024_応援
小さい時だった。
よく親に家の用事だと言われ、何度か山奥にある村へと連れて行かれた。
そこには大きな屋敷があり、たくさんの人が集まって難しい話をしていたのを覚えている。
まだ小さかった俺は、大人達の話の内容は分からずつまらなかった。
親や大人達に見つからないよう、抜けだしては山の中を散策していた。
しばらくは見つかる度に怒られてはいたが、何度かやっているうちに怒られなくなった。
山の中は、どこかひんやりとしていて、都会では見られない植物や虫の宝庫だった。
俺は都会では得られない未知を探す冒険の旅が楽しみだった。
当時、世間の広さを知らない俺にとってはこの冒険ごっこが、大冒険に感じられた。
何度も山に出入りするうちにいつしか、この山は自分のものと勘違いするようになっていった。
今でもそうだが、油断した頃に事件は起きる。
その日もそうだった。
俺はいつもは行かない、山の奥に入っていた。
普段は、ここまでにしようという子供なりの境界線を立てていたのだがその時は破ってしまった。
何故なら何かの動物がそっちの境界線にいるのを見つけてしまったから。
たぬきかキツネか、、、、小さかった俺は好奇心を抑えられず普段入らない山の奥まで進んでしまった。
見知らぬ山の奥、しばらく進むと好奇心が薄れ始め次第に恐怖がじわりじわりと心の中を締めてくる。
そんな時にそれは俺の目の前に現れた。
小汚い・・・そんな印象を与える痩せた犬だった。
その犬は牙をちらつかせ、低い声で唸っている。
そこはその野犬の縄張りで、俺はその中に入ってしまっていた。
今にも噛み付いてきそうなその犬の目をじっと見ていた。
本能的に目を逸らしたら、襲い掛かってくる…そんな気がしたからだ。
何分経ったか分からない。
恐怖が体を支配し、指一本動かせず、犬から目を離せないそんな状況が続いていた。
「キャウン」
野犬が小さく悲鳴を上げる。
どうやら野犬は石をぶつけられたようだ。
石を投げた相手を見た野犬は、その場から立ち去っていった。
「大丈夫か、坊主」
そう声をかけられた時には、俺は大泣きをしていた。
次に気付いたのは助けてくれたこの男の人の背中だった。
特に怒鳴りつけるわけでもなく、優しく注意してくれた。
ああ、親父はこんな人だったな・・・。
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目を開けると、オークジェネラルは俺へ向けてハルバードを振るおうとしていた。
「グゥオオオオオ!!!!」
その時、背後からオークジェネラルが真っ二つに両断される。
「悪ぃ、待たせたな」
「遅いですよ、かわいい愛弟子が危うく死ぬところでしたよ」
「相変わらず可愛げのないやつだ」
本当に何となくだ、この人は来てくれるようなそんな気がしていた。
ハルエルさんがオークジェネラルを屠ると同時に、救助に来た冒険者パーティが残りのオークを一層する。
「よぅし、オークジェネラルはいない!残りを掃討するぞ!」
「「「オオオ!!」」」
冒険者達が次々にオーク達を始末していく。
「助かった・・・」
商隊員は安堵の声を次々と漏らす。
「だ、誰かエルクを!」
「私に任せて・・・、この世界に生きる者よ、神のみ名において、神の創りしその器の傷を癒やさん、ヒール!」
オークジェネラルによって、傷を負わされたエルクも無事に助かったみたいだ。
気付いたら、力が抜けダガーが手からこぼれる。
「ああ、拾わなくちゃ・・・・」
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「よっ、気付いたか、お前さん!」
「はぁ、相変わらず寝起きに顔を近づけるのをやめて下さいよ」
「ハハハ、そうまで悪態をつけるなら大丈夫だな。お前さん、魔力切れであんな無茶な動きを続けるからぶっ倒れたんだな」
「魔力切れ・・・。まぁ必死でしたからね。それでみんな無事なんですよね?」
「ああ、お前のパーティはみんな無事だ。疲れ果てて、ぐったりしてるがな」
「良かった、、、、みんな無事で」
「ただ、商隊の人は何人かなぁ・・・」
「そう・・・ですか」
「気休めかもしれんが、お前のせいじゃない。それにピエールも無事だ」
「ピエールさん!良かった・・・!」
かなり強く叩きつけられていたから気になっていたが、無事でよかった。
「で、昇格試験だが、オークジェネラルの群れの襲撃で滅茶苦茶になっちまったからなぁ、一旦中断だそうだ。どうするかはヒッグから聞かされるだろう」
「まぁ、そうですよね」
「あれ、ていうかここはどこですか?」
ベッドから見をよじって周りを見渡す。
どこかの宿屋のようだ。
「ソルトの街さ。あのまま、事態を収拾させた後、俺らでソルトの街へと商隊とお前さん方を送ったってわけさ」
「なるほど・・・」
あそこまで命をかけたんだ、商隊がどうなったかは気になっていた。
「まぁ、まだ体力も魔力も回復しとらん。とりあえず寝とけ」
「分かりました。何だか体が疲れきってて、早く寝たいと思ってたんですよ・・・」
こうして俺はまたすぐに眠ってしまった。
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