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異世界まったり冒険者生活 ~女好きの俺、サークルのみんなと異世界に転移する~  作者: 絢乃


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025 NEW吉岡隊

「一気に形勢逆転だな、吉岡。ソロは言い訳にならないぞ」


 霧島が勝ち誇ったように笑う。


「わかってらぁ! 見てな、今からNEW吉岡隊を結成する!」


 俺は立ち上がると、霧島隊を除く全員の顔を見ていった。


「俺と組むなら吉岡隊じゃなくて相良隊になるぞ」


 相良が苦笑しながら言う。妥当だ。


「困っているなら助けてあげてもいいわよ?」


 リカが髪を掻き上げ、見せつけるように脚を組み直す。

 やはりお尻をペンペンしたくなる。

 相良が咳払いをした。


「こっちを見るな」


 宮坂は敵意のこもった目をしている。論外だ。


「…………」


 黒瀬に至っては無反応だ。銅像か?


「私は……吉岡さんが希望するなら」


 スミレは微笑んだ。

 即座に宮坂が「おい」と止めに入る。

 スミレは困ったように笑っていた。


(ここはスミレを選んで宮坂を煽るか?)


 そう思いながら他の面々も見ていく。

 すると、一人の女子が目を輝かせているのに気づいた。

 ナナだ。


「君は吉岡隊に入りたくて仕方ないって顔だな!」


「はい! 吉岡先輩と一緒に戦いたいです!」


「素晴らしい返答だ! よし、吉岡隊に入隊決定!」


「本当ですか! ありがとうございます!」


 ナナが嬉しそうに声を弾ませる。


「白瀬さんが入るなら僕も入ります」


 即座に三船が続く。


「えー、君はダメ」


 もちろん俺は却下した。


「どうしてですか? 僕が男だからですか?」


「大正解! だが、仮に君がイイ女でも今回はダメ! なぜなら君は入隊希望の動機が不純だからだ!」


「吉岡くんがそれ言うの!?」


 ユズが腹を抱えて笑う。

 サキや他の女子も笑っていた。


「僕は納得できません!」


 三船がテーブルを叩く。


「納得できなくても結構だが、ゴネても結果は変わらないぞ」


「吉岡くんの選定基準はユニークだが、PTは双方が合意して成立するものだ。吉岡くんが拒んでいる以上、三船は吉岡隊に入れない」


 相良の言葉に、佐伯が「私も同意見です」と続いた。

 幹部二人に言われたことで、三船は悔しそうに黙るしかなかった。


「佐伯さんって、わりと吉岡くんの肩を持つよねー」


 サキがニヤニヤしながら佐伯を見る。


「いえ、私は中立です。ですが、そのように見える部分はあると思います」


「どういうこと?」


「私はルール的に正しいかどうかを判断します。吉岡くんの場合、独特の倫理観に基づく振る舞いをしているものの、ルール違反になるようなことはしていません」


「ルールの範囲内で最大限にふざけているわけね」


 リカが整理すると、佐伯は「はい」と頷いた。


「それで吉岡くん、他のメンバーはどうするんだ? 今のところ、吉岡隊は吉岡くんとナナの二人だけだ」


 相良が確認してくる。


「それなんだが……」


 俺は答える前にナナを見た。


「ナナ、君のユニークスキルについて教えてくれ」


「はい! 私のユニークスキルは【スター・レーダー】というもので、半径50メートル以内にいる敵を全て探知できます。正確な位置がわかります」


「索敵か。いいじゃん! 持続時間に制限は?」


「ありません。自分で解除するまで持続します。ただし、敵からダメージを受けると、自動的に解除されることがあります。その確率は、受けたダメージの大きさに比例します」


「なるほど。クールタイムは?」


「解除から30分です」


「ユズの爆弾は発動した瞬間からクールタイムのカウントが始まるけど、ナナの索敵は解除した時点からなんだな」


「微妙なスキルですみません……」


 ナナが申し訳なさそうに俯く。


「いやいや、微妙なわけないだろ! すごくいいスキルじゃないか!」


「本当ですか?」


「おうよ! そのスキルなら十分だ!」


 そう言うと、俺は相良を見た。


「決めたぜ、相良! 俺は明日、ナナと二人で第2階層を攻略する!」


 場に衝撃が走る。

 誰もが驚き、一瞬固まっていた。


「正気か、吉岡くん」


「吉岡先輩! 私、まだ第1階層の攻略証明を持っていませんよ……!」


「問題ねぇだろ! 第1階層の攻略証明を持っていないと第2階層にいけない……なんてルールはねぇ! だよな!? 佐伯さん!」


「はい。攻略証明の取得順に制限はありません。非現実的な例になりますが、仕様上、第30階層の攻略証明を最初に取得することも可能です」


「なら俺たちも明日は第2階層だ!」


 霧島がすかさず言った。


「霧島さん、若葉ウルフに手も足も出なかったんすよね?」


 梶原が苦笑しながら言うと、霧島が「ああ?」とすごんだ。

 全く怖くないのが悲しいところだ。


「吉岡隊が第2階層に行くのに、俺たちが第1階層じゃ勝てねぇだろ」


「レースじゃない」と黒瀬。


「こっちはレースなんだよ!」


 霧島が言い返す。


「それに梶原、お前だって同感だろ? 明日、吉岡が第2にいって俺たちが第1なら、その時点で吉岡とユズの勝負は吉岡の勝ちになったようなもんだぞ。それでもいいのか?」


「それは困る。認められない。ダメだ」


「そうだろうが! なら明日は第2だ!」


「霧島先輩がザコでも、私とサキがいるからどうにかなる!」


 ユズの言葉に、サキが「だねー!」と笑う。

 霧島が「おい」とツッコミを入れるが、二人は笑って無視した。


「どの階層に行くかは各隊で決めればいい。だが、隊員が怪我をした時の責任は隊長がとること。吉岡くんの実績を考慮すれば、第2階層に行くこと自体には反対しない。しかし、くれぐれも油断しないでくれ」


 相良が心配そうに俺を見る。


「おうよ! もし俺が下手を打ったら、その時は遠慮なく叱責してくれ! 霧島と違って言い訳せずに受け入れ、以後は静かで従順な吉岡くんとして大人しくなろう!」


「静かで従順な吉岡くんか……そう言われると、下手を打ってほしい気持ちになるから困るな」


 相良が苦笑気味に言うと、皆が声を上げて笑った。


「話は決まったな! 霧島、貴様には負けん!」


「ふん、ほざいてろ。二人で超えられるほど第2は甘くねぇ」


「第1の若葉ウルフに手も足も出なかった奴が大きく出たものだな!」


「うるせぇ!」


 ◇


 その後、相良隊と佐伯隊も違う編成を試すことになった。

 話の流れで、編成のテーマは「普段とは違う組み合わせ」に決まった。

『戸塚・ミオ』『黒瀬・宮坂・スミレ』のような固定の組み合わせをなくすことだ。


 戸塚はミオと別PTになることに難色を示した。

 といっても、彼の性格上、声に出して反論したわけではない。

 誰が見ても分かるほど嫌そうな顔をしただけで黙っていた。


 逆に宮坂は声高に反論した。

 スミレと別PTなどあり得ないとわめき散らした。

 それでも、スミレに諭されて引き下がった。


 しかし、宮坂は最後に爆弾を投下した。


「俺だって我慢するんだ。相良さんだってリカと同じ隊はやめろよ。それが筋だろ」


 誰も触れていなかった相良の弱点を突いたのだ。

 しかも、今回に関しては完全に宮坂が正しい。


「俺とリカの間に特別な関係はない」


 と言いつつ、相良は「リカを佐伯隊に移す」とは言わなかった。


「なら、私は佐伯隊でいいわね」


 しかし、リカが自らそう言ったことで、佐伯隊への移動が決まった。

 その時の相良は、珍しく不満そうな顔をしていた。


「明日の編成はこれで決まりだな」


 相良がまとめて、最終的な編成が以下のとおりになった。


【転移3日目の編成】

・吉岡隊:吉岡、ナナ

・霧島隊:霧島、梶原、ユズ、サキ、早川

・相良隊:相良、カホ、黒瀬、宮坂、ミオ

・佐伯隊:佐伯、リカ、戸塚、アヤ、スミレ、三船


「じゃ、報告会兼お食事会は終了でいいな! ナナは俺と極秘の作戦会議な!」


「わかりました!」


 ナナが嬉しそうに立ち上がる。


「吉岡くん、吉岡くん」


 俺も立ち上がろうとした時、ユズが袖を引っ張ってきた。


「ユズ、どうした?」


「私たち対決はするけど……夜は一緒だよね?」


 ユズが恥ずかしそうに頬を赤らめる。

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【ノクターン】異世界ゆるっとサバイバル生活
~学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です~
▼ 代表作 ▼
『異世界ゆるっとサバイバル生活』
異世界ゆるっとサバイバル生活 第1巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第2巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第3巻
異世界ゆるっとサバイバル生活 第4巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第5巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第6巻
『成り上がり英雄の無人島奇譚』
成り上がり英雄の無人島奇譚 第1巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第2巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第3巻
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