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キリングワンアナザー ~8人の勇者と4人の魔王~  作者: 日進月歩
第ニ章 帝国篇 暗殺ギルド
55/119

054_デートの結末

「うまいか?」

「ああ、うまい」

決して口調は崩さないが、表情には笑顔がときおり溢れていた。

こいつを見ていて、気付いたが、人が相当苦手なようだ。

飯でも食べようと思ったが、先ほどのカフェから察するにどこかで食べるというのは難しそうだった。

俺は路地にレイラを連れて行き、待たせる事にする。

俺は急いで露天に行き、美味しそうなものを適当に見繕いレイラの元へと持っていく。


「これも中々だな」

「あ、ああ」

二人分として買ってきた物をレイラは食してしまった。


俺の飯が・・・


人が苦手なレイラ。

しかし、この昼間の帝国はどこへ行っても混んでいる。

もしたちの悪い貴族にでも出くわしたら最悪だ。

そこで人に出会わずに済む方法を考える。


まぁ、結局普段と変わらないか。


武器屋で短パンとナイフを購入する。


「何だ、これは?」

「必要になるから」

「何にだ?」

「まぁついて来い」

俺はレイラを連れ、冒険者ギルドへ来ていた。


「あ、京くん!」

「どうも」

「その美人な人は?」

レイラの姿を見た、ギルドがざわつく。

綺麗だとか、なぜあの朴念仁がとか、色々だ。


「あー、そのAさんですよ」

「あぁ、なるほどねぇ。上手く行ってる訳だ」

「まぁ、前途多難ですが」

レイラは人の目が怖いのか、俺にしがみつき震えてる。


「この調子なので、人がいないところに行こうと思って。こいつ腕はいいので、冒険者にして適当な依頼をやろうかなと」

「まぁ、そういう事なら。じゃあ・・・Aさん?お名前は何かしら?」

「・・・」

もの凄い小声で何を言ってるのか聞き取れない。

仕方ないので俺が代わりに答える。


「レイラです」

「レイラさんね、じゃあ悪いけど手を出してもらっていい?」

聞いてるのか聞いてないのか分からない様子だったので、俺が手を引っ張りリディアさんへ差し向ける。


「えぇっと、、、レイラで間違いないわね・・・。職業は」


しまった・・・!!


冒険者の鑑定で職業が盗賊だと犯罪者になってしまう可能性がある。

ましてや暗殺者なんて職業では言い逃れが出来ない。


「えっと、元貴族になってるわね・・・。これで登録は終わりよ」

「元貴族・・・」

何とか大丈夫だったようだ。


「武器はある?」

「あ、はい、ナイフがあります」

「なるほど、短剣使いなのね」

「えっと、じゃあこの依頼で受注して下さい」

「はい、了解」

リディアさんはさっさと作業進める。


「はい、完了よ」

「じゃあ、いってきます!」

行こうとするとリディアさんが裾をぐいっと引っ張る。


「がんばってね、京くん!」

「ありがとうございます」

リディアさんは俺に応援の言葉をくれた。

また睨まれていないか恐くなり、ちらりとギルド長のタスラさんを見てみる。

いつもなら睨みつけてくるはずだが、今日に限っては驚いたような顔をしている。


俺がレイラを連れてきたのが、そんなに珍しいことか?




帝都近くの草原へたどり着く。

レイラはドレスの裾を上げ、短パンを履いている。

そして思い切りと伸びをしている。


「気持ちいい」

「悪かったな、その連れ回したりして」

レイラが周りを警戒しなくなった事もあり、人混みが多い所を連れ回したのを詫びる。


「どうした?」

「いや、気にするな」

本人はあまり気にしていないようだった。


レイラの様子を見ていると、草原に着いてからはかなり伸び伸びと出来ているみたいだ。

さっきまで不快な思いしかさせてないかと不安だったが、今のレイラを見ていると安心する。


「さて、、、狩るぞ!」




「サンドラビットだ!」

「・・・・可愛い」

「おい、油断するな、そいつは!」

「わっ!」

サンドラビット、可愛らしい容姿だが簡単な土魔術で砂を作り目に砂をかけてくるモンスターだ。

サンドラビットはレイラに向かって、蹴りを喰らわそうとしてくる。

俺はダガーでサンドラビットに一刀する。


「まさか砂をかけてくるなんて!」

「弱いモンスターだけどな、初心者は目潰しに会い、サンドラビットに蹴り飛ばされる」

「京は物知りだな」

「帝国に来るまでずっとモンスターを狩りながら旅をしたからな」

「もう少し教えてくれないか?」

「ああ、いいだろう」




俺らは日が傾くまでモンスターを退治を行った。

レイラは気になった事はすぐに俺に質問をし、俺はそれに答えていった。


「京、狩りは楽しかった」

「ああ、良かった」

前途多難だったが、結局狩りで少し打ち解けられたような気がする。


「また行くか?」

「ああ、たまにならな」

レイラは微笑みながらそう言う。


「昔、、、お父様とお兄様達と狩りに行ったことがある。まだ小さかった私は武器を持つことは許されなかったけどな」

ふと、ポツリとレイラは過去の話を始めた。


「その時は楽しかったか?」

「ああ、楽しかった。その時の気持ちを思い出した」

「そうか、、、このまま冒険者になるのはどうだ?」

「・・・・・」

レイラは寂しそうな顔をして、うつむいてしまう。


「まぁ、また狩りにはいけるさ」

そう言い、レイラの頭を優しく撫でる。

また叩かれるのを承知で頭を撫でたのだが、抵抗はしなかった。


「おい、、、お前ら!」

少し遠くから人が近づいてくると俺らに声をかける。

見ると憲兵が二人、こちらに向かってきた。


「どうしました?」

平静を装い、答える。


「ああ、哨戒任務中でな。お前らは冒険者か?」

「そうですよ」

俺はギルドカードを見せる。


「おい、そっちの女、こちらへ顔を見せろ」

レイラは兵士達に背を向ける格好になっていた。


「レイラ、向いてやれ」

「あ、ああ」

暗殺中は頭巾を被っているから顔がバレる事はないだろう。

レイラもそれを分かってか、顔を兵士へ向ける。


「お前、、、まさかレイルーシアか!?」

「嘘だろ、生きてたのか!?」

憲兵はレイラの事を知っているようだ。

俺は何とかごまかせないか適当に答える。


「いやいや、人違いですよ。この娘はレイラでただの町娘です」

「いや、見間違える訳はない!あの時、スラムへ連行した際にしっかりと顔を覚えてたんだ」

レイラの顔を見る。

何かに怯えたような表情をしている。


「おい、レイラ」

レイラの肩を揺さぶるが、反応がない。


最悪な状況だ・・・


「あの噂は本当だったのか、、、レスカ家の生き残りが暗殺者として動いているって」

「まさかガルシア陛下の言う通りになってたとは・・・」

レイラが一瞬ビクッと反応する。


「おい、冒険者。お前は何だ?レイルーシアの仲間か?」


「俺は・・・」

うつむく。

一息間を置いてから答える。


「暗殺ギルド レスカの仲間だ!」

ダガーを引き抜くと、憲兵へと駆ける。

咄嗟の事で憲兵は武器を構えきれず、俺は憲兵の一人の懐へと入ると喉を斬る。


「き、、、きさま!!」

もう一人が身構える。


だが、遅い。


「終わりだ」

俺は続けて二人目を始末した。

お読み頂き、ありがとうございます。

毎日22時に更新を予定しております。


感想・レビューお待ちしております。

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