるだろう。だが、その程度の距離に、全ての討伐対象が集まっている」


 俺は〈デコイ〉を発動し、背負い袋をその場に置いた。


「ミオ、進む前に作戦を説明する。魔石は無理に拾わなくていい。拾い損ねたものは、後で太郎たちに拾わせる」


「わかった」


「陣形は俺が前で、君が後ろだ。【サイレンス・ドーム】は、俺が指示した時に発動すること。もしくは、ウォーロードが範囲内に入ったら発動すること」


「……ボスじゃなくて、ウォーロード?」


「そうだ。ボスは投石だが、ウォーロードは火球を飛ばしてくる。第3階層のボスみたいに、君の【サイレンス・ドーム】で妨害できるかもしれない。試す価値はある」


 ミオは真剣な目で頷いた。


「戦闘は基本的に俺が行うが、君も一緒に戦いたいって顔をしている。俺が派手に立ち回って敵を引きつけるから、君は側面から安全に仕留めてほしい。できるか?」


「たぶん、できる……違う。たぶんじゃない。できる」


「よろしい! 作戦は以上だ! 狩りを始めるとしよう! 行け! 太郎!」


 俺はまず、太郎を単独で突っ込ませた。

 昨日と同じ配置なら、空堀からラットが飛び出てくるはずだ。


 しかし、敵は反応しなかった。

 太郎は門をくぐり、中に入っていく。

 さらに少し進ませたが、敵は襲ってこない。


「待ち伏せているのは明らかだが、場所がわからないな。念のために空堀を確認してから行こう」


「うん」


 俺たちは慎重に空堀へ近づき、堀に敵が潜んでいないか目視で確認する。


「右側は安全だ。敵の姿は見当たらない」


「左側も大丈夫」


「敵は中だな。陣形を整えてから入るぞ」


 再び俺が前衛、ミオが後衛の陣形に戻す。

 次郎と三郎は、ミオの両サイド……厳密には斜め後ろに配置した。


「中で待ち伏せられるほうが面倒くさいな」


 周囲には倒壊した建物や瓦礫、赤土の山が点在しており、地形が入り組んでいる。

 この階層の通常種は全て小型の魔物なので、どこに隠れていてもおかしくない。


 警戒しながら少しずつ進み、太郎のもとへ向かう。

 一歩、また一歩と、太郎との距離が縮まっていく。

 太郎は棒立ちのまま動かない。


「ここでストップだ。そろそろ仕掛けてみよう」


 太郎との距離を約5m残したところで、俺は立ち止まった。


「何をするの?」


「まずは左右の確認だ」


 俺は次郎と三郎を左右に走らせた。

 視界を遮る瓦礫の山などを迂回させて、元の位置まで戻らせる。

 もし敵が左右に伏せていれば、この時点で反応するだろう。


「「…………」」


 次郎と三郎は、何ら問題なく帰ってきた。

 少なくとも左右に敵が伏せていないのは確実だろう。

 ここで〈デコイ〉の召喚が解除されたので、即座に再召喚する。


「左右の安全は確認できた。次は前方だ。ミオ、太郎の右斜め前に【サイレンス・ドーム】を設置してもらえるか? あの倒壊した建物と赤土の山が連なっている場所だ。それに合わせて、俺は太郎を一気に真っ直ぐ前に走らせる。これだけ手を打てば、どこかしらに反応があるはずだ」


「わかった」


 ミオがスキルを発動するため前進する。

 それに合わせて俺も進み、太郎の横に立った。


「……スキル、使う」


「いいぞ、やれ!」


 俺は太郎を真っ直ぐ走らせた。

 同時に、ミオは右斜め前の怪しい場所に【サイレンス・ドーム】を設置する。


「ワォオオオン!」


「ゴブーッ!」


 案の定、敵の反応があった。

 鳴き声を響かせたのは、左斜め前に伏せていたハウンドとゴブリンだ。

 数はそれぞれ2体ずつで、そいつらは太郎に釣られた。


 一方、ミオが設置したドームにも反応があった。

 残りのハウンドやゴブリン、それにラットが飛び出してきたのだ。


「ようやく現れたな! 戦闘開始だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ作品】
▲ 画像クリックで漫画サイトへ ▲
▼ 書籍化作品 ▼
【ノクターン】異世界ゆるっとサバイバル生活
~学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です~
▼ 代表作 ▼
『異世界ゆるっとサバイバル生活』
異世界ゆるっとサバイバル生活 第1巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第2巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第3巻
異世界ゆるっとサバイバル生活 第4巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第5巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第6巻
『成り上がり英雄の無人島奇譚』
成り上がり英雄の無人島奇譚 第1巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第2巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第3巻
成り上がり英雄の無人島奇譚 第4巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第5巻
▲ 各書影をクリックで各巻の公式ページへ ▲
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。