091_スキル[理性]
何だ、、、これ。何で目の前に七乃花が?
気づけば俺は七乃花に剣を突き立てようとしていた。
考えれば考えるほど、頭がとても鈍くまともに働かない。
後ろからすごい音がすると同時に痛みが走る。
痛ぇ・・・、何だ、何が起きてる?
「七乃花さん、大丈夫ですか!?」
目の前にいた七乃花は飛び起き、俺と距離をとっている。
「はい、何とか!」
「しかし、、、剣を止めるとは。もしかすると」
「義兄さんは、私だと分かったんです!きっと理性が残ってるんですよ!」
全く訳がわからなかった。
自分の行動を止めようと、四肢に力を入れるが反応しない。
体が勝手に動くのだ。
くそっ、止まれ!
体が勝手に動くと、先ほど攻撃を加えた童顔な男へ向かって走りだす。
「彼に理性が残ってる事のを期待したいんですがねっ!!」
そういうと童顔男は魔力の塊をぶつけてくる。
俺は攻撃を食らっているのに走り続ける。
痛ぇ・・・、なんで止まらないんだよ!!
「AAAAAAh!!」
剣を思い切り振るう。
バリンバリンと音を立てながら、剣が止まる。
童顔男の目の前に、何か見えない壁のような物があった。
今の声は俺のか!?
それにこの男はなんだ!
童顔男は念じている。
すると、地面が盛り上がり俺を閉じ込める。
目の前を暗闇が支配する。
「七乃花さん、一か八かです。隙を作って下さい。私が彼を拘束します」
「どうするのですか!?」
「魔術で捉えます!ですが、、、そう長くは持たないでしょう。捉えた時にもう一度話しかけてみてください」
「分かりました!」
暗闇の中、外から声だけがする。
俺を捉える算段をつけているのだろう。
右手が痛むのを感じた。
おそらくはこの土壁を破壊しようと殴っているのだろう。
殴り続けていると壁がぽろぽろと崩れだし、暗闇の中一筋の光りが溢れる。
「出てきます!」
土壁が崩れた。
童顔男の姿を確認すると俺は走りだす。
「AAAAAAh!!」
頼む、、、もう止めてくれ・・・
童顔男を攻撃しようと走っていると、横から熱を感じ振り向く。
そこには火を纏った大きな鳥が俺へ向かい突っ込んできた。
あわてて、俺はそれを受け止めるが、踏ん張りきれず後ろへと押される。
抑えながら、自分の腕が焼けていくのを感じる。
熱い・・・、手が焼けている
俺はそのまま炎の鳥を抱き潰すように、魔術を消す。
「よくやりました、七乃花さん!彼を捉えます!」
俺を中心に円が3つ描かれる。
「これは?」
「光属性の魔術です。光によって対象を捉える魔術ですよ」
3つの円は浮かび上がり、一気に収縮し俺を拘束する。
「AAAAAAh!!」
俺は自由が失われた事で暴れ藻掻く。
「義兄さん!」
「AAAAAAAAAAh!!!」
「義兄さん!お願い、私の話を聞いて!」
七乃花、七乃花!
「義兄さん、元に戻って![狂化]スキルの発動を止めて」
駄目だ・・・止められない。俺の体がそれを止めさせてくれない!
「義兄さん・・・、私はあなたに謝りたかった。私のせいで義兄さんがこんな目に合うなんて、ごめんなさいごめんなさい」
泣くな、七乃花。お前のせいじゃない
「私のせいよ・・・。私のせいで義兄さんと父さんを引き裂いてしまった。父さんはずっと・・・義兄さんの事を心配してた!」
父さん・・・?
「お願い・・・、私はどうなってもいい。だからせめて義兄さんは新しくもらったこの生命を、この世界で幸せに生きて!」
「AAAAAAAAAAAAAAh!!!!」
俺は拘束を振りほどくと、七乃花の首を掴む。
七乃花の首を掴んだ手は真っ黒だ。
所々鱗のようなものがあり、まるで爬虫類の皮膚をした手のようだ。
そしてそのまま力を入れ、首を絞めていく。
「七乃花さん!!」
後ろから声がするが、俺は七乃花を殺すつもりだ。
ちくしょう、何でこんな事をするんだよ・・・!俺の体だろう!!
「・・・っ。義兄さん・・・!」
言うことを聞けぇぇ!!
俺の思いが通じたのか、右手が動いた。
右手にもっていた剣をそのまま、左手へと突き刺す。
「けほっ」
七乃花が離される。
ピロン
スキル:理性
を取得しました。
俺は念じるとステータスプレートが表示された。
そして[狂化]を停止した。
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