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キリングワンアナザー ~8人の勇者と4人の魔王~  作者: 日進月歩
第ニ章 帝国篇 暗殺ギルド
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068_勇者vs勇者

「二神・・・?」

「お前は、確か岡崎か・・・?」

そうこいつは俺と同じく転生させられた勇者の二神だった。


「何でここにいる!?ガルシアはどこだ!」

「あ、そりゃこっちが聞きてーよ。何でお前がここにいるんだよ?」

「俺は、、、レイラを連れ戻しに来ただけだ」

「レイラ?そこの女か。王国から行方不明になったと思えば、お前は女とイチャついてたってわけだな!」

「違う!俺はこいつを止めようとしているだけだ!」

「止める?あぁ、俺を襲撃してきたのを止めるって事か?そりゃ無理だな、皇帝たる俺を殺そうとしてきたんだ。その女にはそれなりの報いを受けてもらわなくちゃな!」

「は?皇帝だと・・・。何でお前が皇帝に!?」

「ははっ、分からねぇか!?俺は、皇帝をぶっ殺し、代わりに皇帝になってやったんだ。これで俺を縛るものは何もねぇ。そうか・・・そういやお前も勇者だったよな」

「ちっ、、、勇者なんてもんは廃業してやったよ!」

「ははっ、そいつはいいな!それで暗殺者と共にいるって事か!ガルシアが言ってたな、暗殺ギルドとかって。お前はその女の仲間だろ?なら俺に殺されても構わねぇよな!それにてめぇを殺して勇者の力を奪ってやるよ!!」

二神は突進すると、俺に向かい拳を振り上げる。

急いで残り一つなった大盾を出し、防ぐ。

だが、先ほどの大盾よりもひどく今度は粉々に砕け散る。

俺は砕けるより先にレイラを抱え、二神から離れる。


「何て力だ・・・、これが勇者の力なのか!?」

「一方的に殺されるのは嫌だろう?構えろよ?せめてもの情けだ!」

あいつを相手にレイラを抱えて逃げるのは難しい。

せめて、隙を与えてから脱出しないと逃げる事は難しそうだ。


「くそっ、何でいつもこうなるんだ」

俺は剣とダガーを取り出す。

そして魔力操作で足に込め加速し、二神に斬りかかる。

だが二神は両腕を前にしガードする。

剣は両腕にはめられたガントレットに防がれる。


「ちぃっ、ガントレットか・・・!」

「ああ、ガルシアから奪ってやった。雷神の小手だ・・!」

二神はまた拳を振り上げる。


直撃はまずい・・・!


拳を何とか見切り、ダガーで捌いて躱す。

続いて、もう一撃が振り下ろされる。

俺は躱そうと足に力を込めるが、力が入らない。


「なっ・・・、足が!」

俺は躱すのを諦め、槍を出し剣と交差して、拳を防ごうと構える。


「馬鹿めっ!!」

二神の拳は槍と剣に向け、そのまま振り下ろされる。


「ぐあっ」

攻撃を受け止めるも、勢いで飛ばされる。

二神の攻撃の威力が高すぎて受け身を取りきれず、壁に叩きつけられてしまう。


「くそっ、、、何だその力」

拳を振り下ろした二神を見ると、黒い雷を身に纏っている。


「俺の力だよ。黒い雷・・・、こいつが身体能力を上げてくれる。それに躱したつもりでも雷がお前を痺れさせたみたいだな」

「なんて力だよ・・・」

雷・・・、俺が覚えた魔力操作の一つなんだろうか。

だが俺の魔力操作とは比較にはならない物のようだ。

二神の攻撃を防いだ槍と剣は折れてしまい、それを地面へと投げ捨てる。

その際にちらりとレイラを見るがまだ自失状態のようだ。


何とか隙を作って、逃げれないものか。


「てめぇ、俺との殺し合いの最中に女の心配かよ!お前ら!」

兵士達が入ってくるとレイラを押さえつける。


「何をする!?」

「何って、てめぇを殺すまで逃げないようにしてるだけだ」

レイラを押さえつけている兵士達を見る。

よく見ると兵士達の様子がおかしい。

口からは涎を垂らし、意識はあるのかないのか分からないのに二神に命令された通りにレイラを押さえつけている。


「何だ、あの兵士・・・。屍みたいだな!」

「ははっ、あいつらは俺の兵士だ。ガルシアを殺した時に歯向かってきたからなぁ、、、俺の固有スキルで俺に従うように誓わせた」

「固有スキル・・・お前の力は人を強制的に縛る能力なのか!?」

「そんなの教える訳ねぇだろ!だが、、、思ったより、お前は強いな・・・。殺した後はお前を俺の兵隊として使ってやるよ!【誓いの拳-強制宣誓】っ!」

二神の拳が光る。

よく分からないがあれで殴られたら、俺もあの兵士達を同じように意思なき人形にされてしまうのだろう。


「悪趣味な奴だ・・・」

俺はアイテム袋に手をかざし、残っている武器を確認する。

弓矢、槍が一本、何かのためと賈ってあった槌が一つだ。

黒い雷をどうにかしないと接敵して戦うのは難しそうだ。

槍を取り出し、構える。


「器用な奴だな!後は何の武器が使えるんだ!?」

「いいから早く来いよ、デカブツ!」

「ははっ、吠え面かくなよ!」

「速い!」

黒い雷は身体能力を上げると言っていた通り、先ほどより速さが上がっている。

全速力で避ける。

横からやりの一突きを入れるが、小手で弾かれる。

二神の黒い雷に当たらないよう、避けながら槍で牽制する。

だが、徐々に槍にヒビは入っていく。

安物の槍では二神の攻撃に耐えられなかった。

そして砕けてしまう。


「くそっ!」

「ちっ、もう終いかよっ!早く次の武器を出せよ!」

今更このバケモノに矢の一撃が入るとは思えない。

俺は素手のまま、二神に突っ込む。


「はっ、もうネタ切れかっ!」

二神が拳を振り下ろす。

だが、拳は空を切る。


「なっ、馬鹿な!どこへ!?」


ファントムアタック。


俺は唯一の切り札を出すと、地を蹴り空中へ上がる。

回転し、二神へと迫る。


「空中へ行ったのは失敗だな。素手のお前に俺の拳は止められるかよっ!!」

俺はアイテム袋に手をかざす。


「誰が素手と言った!!」

鎚を取り出し、回転した勢いのまま思い切り振り下ろす。


ゴォンッ


「うおおおっ!」

俺の振り下ろした鎚は二神の拳へと命中した。

だが、二神の拳は鎚さえも破壊してしまった。


「マジかよっ!」

俺は鎚と拳の衝撃で距離を取る。

終わった。

正真正銘、ネタ切れになってしまった。


「くそ!!」

「驚いたぜ・・・!だが、俺の一撃を甘く見ていたなぁ!」

「まさかここまで強いなんて・・・」

俺の表情から諦めが滲んでいた。


「もうお終いみたいだな。ははっ、良かったぜ、岡崎!安心しろ、お前に変わって俺が魔王を、他の勇者をぶっ殺してやるからよ・・!」

諦めた俺を殺そうと、二神がこちらへと向かってくる。


「京っ!!」

俺は顔を上げる。


「京っ!!」

「レイラ!」

レイラは二神に殺られそうな俺を見て正気を取り戻してくれた。

俺に何かを伝えようと必死に叫んでいる。


「逃げてっ!」

「くそっ、約束しただろう!お前を連れて帝国を出るって!お前の復讐は俺が殺ってやった!」

「京、、、もうそんな事はいい!早く逃げて!」

「そんな事言っても、こんな状況じゃっ・・・」

レイラは押さえつけている兵士達から身をもがくと、何かをこちらへと投げる。

お読み頂き、ありがとうございます。

毎日22時に更新を予定しております。


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