039_第5勇者
「転勤?」
「あぁ、前々から話はあったんだけど、条件が良くて受けたよ」
「でもお腹の子はどうするの?」
「一緒に来てくれないか?東京とは環境が違うけど、待遇も良くなるから生活がマシになる」
「突然言われても、、、家族もこっちにいるし。新しい環境で子育てはちょっと不安だわ。一体、どこに転勤になるの?」
「大阪だ」
「大阪・・・。あなたはそれでいいの?」
「ああ、俺はお前やこの子にいい生活出来るなら、いくらでも頑張れる。俺が守るから来てくれないか?」
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「課長、この資料どうですか?」
「あ、ああ、見せてくれるかな?」
「課長って、東京出身だけあって標準語しか喋らへんよな」
「慣れへんわぁ」
「冗談も通じへん」
「あ、君。資料、大丈夫そうだよ」
「ありがとうございます」
「ところで、明日の会議資料だけどこっちは終わったのかな?」
「あー、すんまへん。この後、アポ入ってるんですよ」
「・・・わかった。資料は俺が作っておくよ」
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「あなた、最近帰りが遅いわね」
「ああ、すまない。仕事が多くてね。娘は寝ちゃったか?」
「もうとっくに寝てるわよ」
「そうだよな、、、お前ももう寝てくれ」
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「どないなっとんねん!」
「す、すんまへん、課長。間違えた資料送ったせいで営業先がカンカンで・・・」
「しゃーないなぁ。ワシもついてってやるで、しっかりしぃ」
「助かります、課長」
「気にすんなや、みんなワシが守ってやるで」
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「また飲んで帰ってきたの?」
「あー、そうや。悪いなぁ」
「お酒臭いから、娘には寄らないであげてね」
「しゃーないやろ。ワシだって飲みたくて飲んだわけじゃないんや」
「仕事だからでしょ・・・」
「そうやで」
「はぁ、関西弁・・・・似合ってないわよ」
「しゃーないやん・・・。お前らを守るためや」
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「五十嵐くん、君のチームの成績は過去最高をずっと塗り替えてて素晴らしいよ」
「ありがとうございます、支社長!」
「君の功績を評価して、部長にしようと思う」
「ほんまですか!?ありがとうございます」
「まぁ、突然の辞令で大阪だったからねぇ。子供もいたのに、良くここまで頑張ってくれたね」
「家族がおったから、頑張れたんやと思います」
「そうか、じゃあ帰ったら奥さんと子供に教えてあげるといい」
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「課長、すいません!」
「どないした?」
「取引相手が急に引き上げると・・・」
「何でや!?」
「競合にやられましたわ」
「あそこか。ほな、すぐ行くで!」
「ですが、アポ取ってませんが」
「アホか!向かいながらでも取れるやろ!?取れなくても、会社の前で待ってれば必ず会えるやろ?」
「は、はい!」
「任せとき!」
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「帰ったでぇー」
「あなた・・・・」
「すまん、今日も遅うなったわ。そや聞いてくれ、昇進したんや!」
「あの子が・・・」
「でもなぁまたトラブルがあったんやけど、何とかなったわ。最近相手にしてへんかった取引相手が手引く言うてたけど、しっかり話聞いたら納得してもらえたわぁ。お詫びって事で飲みに行ったんやけど、それで遅うなってしまったわ」
「・・・・」
「ところで娘はどうしたんや?」
「・・・・・」
「どこや?部屋にもおらんやんか」
「・・・・死んだのよ」
「え、何でや?」
「・・・死んだの、交通事故で」
「どうしてや!?嘘やろ・・・?」
「本当よ、私、あなたに何度も電話したのに、電源が入っていなかった。会社にもかけたけど外出して戻ってこないって・・・」
「そんな・・・ワシはお前らを守ろう思って・・・」
「あなたはいつも必要な時には側にいてくれなかったわ。あなたの守るは口だけなのよ」
「俺は・・・守りたかったんだ」
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影から別の男が現れる。
「残念だったな、守れなくて」
その男は五十嵐さんの背後に立つと首をナイフで掻っ切る。
「かはぁっ」
五十嵐さんは喉から血を吹き出し、倒れてしまう。
「おい、おっさん!」
「五十嵐さん!!」
一歩は何とか立ち上がると、五十嵐さんの元へとよろよろと向かう。
だが五十嵐さんは血を吹き出し続け、倒れたままだ。
魔王の影響で動けない二神はその様子を見ているしかなかった。
「くっ、興が削がれた。全く良い所で邪魔してくれる」
「あと二人はどうする?」
魔王は影から現れた男と会話をする。
「こいつらには手出しをさせぬ。それにこの勇者は見込みがある」
魔王は一歩を指を指しながら、影の男へと忠告を促す。
「・・・・良いだろう。我らの目的は達したからな」
影から現れた男は、魔王からの忠告を受けると音もなくまた姿を消してしまう。
「貴様、名前は?」
魔王は、五十嵐さんの死体にしがみつく一歩へと近づき名を尋ねる。
「一ツ橋一歩だ・・・!」
「覚えとくぞ。我は間壱 壱成。早く我に追いつけるように強くなるのだな」
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一旦、ここまでを一章にしようと思っています。
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