第二十二話
「ふう、終わったかな……」
そう言いながら僕が床に落ちている剣を拾うと、サンダーバードがガバッと勢いよく起き上がる。そして大きなクチバシを広げ僕の頭を噛み砕こうと襲いかかってきた。
「うおっと!あぶなっ」
僕は咄嗟に後ろに下がると目の前でサンダーバードのクチバシがガキン!と大きな音を立てて閉まる。
「やっぱ、倒せなかったか。雷属性のサンダーバードに雷攻撃はあまり効果がないか……」
サンダーバードが羽を広げ飛び上がった。
「それにしても鳥なのに歯と牙があるって…… 流石モンスターはなんでもありだな」
僕はそんな軽口を言いながらも油断なくサッと剣を構える。
「龍斗、大丈夫?」
僕はエレンミアの方を見た。すると彼女は腕組みをしながらニヤニヤしていた。
「う〜ん…… そうだな。そろそろ助けが必要かな。今の僕の力ではここまでが限界だよ」
僕の言葉にエレンミアがフッと笑うとリカルダの方を向く。
「そう、じゃあ、リカルダ行くわよ」
「ええ」
リカルダは返事をするとすぐさま魔法を発動した。
「氷柱槍」
彼女が放った氷柱は先ほど僕が放ったものよりも一回り大きく、そしてスピードも早い。
ドゴン!
氷柱はサンダーバードに直撃した。
キィィィ
サンダーバードは氷柱が当たった衝撃で体をフラフラとさせている。
「その調子よ、リカルダ。サンダーバードは水属性が弱点なの。水系魔法が有効よ」
リカルダの強烈な氷柱を受けたサンダーバードは僕から標的をリカルダに変更した。
ギャギャヤヤ
奇声をあげながらサンダーバードはリカルダに向かっていく。僕は思わず叫んだ。
「リカルダ! 姫野さんを守るんだ!」
そう、リカルダたちの近くには姫野さんがいる。僕は叫びながら走り出した。
「わかってるわよ」
リカルダは僕の心配とは裏腹に余裕な表情で姫野さんを抱きかかえる。
「きゃ!」
いきなりリカルダに抱きかかえられた姫野さんは小さく悲鳴をあげる。
「ほら、受け取りなさい!」
リカルダは抱きかかえた姫野さんを僕の方へと投げた。
「うおっととと」
姫野さんが僕の方へと飛んでくる、僕は絶対落としてたまるかと必死な形相で姫野さんをキャッチした。
「大丈夫、姫野さん?」
「うん、ナイスキャッチ黒羽くん」
僕が心配に姫野さんは笑顔で答えてくれた。僕はホッと胸をなでおろした。
ドゴン!
突然の大きな音に僕は驚いて音のする方を見るとリカルダの攻撃魔法がサンダーバードに直撃していた。
「それにしても中ボスだけあってかなり硬いな。あの鳥」
リカルダがサンダーバードの攻撃を避けながら魔法を着実に当てていく。だが、あまり効いていないように見えるほどサンダーバードは攻撃を緩めない。
だけど、結構HPは削れているはずだ。僕は過去に戦ったサンダーバードとの戦闘を思い出してた。確かに防御力とHPは高いが無限ではない。もう少しで倒せるはずだ。
「もう少しでサンダーバードを倒せると思うわ。リカルダ、私の水魔法で止めを刺すから、鳥野郎を引き付けておいて」
「わかったわ」
どうやらエレンミアもわかっているようだ。リカルダとサンダーバードが戦っている隙を見て後ろに回り込み魔法を詠唱する。
そして目をカッと開くと魔法を発動する。
「氷柱大槍」
僕やリカルダよりさらに大きな氷柱がエレンミアの手から飛び出した。
ドッゴーーン!
エレンミアが放った氷柱がサンダーバードに直撃するとクルクルと回りながらサンダーバードは地面に落下した。
どうやら今度こそ本当に倒したようだ。
僕たちはサンダーバードに近寄るとサンダーバードはブクブクと音を立てながら蒸発していく。
「おっと、アイテムゲット!」
サンダーバードが完全に蒸発するとそこにはアイテムだけが残った。僕はそれを拾うとどんなアイテムか確認した。
「おお! これはレアアイテムだ」
僕が拾ったアイテムは闇のオーブだった。




