019_新技披露
「ふっふっふ、はっはっは。ついに、、、、ついに完成してしまった。これであのハゲに一矢報いる事が・・・・」
「声に出てるよ、りーだー・・・」
明け方近くまで技の開発に付き合わされ、パショネはぐったりしている。
護衛の任務もあるから回復薬をいくつかを渡しておく。
護衛依頼五日目。
この護衛任務の旅も佳境に入ってきた。
俺らはいつも通り、モンスターを警戒しながら馬車を護衛していく。
「みんな気を引き締めて!」
珍しくピエールさんが声を張り上げる。
「りーだー!オークだ!中級モンスターだよ!」
「オーク・・・ついに中級モンスターか」
今まではゴブリンやウィーウルフといった初級モンスターを相手にしていたが、この護衛任務が始まって初の中級モンスターだ。
「すまない、初撃は俺にやらせてくれ!」
「りーだー、アレを使うんだね!」
「ああ!」
俺は中級モンスターの実力を調べるのと、新技がどこまで通用するのか試したかった。
俺はダガーを手に持つ。
より速さを出せるように剣よりダガーを選択した。
オークへ向かって一直線に駆ける。
「ちょっとぉ、あれはまずいよぉ!オークは中級だ、一直線の攻撃なんか防がれる!」
ピエールさんは俺の無謀な突撃に声を上げる。
ピエールさんには悪いがもう止められない。
俺は魔力操作を使い、足に魔力を込めている。
昨日の新技開発で、魔力操作を使い身体の能力を上げることが出来る事を知った。
俺はすごい勢いで駆けると、オークの正面へとダガーを持って突っ込む。
オークはそんな単調な攻撃を見透かしてか、ニヤリと笑った気がする。
ここだと言わんばかりに、オークの持つ槍が横一閃に薙ぎ払われる。
ブンッ
「あぁぁ、そんな!君が死んだら、僕がハルエル様になんて言われるか!」
ピエールさんは俺がやられたものかと嘆き始めてしまう。
オークは槍に手応えがないことに疑問を感じる。
「残念、俺はここだ」
オークの足元から飛び上がり、ダガーで顔を斬りつける。
ザシュッ
「ブォォォ」
一撃を加えたら、今までの連携通り俺は離脱する。
「パショネ・キュウル!」
「りょーっかい!」
パショネの一撃からのキュウルの魔法が放たれる。
「ファイアーボール」
さすが中級モンスター、まだ倒れない。
「僕に任せて!」
エルクが前へ出る
「おおおお!」
エルクは大盾でオークを打ち上げて体制を崩させる。
「もう一撃!」
また魔力を足に込めてオークへと突っ込む。
「ブゥオオオオオ!」
オークも負けじと唸り声を張り上げながら、槍を振るう。
が、そこには俺はいない。
一閃。
「ブゥオオオ・・・」
バタンッ!!
オークが倒れる。
「いやー、すごいねー、りーだー!」
「これが中級かぁ、手強かったけど今の僕らだったら無事に対処できたね」
「想定通り」
初めての中級モンスター相手にみんなは感想を述べ合う。
これまでの道中、敵も多かったせいか皆レベルを果たし、各自のスキル・連携も強化されていた。
「いやいやいやいや、ちょ、なぁにぃ、あれぇ。あんなの初めてみたよぉ!」
ピエールさんは目を丸くして驚いている。
「昨日、開発しました技です」
誇らしげに胸を張って答える。
「え、えぇ、技なのは分かるけど、あんな高等な技は初級の域から外れてるよぉ」
「そうなんですか、、、まあ、実戦で初めて使えたし良かったです。」
「何かやるとは思ってたけどぉ、まさか初めて開発した技で初めて中級モンスターで使うなんて前代未聞だよぉ。もし失敗でもしてたら、減点もありえたよぉ。」
「りーだー、その辺も想定してたよ?」
「えぇ、そうなのかい?」
「リーダーは受け身スキルを持ってるから、技が上手く行かなかったらわざとふっ飛ばされるから、それをオトリに次をいれてくれって指示でした。」
「いやいやぁ、そこまで考えていたとはぁ・・・」
ピエールさんは何だか納得行かないような感じでいた。
この後、オークを含め何度か戦いになりながら、商隊はソルトの街へと進んでいった。
かなりの頻度でモンスターが出現はしていたが、新技の成功に個々のレベルアップを実感をしていた。
気づかない間に俺らはすっかり慢心をしてしまった。
「ピエールさん、まだ納得いかないんですか?」
「あぁ、違うよぉ、ちょっと気になってねぇ。」
神妙な面持ちのピエールさんにパショネが聞く。
「敵の数が多すぎる・・・。普段はここまで多くはないんだけどねぇ。」
「私らの商隊もよくこの街道は使うのですが、今回の旅はやけにモンスターとの遭遇が多すぎる気がしますよ」
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