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キリングワンアナザー ~8人の勇者と4人の魔王~  作者: 日進月歩
第一章 王国・公国篇 旅立ち
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039_第5勇者

「転勤?」

「あぁ、前々から話はあったんだけど、条件が良くて受けたよ」

「でもお腹の子はどうするの?」

「一緒に来てくれないか?東京とは環境が違うけど、待遇も良くなるから生活がマシになる」

「突然言われても、、、家族もこっちにいるし。新しい環境で子育てはちょっと不安だわ。一体、どこに転勤になるの?」

「大阪だ」

「大阪・・・。あなたはそれでいいの?」

「ああ、俺はお前やこの子にいい生活出来るなら、いくらでも頑張れる。俺が守るから来てくれないか?」


-----------------------------------------


「課長、この資料どうですか?」

「あ、ああ、見せてくれるかな?」

「課長って、東京出身だけあって標準語しか喋らへんよな」

「慣れへんわぁ」

「冗談も通じへん」

「あ、君。資料、大丈夫そうだよ」

「ありがとうございます」

「ところで、明日の会議資料だけどこっちは終わったのかな?」

「あー、すんまへん。この後、アポ入ってるんですよ」

「・・・わかった。資料は俺が作っておくよ」


-----------------------------------------


「あなた、最近帰りが遅いわね」

「ああ、すまない。仕事が多くてね。娘は寝ちゃったか?」

「もうとっくに寝てるわよ」

「そうだよな、、、お前ももう寝てくれ」


-----------------------------------------


「どないなっとんねん!」

「す、すんまへん、課長。間違えた資料送ったせいで営業先がカンカンで・・・」

「しゃーないなぁ。ワシもついてってやるで、しっかりしぃ」

「助かります、課長」

「気にすんなや、みんなワシが守ってやるで」


-----------------------------------------


「また飲んで帰ってきたの?」

「あー、そうや。悪いなぁ」

「お酒臭いから、娘には寄らないであげてね」

「しゃーないやろ。ワシだって飲みたくて飲んだわけじゃないんや」

「仕事だからでしょ・・・」

「そうやで」

「はぁ、関西弁・・・・似合ってないわよ」

「しゃーないやん・・・。お前らを守るためや」


-----------------------------------------


「五十嵐くん、君のチームの成績は過去最高をずっと塗り替えてて素晴らしいよ」

「ありがとうございます、支社長!」

「君の功績を評価して、部長にしようと思う」

「ほんまですか!?ありがとうございます」

「まぁ、突然の辞令で大阪だったからねぇ。子供もいたのに、良くここまで頑張ってくれたね」

「家族がおったから、頑張れたんやと思います」

「そうか、じゃあ帰ったら奥さんと子供に教えてあげるといい」


-----------------------------------------


「課長、すいません!」

「どないした?」

「取引相手が急に引き上げると・・・」

「何でや!?」

「競合にやられましたわ」

「あそこか。ほな、すぐ行くで!」

「ですが、アポ取ってませんが」

「アホか!向かいながらでも取れるやろ!?取れなくても、会社の前で待ってれば必ず会えるやろ?」

「は、はい!」

「任せとき!」


-----------------------------------------


「帰ったでぇー」

「あなた・・・・」

「すまん、今日も遅うなったわ。そや聞いてくれ、昇進したんや!」

「あの子が・・・」

「でもなぁまたトラブルがあったんやけど、何とかなったわ。最近相手にしてへんかった取引相手が手引く言うてたけど、しっかり話聞いたら納得してもらえたわぁ。お詫びって事で飲みに行ったんやけど、それで遅うなってしまったわ」

「・・・・」

「ところで娘はどうしたんや?」

「・・・・・」

「どこや?部屋にもおらんやんか」

「・・・・死んだのよ」

「え、何でや?」

「・・・死んだの、交通事故で」

「どうしてや!?嘘やろ・・・?」

「本当よ、私、あなたに何度も電話したのに、電源が入っていなかった。会社にもかけたけど外出して戻ってこないって・・・」

「そんな・・・ワシはお前らを守ろう思って・・・」

「あなたはいつも必要な時には側にいてくれなかったわ。あなたの守るは口だけなのよ」

「俺は・・・守りたかったんだ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


影から別の男が現れる。


「残念だったな、守れなくて」

その男は五十嵐さんの背後に立つと首をナイフで掻っ切る。


「かはぁっ」

五十嵐さんは喉から血を吹き出し、倒れてしまう。


「おい、おっさん!」

「五十嵐さん!!」

一歩は何とか立ち上がると、五十嵐さんの元へとよろよろと向かう。

だが五十嵐さんは血を吹き出し続け、倒れたままだ。

魔王の影響で動けない二神はその様子を見ているしかなかった。


「くっ、興が削がれた。全く良い所で邪魔してくれる」

「あと二人はどうする?」

魔王は影から現れた男と会話をする。


「こいつらには手出しをさせぬ。それにこの勇者は見込みがある」

魔王は一歩を指を指しながら、影の男へと忠告を促す。


「・・・・良いだろう。我らの目的は達したからな」

影から現れた男は、魔王からの忠告を受けると音もなくまた姿を消してしまう。


「貴様、名前は?」

魔王は、五十嵐さんの死体にしがみつく一歩へと近づき名を尋ねる。


「一ツ橋一歩だ・・・!」

「覚えとくぞ。我は間壱 壱成。早く我に追いつけるように強くなるのだな」


お読み頂き、ありがとうございます。

一旦、ここまでを一章にしようと思っています。


毎日22時更新予定。

感想・レビューお待ちしております。

誤字・脱字も報告頂けましたら対応致します。

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