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第六十三話


「あら、確か…… 姫野遥さんでしたっけ? 今日は一人?」


 冒険者ギルドに着いた遥をギルドの受付嬢のライミが声をかけた。


「はい、黒羽くんはちょっと別の用事で」


 遥が笑顔で答えるとライミも笑顔を返した。


「そうなんだ、忙しいのね。で? 今日は依頼を受けに来たの?」


「はい、そうなんですが、どんな依頼を受けたらいいのか。ちょっと迷ってます」


「姫野さんは確かDランクだったよね?」


「ええ、あっ。私のことは遥って呼んでください。ライミさん」


「ふふ、そう。じゃあ遠慮なく、よろしくね遥ちゃん」


「こちらこそよろしくお願いします!」


 二人はお互いに顔を笑顔で見合わせた。


「そうそう、確かギルドの依頼だったよね。そうだ遥ちゃんのステータスを見せて、それを見てどんな依頼がいいかアドバイスしてあげる」


「本当ですか!」


 遥がステータス画面を開いた。


名前:姫野遥 Lv11 種族:人間(女) 職業:魔法使い 役割ロール:サポーター


 HP:125/125

 MP:160/160

 力:3P

 魔力:15P

 敏捷:0P

 耐久力:5P

 器用さ:0P

 魔法:レイジングブレッドLv3:9P アイスランスLv2:6P 

    マジックバリアLv0 :0P

 装備:皮鎧:3P

 

 所有ポイント:0P

 Ex:759



「レベル11かぁ、なかなか強いわね。で、ランクがDなら…… う〜んこれなんかどう?」


 ライミが掲示板に貼られた紙を取り遥に渡す。


「キグラシ草原のレイジドッグ退治?」


「そう、最近、キグラシ草原にそのレイジドッグが住み着いているらしく人を襲っているらしいのよ。まあ、キグラシ草原はあまり人が通るところじゃないからそんな被害があるわけじゃないけど、たまにこの町にくる商人が被害にあってるようなの。どう?」


「はい! この依頼を受けます。報酬もいいし私のレベルでも何とかなりそうです」


「そう、決まりね。それじゃあ気をつけてね」


「ありがとうございます」


 遥がライミに俺を言ってギルドから出ようとする。


「あ! ちょっと待って」


「はい?」


 突然、ライミがギルドを出ようとする遥を引き止めた。


「レイジドッグは冒険者が来ると用心深い性格してるのか出てこないらしいの。だからこれをあげるから使ってみて」


 そういうとライミは小さな紙袋を遥に渡した。


「これは何ですか?」


 遥が紙袋を開けて中を覗きながら聞いた。


「それは『魔物の餌』よ」


「『魔物の餌』ですか?」


「うん、これを草原に少し振りまいてみて、その餌は人間からしたら何の匂いもしないけどレイジドッグのような鼻のきく魔物からしたらとても美味しそうな匂いがする餌なの。これでおびき寄せれば隠れてるレイジドッグが出てくるはずよ」


「そうなんですか! いいもの貰っちゃいました。ありがとうございます!」


 遥が嬉しそうにお辞儀をする。


「いいのよ。頑張ってね。あとレイジドッグは音もなく素早く動くから用心して」


「はい!」


 再度、ライミにお礼を言うと遥はギルドを出てキグラシ草原に向かった。

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