012_アスガルド王国での日常
勢い良く放たれた二神の拳が、一歩へと迫る。
一歩は拳を見切ると、体の軸をずらしそれを躱す。
拳を戻そうとする二神が体制を整える前に、一歩は木剣で脇を斬り上げる。
「ぐぁっ!!・・・まだだ!もう一回だ!」
木剣の一撃をもらった二神は、脇を押さえながら声を荒げて一歩へと言う。
「いや、二神の体力は限界だ。それにこれは修行だから、怪我をするまでやるのは意味が無いよ」
二神の様子を見た、一歩は二神にそう答える。
「相変わらずやなぁ。二神さんの気迫には感服しますわ」
「ねぇ、おっちゃんはやらないの?」
「ワシは守りの要や。無駄に動きまわるよ、拠点でドーンと構えて守るのが仕事やで」
一歩と二神の様子を見ると感心感心と言わんばかり五十嵐がそう話す。
六花は五十嵐へと懐いてるのか、楽しそうに五十嵐の話を拾ってそう話していた。
「お見事です、四恩様。弓の扱いはほぼ完璧ですね」
「いいえ、おそらくこんなものじゃダメでしょう。伝承によれば魔王はこんなものではないと」
四恩は弓の扱いに長けた女性騎士から、弓の手ほどきを受けている。
来るべき魔王との戦いに備えてるのか奢らないよう自らに言い聞かせるように四恩は女性騎士へとそう話す。
「ふむ、ちょっと魔力を込めすぎですな、賢三。繊細な魔力コントロールもまた魔法を上手く使うコツの一つですぞ」
「たしかに、中々難しいね。けど、僕は魔法を極めたい。だから老師、勇者だからといって甘くしないでくれると助かるよ」
三上は王国内の魔法使いであり、老師と呼ばれる程の実力者から魔法を学んでいた。
王国では各勇者達が、それぞれに自分に合った修行を行っている。
騎士団長が実力が身についたと判断したら、騎士団から討伐隊を編成し勇者と共に近隣のモンスター討伐へと向かう予定となっている。
皆一様にモンスターとの戦いに備え、己を鍛えようと必死に修行を行っていた。
王国内の一室では皆修行を行っている中、一人だけ部屋の中から皆の修行の様子を伺っていた。
「七乃花さん、少しは落ち着いたかしら」
「ああ、アンナ姫。それで、8人目の勇者は見つかりましたか?」
「ごめんなさい、七乃花さん。まだ見つかったっていう報告はもらってないわ。それにしてもどうして、8人目の勇者様にこだわるのかしら」
「そう、、ですね。似ているんですよ。わたしの…」
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