037_魔王襲来1
「壱成様、報告致します。敵は我らに気付いておらず、城の警備も手薄な状態です」
「そうか。仕掛けろ!」
「はっ!」
第1魔王 間壱 壱成は号令をかける。
「どうやらここまでは上手くいったね。帝国を懐柔した甲斐がある」
「しかしここまだ大軍を連れてく必要はあったのか」
「デモンストレーションさ。我が魔国も国である以上は魔王がいかに強いかを見せておく必要がある。その為に君にも協力してもらっているのだからな」
どこからか第3魔王 参賀 参珠の声が聞こえる。
「我は勇者の実力さえ知れれば良いのだ。雑魚を相手にしてもつまらぬからな」
間壱 壱成は腕を組み、モンスター達の大群を見据える。
モンスター達は、配下の魔族に扇動され遠くに見える、アスガルド王城へと向かっている。
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「て、敵襲~~!!!」
まだ空は暗いが遠くから朝日が顔を出そうとしている夜明け前。
見張りの兵士が大声を上げると警鐘を鳴らす。
何事かと思い、部屋から飛び出ると皆も同様に部屋から出ていた。
「敵が来たのか!?」
「一体どういう事!?」
二神と四恩がそれぞれと口を開く。
敵が来ているのは本当のようで、兵士が大慌てで迎撃の準備をしている。
近くにいた侍女を止め事情を聞く。
「ゆ、勇者様!敵が、、モンスターの大群が城へと攻めてきております!」
「はっ、ただのモンスターだろう。そんなの俺らが蹴散らしてやるよ」
「中には魔族もおり、魔国の旗を揚げております!魔王軍が攻めてきたのです!」
「魔王軍・・・、分かった。俺らみんなで迎撃に当たろう!騎士団長はどこに?」
「はっ、先ほど王の間へと報告に上がりましたのでそちらではないかと!」
「王の元へと行ってみるよ。ありがとう」
「ほんまですか、魔王軍て」
「ただ事じゃないみたいですし、魔国の旗を見たのなら間違いないでしょう。でも、そこまでの大群なら各国が気付いてもおかしくない。海路で攻めるのが一番だろうけど、大群ならば陸路を取るはず。しかしそうなら帝国を横断するしかないはずですが・・・」
「そんなことはどうでもいい!さっさと戦いに行くぞ!」
「まずは王様の元へ行くのでしょ?」
「行こう」
勇者達は早足で王の間へと向かう。
「おお、勇者殿!魔王軍が来ているのです!!」
「ええ、聞いています」
「敵の数はおよそ1,000!モンスターを中心に混成されておりますが、中には魔族もおります」
「1,000体・・・」
騎士団長が敵の情報を告げてくれる。
モンスターの数にさすがの勇者でも何人かは難色を示している。
「ははっ、いいじゃねぇか!やっと勇者らしくなってきたぜ!」
「ここで俺らが戦わなければ、王城は落とされてしまう。そうなれば俺らを助けてくれた王国は崩壊へと進んでしまう!」
一歩と二神が他の勇者を焚きつける。
「まぁ、そうやな。やらんとあかんな!」
「私もやるわ!」
「僕の魔法もどのくらい敵に通用するか試してみますよ」
「皆さんの足を引っ張らないようにがんばります」
「わ、私もがんばります!」
「俺と二神、五十嵐さんは最前線で戦おう。賢三と四恩さんは遠距離攻撃が出来るから城壁から頼む!六花ちゃんと七乃花はサポートをお願いできるか?」
「「は、はい!」」
「ちっ、やってやるよ!」
一歩が指示を出すが、二神は不満を声に出す。
他は一歩の指示に従い、移動を開始する。
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「はっ、なんだよ、雑魚じゃねぇか!」
モンスターであるブルホーンが突進をしてくる。
二神はブルホーンの突進を拳で殴り倒す。
オーク隊が攻めてくるが、一歩の剣術による斬り伏せられる。
「それでも数で攻めてきている!」
「雑魚相手だ!数で来ようが殲滅すればいいんだろうが!!」
一歩と二神は競うように次々とモンスター達を倒していく。
「そ、そうやな!気引き締めんと、怪我するで!」
大五のさんの固有スキル【絶対の守り】を発動させる。
「助かります、五十嵐殿!」
「安心せぃ、ここはワシが守るで!」
透明な壁に守られた五十嵐は部隊の突撃を防ぐ。
城壁には既に何体かモンスターが取り付いていたが、矢が次々と刺さり倒れていく。
矢を放っているのは四恩さんだ。
「いつ見ても、モンスターには慣れないわね。可愛げがないわ」
「まぁ、そういうものですからね。城門付近を一層します。反映の根源を司る風よ、汝は刈り取る刃とならん、ウィンドカッター!」
三上の風の魔法が無数の刃となって敵の大群を斬り裂く。
「少しは減りましたね」
城へと接近するモンスター達を見ると、四恩は弓を構え、三上は魔法の詠唱を再開する。
「この世界に生きる者よ、神のみ名において、神の創りしその器の傷を癒やさん、ヒール」
「ありがとうございます、勇者様」
「いえ気になさらないで下さい」
七乃花の回復魔法により、兵士たちの怪我が治る。
先程まで前線で戦って怪我をした者達が、床に並べられており七乃花は怪我の治療を行っていた。
治療された兵士達は七乃花に次々に感謝の言葉を述べる。
「それではお願いします」
六花の前には戦いで壊れた装備がずらりと並べている。
「私はこういう事しか出来ないから・・・」
「戦いは戦える者が行うものですよ。人間なら得手不得手はございます。かつての勇者様の中にも物を直したり作ったりするのに特化した方がいたとか」
「慰めてもらってありがとうございます。私は出来ることをします」
固有スキル【創造物の再生】
傷ついた装備達は新品同様に元に戻っていく。
「さすがでございます。こんな事はドワーフにも出来ないでしょう。誇って下さい」
「はい!」
「ははは、どうしたこんなものかよ!」
「結構数は減ったね!」
「ほ、ほんまでっか!?ワシもう結構限界や!」
勇者達の奮闘により、モンスターの数はかなり減らされていた。
「キサマが勇者か!?」
一歩達の前に現れたのは青白い肌をした人間…魔族達だった。
「はっ、ボスの登場ってわけか!」
二神は早々に魔族へと攻撃をしかける。
速攻の攻撃で一人を仕留め、すかさず次に相手を仕留めようとする。
「くそっ、さすがに強い!」
「俺もいるぞ!」
二神の攻撃を躱そうとした魔族の一人が一歩の攻撃で殺られる。
「君らは何故、王国を攻める!?」
「くっ、勇者め・・・!お前達がいれば我らは命を賭してでも殺しにいく!!」
「そうか、勇者がいればどこでも攻撃を仕掛けるわけか!?」
「ああ、そうだ!俺ら魔国には魔王さまがいる。魔王さまがいれば、人間どもに復讐できる!」
魔族は人間を、勇者の事を、憎々しげに話す。
「君らには悪いが、俺は勇者だ。王国を攻めるなら斬り伏せるまで!」
「おのれぇぇーーー!!」
魔族の恨みも虚しく、一歩の剣でその魔族は殺された。
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