071_謝罪
「ここまで来れば、大丈夫だろうな」
俺らは無事に帝都を脱出出来た。
御者は捕まるまいとして、馬をかなりの速さで走らせてくれた。
今は帝国の国境付近にて、馬を休ませるため馬車を止めていた。
「これも皆さんのおかげです・・・」
「京、お嬢様を助けてくれてありがとう」
ギーは冒険者ギルドに着いた時には満身創痍となっていたが、ここまでの道中で起き上がる事が出来た。
「いや俺のおかげって訳じゃないしな」
「だが、お前がいなかったらどうなっていた事か」
「京、私からも改めてお礼を言わせて下さい」
岩場でぼーっとしているとギーとレイラが話しかけてきた。
「レイラ、お前の復讐はもういいのか?」
「・・・・分かりません。ですが、もう復讐する相手はいない。アディーラも京が殺してくれたおかげでしょうか、、、私の復讐心は少し落ち着いた気がします」
「そうか」
「私は、これからどうしたらいいのか・・・分かりませんが、あなたには返しても返しきれない恩があります。いつか、必ず私はあなたの力になれればと思っています」
「まぁ、俺も何かを期待してた訳じゃない。今は新しい目標でも見つけてくれたらって思うよ」
「目標・・・見つけられればいいんですが」
「復讐心を完全に消すのは難しいだろう。けど、もう暗殺はやめてレイラじゃなくレイルーシアとして生きて欲しい」
「京・・・」
「それに、レイラよりレイルーシアとして見た方が、何倍も可愛く見えるしな!」
「可愛くって・・・!そんな私はそんなのじゃ」
「いいや、可愛い。美人だ」
「京がそういうなら・・・」
普段のレイラと打って変わって、俺の言うことを素直に聞いてくれる。
「そう言えば、あの時どたばたしてたからな、ナイフを返す」
「いえ、それは京にあげます。これは私が帝国に復讐をする為の証。復讐を辞めた私は、これを手放さなけれなりません」
「証か・・・。しかし、いいのか。これはかなりの代物だが?」
「ええ、ミスリルと少量ながらオリハルコンが含まれているとか。私は、京がそのナイフを好きにして頂くのが一番良いです」
ミスリルにオリハルコン・・・、これを売れば一生遊んで暮らせそうだ。
「分かった、俺が貰おう。それに今は手持ちの武器はこのナイフしかなかったしな」
俺は大事にナイフをしまう。
「レイルーシア、こいつをお前さんに渡す」
師匠がレイルーシアに書状を渡す。
「これは?」
「書状だ、神国の門番に渡してくれ。お前の受け入れ先など色々手配してある」
「受け入れ先?そんな帝国から逃がしてもらっただけでも感謝しきれないのに」
「まぁ、場所は修道院だ。お前さんが罪と向き合うのにはちょうどいいだろう。それにギーを従者としてある。互いに良い生活とは言えないが、全うに生きる為の足がかりとはなってくれるだろう」
「本当に・・・、ありがとうございます」
レイルーシアは涙を浮かべながら、感謝の言葉を俺と師匠に伝えてくれた。
ギーは深々と頭を下げる。
「さぁ、お嬢さん方、そろそろ行きますよ」
御者が出発の合図を告げる。
俺と師匠は、ここから歩いて神国へ向かう。
修行しながら次の国へ行くのはいつもの事だから、特に何も言わない。
「じゃあな、レイルーシア。ギー」
「はい、神国で会いましょう!」
「京、必ず礼をする!」
「着くのにはしばらくかかるからな。着いたら、酒でも飲もう!」
「「はい!」」
馬車が出発する。
レイルーシアとギーは、頭を深く下げ続けていた。
「さて、、、やっと二人になったな」
師匠が改めて口を開く。
「どうしたんですか?」
「すまなかった!!!」
突然、師匠が土下座を始める。
「ちょっ、何をやってるんですか!」
「まさか、俺もお前さんがここまで大変な目に合ってるとは思わなかった」
「いやいや、最初は師匠に言われたからでしたけど、途中からは自分の意思でレイルーシアを助けようと思ったんですよ?」
「それでも俺はお前さんを貶める事をしてしまった。師匠として、いや人間としてやってはならない事だ!」
師匠は立ち上がると、剣をこちらへと投げる。
「それで俺を斬れ!」
「無理です!」
「構わん、斬ってくれ!」
仕方なしに俺は剣を持つ。
「どうなっても知りませんよ?」
俺は剣を振りかざし、師匠へ向かい剣を振るう。
「・・・・・」
師匠は閉じていた目を開ける。
俺は師匠に寸止めをしていた。
「あんたは俺の師匠だ。確かに帝国では散々だったけど、俺は強くなれた。力も心も・・・。俺は人を殺す事で、この世界での覚悟を覚えました。俺は師匠を信じてたからここまで強くなれたんです。恨んだり、ムカついたりするかも知れませんが、間違っても師匠を殺すような事はしない!!」
「京・・・」
師匠は涙を浮かべる。
「まさかな、この歳になって、学ぶ事があるとは・・・。京、ありがとう!」
「い、いや、だから気にしないでくださいよ。今までどおり、師匠と弟子としてやってきましょう」
「ああ、そうだな。その通りだ。すまんな、取り乱して」
「いや、大丈夫です」
俺は剣を師匠に返す。
「これはお前にやろう。ミスリルの剣だ。魔力を込めても壊れることはないし、ちょっとやそっとじゃ壊れん」
「え、そんな、これってすげー高いんですよね?」
「気にするな、それに今のお前さんに必要だからな」
「え?」
「言ったろう、剣を教えるってな」
”ステータスオープン”
名前:岡崎 京
職業:ニート
年齢:25
LV:41
HP:352
MP:186
SP:??
力:101
体力:118
器用:121
敏捷:131
知力:116
対魔:104
幸運:136
【固有スキル】
深理解(物事を識ることによって深く理解する。理解した対象がスキルの場合、スキルLv6までを獲得出来る)
└冷静(感情がある一定を越えると冷静さを取り戻す)
【スキル】
剣術Ⅵ
短剣術Ⅵ
盾術Ⅵ
弓術Ⅵ
体術Ⅵ
槍術Ⅵ
鎚術Ⅵ
サバイバル術Ⅵ
料理Ⅵ
環境適応Ⅵ
指揮術
魔力感知
魔力操作
├魔力操作 - 集
└魔力操作 - 散
【称号】
武器の申し子
転生者
魔物殺し
中級冒険者
暗殺者
これで2章、最後の話です。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
明日からは3章に入りますので楽しんでくれてる皆様、今後もお付き合いお願いします。
毎日22時に更新を予定しております。




