041 Fランク装備
第1階層はすでに二度も攻略している場所だ。
しかも、当時と違って今の俺には魔法もある。
加えてナナのユニークスキルによる索敵付きだ。
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【戦闘結果ログ】
討伐:青芽ネリュム×6 / 草角ラビット×5 /
青羽コッコ×4 / 若葉ウルフ×4 /
土くれゴブリン×3 / 大牙ボア×1 /
牙群れアルファウルフ×1 / 草冠トロル×1
PT:2人 人数補正:90%
獲得:1,323G / 1,008EXP
所持金:7,925G → 9,248G
レベル:Lv.7 → Lv.8
経験値:374 → 652/780EXP
依頼進捗:青芽ネリュム討伐 6/6・達成
依頼進捗:草角ラビット討伐 5/5・達成
依頼進捗:青羽コッコ討伐 4/4・達成
依頼進捗:若葉ウルフ討伐 4/4・達成
依頼進捗:土くれゴブリン討伐 3/3・達成
依頼進捗:大牙ボア討伐 1/1・達成
依頼進捗:牙群れアルファウルフ討伐 1/1・達成
依頼進捗:草冠トロル討伐 1/1・達成
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なんら問題なく終了した。
ボスの討伐まで含めて1時間もかかっていない。
「攻略証明、取得できました!」
丘の上で、ナナが嬉しそうに声を弾ませる。
「これは良い意味なんだが、ナナのユニークスキルは寄生に向いてるよな。ユニークスキルを解除されない限り、それだけで有効参加条件を満たせるんだから」
「たしかに……!」
「スキル自体も優秀だし、クロスボウの腕もいい! そのうえ先輩を慕うイイ女だ! たまらんな!」
「あ、ありがとうございます、吉岡先輩……!」
ナナが恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「それじゃ、川に戻ってアユの串焼きだ!」
「はい!」
俺たちは来た道を戻って川に向かう。
「そういえば吉岡先輩、今更なんですが……」
「ん?」
「吉岡先輩の武器はトンファーで、私の武器はクロスボウです。なので、今回はどちらもナイフの代わりになる武器を持っていません。問題はないのでしょうか……?」
「何ら問題ないよ。アユは石を投げて気絶させるし、木の枝を折るのはトンファーでできる」
「でも、吉岡先輩のやり方で火を起こすにはナイフが必要になるんじゃ……?」
「石包丁を作るさ。川辺には無限に石がある。適当に見繕うよ」
「吉岡先輩、そんなこともできるんですか!?」
「俺はオールレジェンドの吉岡だぜ! サバイバルもレジェンド級だ!」
林の木にトンファーアタックをしかけて、枝をボキボキ折っていく。
「なるほど、【オール・レジェンド】でレジェンド級になる〈技能〉には、戦技や魔法以外も含まれていたんですね!」
「いいや、ユニークスキルの効果でレジェンド級になるのは、武器を除けば戦技と魔法だけだぜ」
「え、じゃあ、どうしてサバイバルも……?」
「それは元からだ。あと、実際はレジェンド級じゃなくてエリート級とかマスター級とか、その辺が妥当だろうな! サバイバル技術に関しては!」
「すると、石を投げるのが得意なのもスキルとは無関係なんですか?」
「いや、それがそこは関係ある。おそらく石が武器として認定されるんだろう。その辺の線引きはわからないけど、石投げについてはユニークスキルの効果に含まれてるよ。ビビッとくるからね」
「ビビッと……?」
「俺のユニークスキル【オール・レジェンド】は、発動するとなんか感覚的にわかるんだ。ビリビリ電流が走るような、なんかそういうビビッとくるものがある」
「なるほど……!」
そうこうしているうちに、俺たちは川に到着した。
「ナナ、分担作業だ! 俺が石でアユを気絶させる! 君は流されるアユを捕獲しろ!」
「わかりました!」
その後、俺たちは二人でアユの串焼きを堪能した。
◇
再びギルドに戻った頃には、17時を過ぎていた。
第1階層を往復して敵を根絶やしにする時間より、串焼きに費やした時間のほうが長い。
焼くだけで1時間近くかかるし、その前の準備も含めればもっとかかる。
「あ、吉岡さん」
「エリにゃん! エリにゃんエリにゃんエリにゃん!」
受付にはエリナがいた。
迷わず俺はエリナの前へ駆け込む。
「伝言は聞きました。第3階層を無事に全8攻略した後、第1階層にも行かれたとか。すごいですね」
「そうだよ! エリにゃんポイントまたしてもアップだ! そしてぇぇぇぇ! 第1も全8!」
俺は受付カウンターに魔石を並べた。
「1日に二つの階層を全8ですか……。頑張りすぎて、エリにゃんは心配になります。無理していませんか?」
「大丈夫だよ! 無理をするつもりなら第2か第4に行ってたさ!」
「それを聞いて安心しました。手続きを進めますね」
エリナが謎のキーボードをカタカタと叩く。
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【依頼報酬ログ】
・[通常]青芽ネリュム:180G
・[通常]草角ラビット:200G
・[通常]青羽コッコ:220G
・[通常]若葉ウルフ:240G
・[通常]土くれゴブリン:260G
・[危険]大牙ボア:300G
・[危険]牙群れアルファウルフ:400G
・[ボス]草冠トロル:700G
総額:2,500G
所持金:9,248G → 11,748G
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【魔石換金ログ】
・[通常]青芽ネリュム:10G×6個=60G
・[通常]草角ラビット:10G×5個=50G
・[通常]青羽コッコ:10G×4個=40G
・[通常]若葉ウルフ:20G×4個=80G
・[通常]土くれゴブリン:20G×3個=60G
・[危険]大牙ボア:50G×1個=50G
・[危険]牙群れアルファウルフ:70G×1個=70G
・[ボス]草冠トロル:300G×1個=300G
総額:710G
分配人数:2人
分配後:355G / 残余:0G
所持金:11,748G → 12,103G
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「さすがに二つの階層を全8するとがっつり稼げるな! 所持金が1万を超えたぞ!」
「レベルもたくさん上がりましたね!」
「そろそろ武器と防具をFランクに更新するときですね」とエリナ。
「俺もそう思う! エリにゃん、奇遇だね! 運命かな?」
「ふふ、今日の吉岡さんは、いつになく上機嫌ですね」
エリナは口元に手を当てて笑った。
ナナも嫉妬することなく楽しそうに笑っている。
「エリにゃんにいいところをアピールできているからな! ところで、装備を買うのにオススメの店はあるかな?」
「オススメの店ですか」
エリナは表情を引き締め、少し考えてから声を落とした。
「立場上、特定のお店を推奨することはできないのですが、Fランクの装備に関しては3番通りにある武具屋さんの評判をよく耳にします。武器と防具の両方を扱っていますから、両方を更新する予定の吉岡さんには最適かと」
「わかった、3番通りのお店だね! 3番通りがどこかわからないけど、ナナにどうにかして連れて行ってもらうよ!」
ナナが「お任せください!」と胸を張る。
「さっそく行ってくるよ! またね、エリにゃん!」
「はい、またお待ちしております」
「エリにゃんポイント、今後も稼いでいくからね!」
「期待していますね」
エリナが微笑みながら手を振る。
「実に素晴らしい!」
俺は満面の笑みを浮かべ、ナナと二人でギルドを出た。
◇
エリナが言っていた武具屋はすぐに見つかった。
かなり大きな店で、中には様々な武器や防具が置いてある。
高ランクの商品はなく、最高でもDランクだった。
「鎧は体に馴染む軽装備でいいだろう!」
「私もそれにします!」
まずは二人で防具を購入した。
どちらもFランクだ。
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【支払ログ】
防具:[F]ブルファムレザーの軽装備
支出:4,800G
所持金:12,103G → 7,303G
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見た目は濃紺レザーの軽装備だ。
これまで装備していたものより軽くなった気がする。
しかし、明確に「変わった」と言えるほどではない。
「吉岡先輩、すごく似合ってますよ! カッコイイです!」
「ナナもいい感じだぞ! お揃いの防具だな!」
ナナも全く同じ防具を選んでいた。
サイズだけが違っている。
「お揃いだと同じ隊って感じがしますね!」
そう言った後、ナナは頬を赤らめて「嬉しいです……!」と呟いた。
「いちいち仕草が可愛い奴だ! 絶好調だな、おい!」
俺はナナの肩を抱き寄せ、頬を指で突く。
ナナは「えへへ」とはにかんだ。
「あとは吉岡先輩の武器ですね!」
「そうだが、その前に不要な武具を下取りに出しておこう!」
俺は店主に話しかけ、Gランクのトンファーと不要になった軽装備を下取りに出す。
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【下取りログ】
装備:Gランク武器・防具
収入:100G
所持金:7,303G → 7,403G
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武器と防具がそれぞれ50Gで、合わせて100Gが手に入る。
「武器はどうするんですか? トンファーをやめるんですよね?」
「うむ! トンファーは満足した! 次のステージに進む頃だろう!」
「次のステージ……楽しみです!」
ナナが目を輝かせる中、俺は武器を一つ一つ見ていく。
「お! この武器、カッコイイな! これにしよう!」
俺は完全に見た目重視で選んだ。
その武器とは――。




