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キリングワンアナザー ~8人の勇者と4人の魔王~  作者: 日進月歩
第ニ章 帝国篇 暗殺ギルド
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069_勇者vs勇者 決着

「これを使って!」

俺はレイラが投げたそれを拾う。

レイラがいつも愛用していたナイフだ。


「そんなんでどうにかなるのか?」

振り向くと、二神は後ろにいて拳を振り下ろそうとしていた。

俺は不意だったのもあり、ナイフを前に出し身を庇う。

そして魔力を全力で武器に込めた。


ブシュッ


殺られたかと思ったが、身を引いていたのは二神だった。


「くそっ!何だ!?」

二神は手から血を流している。

ナイフの刀身を見るが、傷ついている様子はない。


「これは・・・」

このナイフは魔力をいくら込めても壊れなかった。

それに咄嗟に魔力でかばったおかげか、雷による痺れも感じなかった。


「ヤバイ状況ってのには代わりはないが、、、活路は生まれたか・・・」

俺はナイフを構える。

二神はそれに反応する。


「思った通りだ」

二神は雷と小手のおかげで、安物の武器に警戒すらしていなかった。

だが傷を負った事で武器の攻撃を警戒する。


「おかげで、さっきよりは攻撃を読みやすくなるか」

俺はナイフを逆手に持ち、片方の手で拳を作る。

そしてありったけの魔力でナイフと拳を覆う。


「くそがっ!殺してやる!」

黒雷を纏った拳が俺を襲ってくるが紙一重で躱す。

また痺れさせられても困ると思い、雑だが魔力で壁を作って防いでいた。

ナイフを警戒してか、ナイフを持っていない方に向かって拳を振り下ろして来る。

それを読んでいた俺は、回りこむと魔力をまとった拳で二神の腹を穿つ。


「ぐっ!」

浅かったが、関係なく次の攻撃へと入る。

腹を庇って身を屈めた瞬間にナイフで首を狙う。


ブシュッ


ガードされる。


「お前・・・」

「ちっ」

「ははっ・・・、お前も俺を殺そうとしてたな?」

「何を今更、、、お前が先に俺を殺そうとした。正当防衛だっ!」

「そうか・・・これが殺されるという感覚。いつかあいつもこうやって俺を殺ろうとしてたんだよな!!」

何だか相当に怒ってしまったようだ。


まずい。


さっきのでも充分まずかったのに、怒りが爆発してからは二神の身に纏う黒い雷がとんでもない事になっている。

二神はその場から動かずに、拳だけを振るう。


「岡崎ぃぃぃっ!!」

拳撃が黒雷を纏い衝撃波となってこっちへ飛来してくる。


「やばいっ!」

俺は避けたが、次の衝撃波が飛んでくる。

次々と来る衝撃波を避ける。


「焦げつくせぇ、雷っ!!」

「くそっ、駄目だ、近づけない!」

まさか身に纏う雷であんなことまで出来るとは。

先程の知恵もあってか魔力壁を作りながら避け続ける。

もう魔力が切れそうではあるが、限界まで避け続ける事に徹する。

先に見切りをつけたのは二神の方だった。

今度はレイラの方へと振り向くと黒雷を拳へと集める。


「おいっ!」

「消えろぉぉぉぉ!!」

俺は魔力を一気に足へ込めるとレイラの前へ出て庇う。

防御までは魔力をまわす余裕はなかった。

生身のまま、黒雷の衝撃波が俺とレイラに迫る。


ガキンッ


「悪ぃ、待たせたな、京!」

「師匠!」

「話は後だ、レイルーシアを連れて逃げろ!」

「え、あ、了解っ!」

俺は師匠の言う通りにしようとレイラの手を掴む。


「京・・・」

「いいから、城から出るぞ!動けるか?」

「ごめん、さっきの雷がまだ」

「わかった!」

俺はレイラを抱えると扉へと向かう。


「師匠!」

「行け!!すぐに追いかける!」

玉座を出るとレイラを抱えたまま走った。



「誰だ、おっさん!?」

「不肖の弟子、京の師匠ってところだな、ハハハ!」

「分かってんのか?俺は勇者だぞ!?皇帝だぞ!?」

「勇者だろうと皇帝だろうと、目の前で殺されそうなら戦うしかないだろ?俺はそんなに出来た人間じゃないしな!」

「くそがっ!!」

二神の雷撃が飛ぶ。

ハルエルは剣を振り下ろすと衝撃波を出し、打ち消す。


「俺の攻撃を止めるだと!?」

「ハハハ、やばい力だな、勇者殿!」

二神は増々、怒りを爆発させ黒い雷を膨張させる。

剣と拳がぶつかり合い、玉座にもの凄い衝撃が走る。

幾度と無く、衝撃が走る。


「くそがっ、何者だ、てめぇは!?」

「まさか、勇者が国盗りを行うとはな、、、前代未聞だぜ」

「うるせぇっ!!王国が俺を認めなかったせいだ!!」

「しかも暴君と来たか。これからの帝国は暗黒時代となりそうだ」

二神は幾度と無く拳を振るうが、ハルエルの剣はそれを受け止める。


「お前さんがまだ弱くて、助かったよ。真の勇者へと至り始めてたら俺は負けてたな」

「真の勇者だと!?俺は勇者だ!!」

「これも歴史にすがって生きてきた世界の人間のせいだ。この世界の人間は勇者を敬い、ちゃんと育てなきゃならんのにな」

「俺は弱くなんかねぇ、俺は強くなってやる、どこまでも!!」

「頃合いか・・・、こんなんはどうだっ!!」

ハルエルは剣を地面へと突き立てる。

玉座の床を破壊しながら衝撃波が走る。


「ちぃっ!」

二神は雷撃でそれを弾く。

玉座の床が盛大に壊れたせいで砂煙が上がる。

砂煙が晴れた時には、ハルエルの姿はなかった。

もうすぐ2章も終わります。

ここまでお付き合いくださりありがとうございます。

まだ話は続きますので楽しんでくれてる皆様、今後もお付き合いお願いします。

毎日22時に更新を予定しております。

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