026_Dランク試験結果
翌日、試験の結果を聞くため冒険者ギルドに集まる。
怪我が完治したエルクの姿を見た時は安心した。
エルクの姿を見た、パショネはエルクに抱きつきながら謝っていた。
気にしていないからとパショネに告げると、パショネはボロボロと泣いていた。
「さて、よく集まってくれた!」
ヒッグさんは相変わらずの大声で話を始める。
「今回の試験は、想定外の事が起きた!だが、再試験ではなく今回の事件も含めてギルド内で審査した結果を言う」
どうやら再試験という事ではなく、今回の試験はそのまま審査されたようだ。
審査の結果が書かれているだろう紙を取り出すと、ヒッグさんはそれを見ながら発言していく
「まずはパショネ!お前は周りを見ずに敵に突っ込んでいたな、敵や味方を顧みず突っ込んでいくのは無謀の一言だ!お前の初撃でパーティの運命が左右する!知性が低いモンスターだったから何とかなったかも知れんが、もしこれが知性の高いモンスターや魔族、または人間が相手だった場合、お前の初手の特攻でパーティは壊滅しているぞ」
初っ端からキツイお言葉がパショネに突き刺さる。
それを聞いたパショネは残念そうな顔をした後、顔を伏せてしまう。
「次はエルク!お前は周りを気にしすぎる!本来出来る事をおざなりにし、パーティによく見られようと行動していた!盾というのはパーティでの要!盾があるから後方支援が出来たり、敵に対して優勢に動ける。それを崩されるというのはパーティの崩壊を意味する!」
エルクも同様に手厳しい指摘により、ガッカリしてしまった。
「キュウル!魔法の扱いはすごいだろうが、魔法はあくまでもただの技術だ!人はそれらを扱う事ができて意味を成す。お前の魔法を使うためにパーティがあるのではない、パーティにはお前の魔法が必要なのだ!そこを履き違えるな!」
キュウルも残念という感じに項垂れてしまった。
「最後に、京!お前はこのバラバラのパーティを見事にまとめ、的確に指示を出し、リーダーとして振るう事が出来た…」
俺だけ違う反応に手応えを感じたが、すぐに勘違いだと気付かされる。
「だが!何故もっと早く指示を出せなかった?お前は結果を見てから、指示を出している。何故考えを皆に言わない?皆が信頼できないのか?」
「俺は・・・、不確定な事は言えないと思って」
「不確定か・・・。だがお前の考えを共有すれば、その不確定さは徐々に浮き彫りに確定へと近づくんじゃないのか?」
ヒッグさんはやたらと俺に絡んでくる。
「まぁ、、、いい。それで試験の結果だが」
俺も皆もそれぞれの指摘内容から合格を諦めている。
ヒッグさんは少し溜めた後に口を開く。
「合格だ」
「「「「え?」」」」
予想外の答えに俺も思わず、聞き返してしまった。
「合格?」
「ああ、そうだ、合格だ」
俺は信じられないといった表情をしていたのだろう。
受付嬢のティナさんがこちらを除くとニッコリと笑ってくれる。
そうか、、、合格か・・・。にしても辛辣な事を言うなとちょっとヒッグさんを恨んでしまう。
「しかもただの合格ではない。今回、かなりのモンスターを退けた事もあり、特別にギルドポイントを付与する」
「ギルドポイント?」
「Eランクまでは初級冒険者と言ったな。後で説明は受けるが、Dランク以上はギルドカードが渡され、報酬に応じてポイントが付与される」
「そんなものがあるのか・・・」
「また今回のオークジェネラル達の群れだが、、、、魔王軍のものだった」
「魔王軍!?」
「ああ、やつらの体の一部や武器にヨツンヘイムの紋章が刻まれていた。調査の目的もあり、すまないが素材やオークの武器とかはギルドで買い取らせてもらう事になる」
「構いませんよ」
槍は扱ってみたかったから欲しかったんだけど、魔王軍の物となれば別だろう。
しかしここに来て、魔王とは・・・何か縁みたいなものを感じざるを得なかった。
「それとハロルド商会から特別に報酬が渡されることになった。感謝状まで来ているぞ。絶望的な状況から荷物を守ってくれた事への感謝だそうだ」
「やった・・・、やったね、りーだー!」
「嬉しい…」
「リーダー、君のおかげだよ!」
「ああ、、、いや、みんなのおかげだ」
パショネは嬉し泣きをしており、キュウルも目に涙を貯めてたみたいだ。
エルクも顔には出さないようにはしているが、相当嬉しかったのか手が震えている。
「ゴホンッ、ではあとの説明はティナに任せる」
「分かりました、ギルド長。では説明に入る前にギルドカードとハロルド商会からの報酬を渡しましょう」
ティナさんはそう言うと一人ひとりにカードと袋を渡していく。
「カードの説明は長くなるので後にします。渡した袋ですが、これは魔法の袋です」
「えええ、魔法の袋!?」
エルクが大きく反応する。
何となく察しはついていたが、予想通り大きさ問わず袋に詰められる代物だった。
かなりの貴重品らしく、小さいものでもはかなりの価値らしい。
中身は30種類程入るとのこと。
「それで次にカードですが、これはギルドカードと呼ばれるものです。このカードを持つものは中級冒険者以上であり、これが冒険者の身分証代わりになります。人に盗られない事は絶対ですが、状況にもよりますが紛失など再発行が難しい場合があります」
「すいません、例えばモンスターに食べられたとかは?」
「その場合は再発行ですね。手数料も取られますし、前回登録した後に倒したモンスターの記録は消えますのでご注意下さい」
「前回登録したっていうのは、、、毎回登録するんですか?」
「ええ、そうなります。使いみちですが、今後依頼を受ける時も報告する時も必ずギルドカードを提出して下さい。依頼の達成やモンスターの討伐によりギルドポイントがギルドカードに付与されます」
「さきほど、ギルド長に言われたギルドポイントか」
「はい、ギルドポイントというのは、冒険者の実力を図るのと同時に累計ポイントによってランクアップ対象とするかを見ます」
「つまり、このポイントを貯めて、ランクアップをすると?」
「まあ、そうなるんですが、あくまでもランクアップ対象となるだけですね。次はCランクですから、Cランクに該当するまでポイントを貯めて試験を受けて頂き、合格になったらCランクとなります。ただしBランク以上はポイントを貯めるのと同時に冒険者ギルドに功績を認められて任命される形になります」
「なるほど」
「長くなりましたが、何か不明な点があればいつでも聞きに来て下さい。本来ならばギルドポイント0のカードを渡すのですが、今回は特別にオーク討伐による報酬として100P付与した状態になります」
「あ、最後に、Cランクになるにはどれくらい貯めれば良いのですか」
「1000Pです」
あと、10倍か・・・。
師匠との約束であるCランクへの到達まで、まだまだありそうだ。
「あと、魔王軍のオークということで強制的に買い取りになるのですが、後で換金致しますのでそれぞれ受付へとお越しください」
俺らはティナさんに言われた通り、倒したモンスターを報酬をそれぞれ受け取るのだった。
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