083_黒い勇者
龍は悲しみに暮れる京へとお構いなしとブレスを吐く。
「もぉ、あんたが殺しちゃ駄目でしょうが。ああぁ、もう私が殺さなきゃこいつから奪えないんだからぁ!」
ブレスが吐き終わる。
すると、まだブレスに焦がれているのだろうか人の形した者がまだ立っている。
「よくやったわぁ!私がとどめを刺してあげるわっ、勇者ちゃん!」
第2魔王の巳狗弐の連接剣が勇者へとどめを刺す。
「AAAAAh!」
勇者は魔王の連接剣を素手で受け止めていた。
様子のおかしい勇者に魔王は焦る。
「ちょっと、、何なの、こいつ!」
連接剣を手放さない勇者に手こずっているとブレスが吐かれる。
ブレスと同時に手を離され、魔王は飛び退く。
「ちょっと、ちょっと、私もいるのよ!」
様子がおかしかったが、さすがに龍のブレスを二度も受けて立っている人間はいないだろうと、安心しながら魔王は様子を見ている。
すると、ブレスの中を勇者は移動する。
「一体、何なの、あいつは!?」
ブレスが放たれる方向目掛けて走りぬく勇者。
龍の顔近くまで来ると手に握った剣を突き立てる。
ブシュウッ
『グゥオオオオッ!』
龍から勢い良く血しぶきがあがる。
《オノレ、ユウシャメ》
すかさず黒い勇者は魔王を振り向く。
魔王は魔術で障壁を張るが、魔術式を組み立てる前に勇者が近づく。
「Giiiiiiiiiii!」
勇者に斬られる。
身を庇ったはずだが、、、片腕を切り落とされてしまう。
「あああああっ、痛ぅ!!何なのよ!!!」
だが、魔王の腕は切り落ちていない。
龍が勇者を叩き潰そうと前足で攻撃する。
躱され逆に攻撃される。
龍も負けじと前足や尻尾、色々攻撃を繰り広げる。
「AAAAAAAAAAh!!!」
『グゥオオオオアアアアア!』
黒い龍と黒い勇者の猛攻が続く。
勇者は壁や地面に叩きつけられるものの、痛みを感じていないのかすぐさま立ち上がり攻撃を再開する。
それに対し、龍は傷をいくつも受け、徐々に動きが鈍っていく。
龍は翼を広げ、後ろへと下がる。
《オノレ、オノレ、オノレェェ!!》
龍は先程までとは比べ物にならない、ブレスを吐く。
「あああっ、もう!!地形が変わってるじゃないの!!!」
魔王はブレスの風圧に近くの岩にしがみついて、何とか耐え忍ぶ。
ブシュッ
龍が翼を斬られ、地面に這いつくばる。
先ほどのブレスを受けても黒い勇者はまだ健在だった。
だが、ブレスにより片腕が消失してしまっていた。
《ドコマデモ、アノカタニ、サカライツヅケルノカ。キサマホド、カミノイコウニ、ハムカウモノハ!!》
龍は最期に何かを言おうとしたが、勇者により殺されてしまった。
「AAAAh、Uuuuuu!」
勇者は龍を殺した。
そしてその姿にはいつまでも黒い影を帯び続けている。
「AAAAh!」
黒い勇者は、龍の皮膚を剥ぎ取るとそれにむさぼりつく。
獣のように、倒した獲物を食べていた。
「まるで怪物か化物ね・・・」
黒い勇者は龍の肉を食い終えると、なくした腕に黒い影が集まる。
するとなくした腕の代わりに黒い影が腕の形になる。
「AAAh!」
勇者はまた魔王へと向かってくる。
「何なんのよっ、この化物っ!!」
魔術で障壁と多数の魔術弾をぶつける。
「やっぱり・・・!」
魔王の攻撃を何度受けようとも、気にせず突っ込んでくる。
障壁もろとも突き破り、魔王の腹目掛け、拳を突き刺す。
そして剣で魔王の腕を再び切り落とす。
「がぁ・・・よくも・・・」
勇者は倒れた魔王に興味をなくし、とぼとぼとハルエルが倒れた場所へ向かう。
そこまで来ると座り込む。
「AAAAAh」
『覚えておきなさい、勇者!この借りはかならず返してあげるわ!!』
遠くから魔王が叫び立てる。
腹の傷はなくなっている。
だが、片腕は失ったままだ。
勇者は敵意を再び見せるが、魔王はその前に退散してしまった。
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