078_修行の成果
「魔族って、、、みんなにあんなやばそうなんですか?」
「ああ、あいつか。いや、あれは特別だと思うぞ」
「特別?他はそこまで強くないって事ですか?」
「分からんが、あの男の強さは異質だった。俺が前に出会ったことがある魔族たちはあそこまでの強さは秘めていなかった」
「師匠って魔族にあった事あるんですね」
「そうだ、前に旅した時にな」
「まぁ、前も説明したと思うが、神国より西は人族の領域だ。ここに魔族が現れる事は滅多にないんだ」
「そうなんですね、じゃあ竜退治にきたっていうのは?」
「分からんが、そうなのかも知れんな。そうであって欲しい」
「ところで師匠、前に言っていた龍ってなんです?」
「龍か、眉唾ものの話だぞ?」
「何か気になったんで」
「竜というのはとても強いモンスターだ。お前さんの話しぶりからすると姿形はわかってるようだな。龍はもっと違う生き物だ」
「生き物?」
「うぅむ、俺も話しに聞いた程度だからな、モンスターとも分類出来るかどうか。龍には明確な知性がある。姿形は様々だが、竜に近い形をとっているとか」
「知性があるって事は話すんでしょうかね」
「そうなのかもな。伝説では世界の誕生と共に存在しており、世界の行く末を見守っているとか」
「確かに眉唾ものでしたね。でも案外いるかも知れませんね」
「意外だな、お前さんがそんな伝説を信じるなんて」
「いや、ほら勇者や魔王がいる時点でこの世界って変わってるじゃないですか?」
「そうか?まぁ記憶をなくしてるお前さんにはそう感じるのかもな」
「え?あー、そう、そうです!」
「やれやれ」
こうして本日の修行も開始される。
かなりゆっくりだが、帝国との国境はとうに越えており今は神国を目指している。
あと数日でふもとの街へ降りる。
そこからは神都へ目指していく事になっている。
歩いていると、突然日差しが遮られる。
「ん?」
上を見る。
「あれは!」
「竜!」
上空にいる巨大な存在は俺らを見つけるとこちらへと迫ってくる。
「いや、あいつはワイバーンだ!」
「ワイバーン?」
「ああ、小型の竜種モンスターだ」
「まさかこれが噂されている竜・・・ですか?」
「わからんが、、、こいつは本物の竜と比べると大きさも強さも全然弱い方だぞ」
ワイバーンは滑空し、俺らの近くに降りてくる。
「くっ、すごい風圧だ・・・」
「ワイバーンか、久しぶりだな・・・・京、一緒にやるぞ!」
「はい!」
強敵だったんだろう、師匠が剣を抜く。
俺も剣を取り出し、構える。
「京、こいつはBランクパーティで倒す相手だ!今のお前さんはかなり強くなったが油断はするなよ!」
「はい!」
「構わん、全力でやれ!」
「了解!」
俺はアイテム袋からレイルーシアからもらったナイフを取り出し、久しぶりに二刀のスタイルになる。
「スタイルが違うからといって、やることは一緒だ。気を読み、それを捉え斬る」
突然目の前が真っ赤になる。
俺は横に転がりながらワイバーンの放った炎を避ける。
「ブレスか!」
大盾を帝国の戦いの時に全て失ったのが悔やまれる。
ワイバーンが大きく息を吸い込む。
そして、またブレスが吐かれる。
「京、ブレスには当たるなよ!あれはかなりの威力だ」
「はい!」
師匠はブレスが終わるタイミングで前へ突っ込み、ワイバーンの翼を斬る
「グアアアッ!」
斬りつけられ、驚いてたワイバーンだが、すぐさま師匠に噛み付こうとするが避けられてしまう。
そして、尻尾を回し師匠を払いのけようとする。
「よっと」
「余裕ですね、師匠は・・・」
「まぁ、こいつ相手だったらな。とはいえ隙を見せたらこっちも大ダメージを受けるから油断はならないがな」
お喋りした瞬間にまたブレスが吐かれる。
「竜か、、、厄介だ」
ブレスを観察する。
大きく息を吸い込む時、魔力と気が膨らみをそれを外へ放出している感じだ。
「あれを溜めて、吐き出すのか・・・」
ワイバーンはもう一発とブレスを吐く準備をする。
俺はそれを観察する。
「そしてブレスを吐くか」
ブレスを避けるため、走りながら観察を続ける。
「5、4、3、2、1・・・」
ブレスが止まる。
「0!」
俺は90度向き直り全速力でワイバーンの近くへ走る。
そして顔目掛けて斬る。
「ギャオオオオッ!」
ワイバーンの左眼に大きく十字傷が入った。
先ほどの剣撃の勢いで首の根本まで斬り傷は入るが両断するには至らなかった。
「残念だったな、京。だがワイバーン相手にすごいぞ、お前さんは」
「殺すつもりだったんですけどね」
モンスターとしての頂点に存在する竜種が命の危険を感じる。
その危険が俺らを殺せとでも言っているかのように吠える。
「向こうも相当本気になったみたいだ」
「ええ、怒らせたのは俺ですから、めっちゃこっち見てますよ」
「京、次で決めるぞ!」
「はい!」
ワイバーンは俺の方へと突進してくる。
翼を斬られたせいで上手く飛べず、走るように俺を追いかける。
前足で何度も俺を踏み潰そうとするが、避ける。
「こう感情剥き出しだと、敵の動きは読みやすいな」
叩き潰そうとワイバーンも躍起になるが、俺の動きを捉えられないようだ。
ワイバーンの股下をくぐり、そのまま距離を取る。
そしてワイバーンは俺の方を振り向きながら大きく息を吸い込む。
「来たな、、、大きい攻撃の後はチャンスだ」
ブレスは俺を捉えようとするが、無理だった。
徐々に威力がなくなっていく。
俺は師匠の顔を見ると、頷き合う。
「喰らえ!」
「はっ!」
首の根元から胴体を真っ二つにしようと剣を振るう。
師匠も反対から同じように剣で線を描く。
そして胴体に大きく十字傷を多い、ワイバーンは倒れた。
「いやぁ、こりゃお前さんの免許皆伝も近いなぁ、ハハハ!」
「うへぇ、強かった」
ピロン
【称号】竜殺し
を取得しました。
やっぱりな称号が手に入った。
「確かに倒せましたけど、、、、こんなのが何匹もいたら、死にますよ」
「ハハハ、それは俺も同じだ」
二人して大きな獲物を見て、笑い合う。
だが、突然ワイバーンと同じく強い気を感じる。
「嘘だろ・・・!?」
ワイバーンが群となって、こちらへと向かってきていた。
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