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異世界まったり冒険者生活 ~女好きの俺、サークルのみんなと異世界に転移する~  作者: 絢乃


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20/47

020 安堵

「ウォ……! グォァァァ……!」


 トロルが怒濤の連撃にひるんでいる。


「明らかに昨日よりもダメージが通っているぞ!」


 トンファー越しに伝わる感触が全く違う。

 レベル差補正がないとこれほどまでに変わるのか。


 だが、まだランク差補正が残っている。

 トロルは簡単には沈まず、ひるみながらも反撃を試みる。


「あ! 吉岡くん、私、捕まっちゃった!」


「ごめん、こっちも!」


「同じくっす!」


 ユズ、サキ、早川が草根に捕まる。

 しかし、幸いにもトロルの棍棒が届く距離にはいなかった。


「ユズ、爆弾を1個投げて草根を解除しろ!」


「了解!」


 ユズがすぐさま赤色の果実爆弾をトロルに投げ込む。

 この爆弾は戦闘開始前に作っておいたものだ。


「グオアアッ」


 爆弾がトロルに命中し、三人の足に絡んでいた草根がスッと消える。


「どうした、ボス野郎! その程度か!」


 俺は挑発しながらトンファーで殴り続ける。


「グオオオオオオオオオオ!」


 挑発の効果かは不明だが、怒り狂ったトロルは俺に夢中だ。


「今のうちに私たちも仕掛けるよ」


 カホの指示で、四人が側面や背後からトロルを攻撃する。


「グォ! グォオオオオ!」


 トロルがもがいている。


「めっちゃしぶといじゃん!」とサキ。


「だが、完全にこっちのペースだ!」


 とはいえ油断は禁物だ。

 ……なのに。


「これなら余裕で勝てそうっすね!」


 間抜けが油断した。

 早川だ。


「グォオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 案の定、トロルはその油断を見逃さなかった。

 体を早川に向けて棍棒を振り上げる。


「早川、避けろ!」


「分かってます……って、うわっ! 動けない! いつの間にか草根が!」


 早川の両足首に草根が絡みついていた。

 そのせいで身動きが取れず、尻餅をついてしまう。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 トロルが棍棒を振り下ろす。


「うわああああああああああああああああ!!!!」


 早川の悲鳴が響く。

 しかし――。


「あれ……? 俺、無事……?」


 早川は攻撃を免れた。


「「…………」」


 無言で早川を守ったのはカホのゴーレムだ。

 二体で協力し、身を挺してトロルの棍棒を受け止めた。


「早川、早く逃げて!」


 ユズがトロルに赤色の果実爆弾を投げる。

 次の瞬間、ゴーレム兄弟が粉々に砕け散った。


「俺のせいで、カホ先輩のゴーレムが……」


「それより撤退! これ以上は無理!」


 カホが撤退判断を下す。

 だが、その時だった。


「グォ……」


 俺たちの攻撃に耐えきれず、トロルが崩れ落ちた。


---------------------------

【戦闘結果ログ】

討伐:草冠トロル×1

PT:5人 人数補正:60%

獲得:360G / 210EXP

所持金:2,779G → 3,139G

レベル:Lv.3

経験値:216 → 426/570EXP

依頼進捗:草冠トロル討伐 1/1・達成

---------------------------


「撤退宣言と同時の決着だったな」


 俺は「ふぅ」と息を吐いた。


「いえーい! レベル2に上がったよー! 攻略証明もゲット!」


 サキがピースする。


「本当に今日も勝っちゃった!」


 ユズは額の汗を拭いながら満足げな笑みを浮かべた。

 黒ニーハイが食い込んだ太ももにも汗が流れている。

 

「お疲れ様、みんな」


 カホはトロルの魔石を拾い、安堵の笑みを浮かべる。

 それを見た俺は、右手を突き上げて叫んだ。


「吉岡隊、今日も第1階層攻略! 完全勝利! 早川は間抜け! わーはっはっは! はっはっはのはー!!!!!」


 ◇


 昨日と同じくアユの串焼きを堪能してから戻ったので、ギルドに着いたのは14時過ぎだった。


「あ、吉岡さん」


 受付カウンターから綺麗な声が聞こえてくる。

 すぐに誰か分かった。


「いた! エリにゃん! 俺のエリにゃんだー! 朝、いなかったからびっくりしたよ! よかった、いたんだね! 戻ったよ、エリにゃんの吉岡さんが!」


 もちろん俺はエリナの窓口を選んだ。


「むぅ!」


 ユズが頬を膨らませて俺を睨んでいる。

 しかし、俺は何ら気にすることなくエリナに笑顔を振りまく。


「昨日も言いましたが、私は吉岡さんのエリにゃんではなく、ただのエリナです。ギルドのエリナ、もしくは受付嬢のエリナになります」


 エリナが笑いながら答える。


「そかそか! で、エリにゃん、聞いてよ! というか報告! 今日も第1全8だよ! 今日の仲間たちだ!」


「今日も第1階層を全8ですか。頑張っていますね」


 エリナは俺の仲間たちを一瞥しながら微笑んだ。

 それから謎のキーボードをカタカタ叩き、「本当ですね」と頷いた。


「では、吉岡さん、カホさん、サキさん、ユズさん、早川さんに依頼報酬をお支払いいたします」


---------------------------

【依頼報酬ログ】

・[通常]青芽ネリュム:180G

・[通常]草角ラビット:200G

・[通常]青羽コッコ:220G

・[通常]若葉ウルフ:240G

・[通常]土くれゴブリン:260G

・[危険]大牙ボア:300G

・[危険]牙群れアルファウルフ:400G

・[ボス]草冠トロル:700G


総額:2,500G

所持金:3,139G → 5,639G

---------------------------


「次に魔石の換金! よろしくね、エリにゃん!」


「かしこまりました」


「はい、今エリにゃんを否定しなかった! これでもうエリにゃんね! 決定!」


「決定ではありません。流しただけです」


 と言いつつ、エリナが手続きを進める。


---------------------------

【魔石換金ログ】

・[通常]青芽ネリュム:10G×6個=60G

・[通常]草角ラビット:10G×5個=50G

・[通常]青羽コッコ:10G×4個=40G

・[通常]若葉ウルフ:20G×4個=80G

・[通常]土くれゴブリン:20G×3個=60G

・[危険]大牙ボア:50G×1個=50G

・[危険]牙群れアルファウルフ:70G×1個=70G

・[ボス]草冠トロル:300G×1個=300G


総額:710G

分配人数:5人

分配後:142G / 残余:0G

所持金:5,639G → 5,781G

---------------------------


「魔石、安っ!」


 サキがログを見て笑う。


「魔石の売却額だけはPTの人数で等分だからなー。5人PTだと雀の涙だぜ」


「討伐報酬みたいに5人PTでも6割バックならいいのにねー」


「ここに佐伯さんがいたら『6割バックだった場合、今回の取り分は一人426Gですね』って補足しているな!」


 俺が言うと、ユズが「それ、絶対に言ってる!」と大ウケする。

 サキと早川も「似てる」「言いそう」とウケていた。

 カホも「佐伯くんに怒られるよ」と言いつつ笑っている。


「第1階層を攻略したのか」


 俺たちが話していると、一人の男が近づいてきた。

 その男の名は――。


「お! 霧島じゃん!」

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【ノクターン】異世界ゆるっとサバイバル生活
~学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です~
▼ 代表作 ▼
『異世界ゆるっとサバイバル生活』
異世界ゆるっとサバイバル生活 第1巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第2巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第3巻
異世界ゆるっとサバイバル生活 第4巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第5巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第6巻
『成り上がり英雄の無人島奇譚』
成り上がり英雄の無人島奇譚 第1巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第2巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第3巻
成り上がり英雄の無人島奇譚 第4巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第5巻
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