117_二神
「くそっ、くそっ!!」
俺は次々と来る敵を殴り飛ばしたり、胸倉を掴んでは投げ飛ばす。
何発か痛いのをもらうが、構わず相手を潰していく。
「くそっ、覚えておけよ二神っ!!」
「ははっ!覚えておくのはてめーらだ!二度と俺や仲間に手出しするんじゃねぇ!!」
俺は敵を倒した事を仲間に報告しに行く。
「まじか!ありがとう、二神!」
「あぁ、気にするな、仲間だろ?お前がやられたなら俺が借りを返すからよ!」
俺は仲間が因縁をつけられたのを聞いてそいつらをぶっ飛ばしておいた。
昔っから、喧嘩だけには自信があり荒事には慣れていた。
気付けば周りには仲間がたくさんいて、俺のことを慕ってくれていた。
だから俺はそいつらの為に、因縁を吹っかけてくる相手を倒していった。
「二神、頼むよ!またあいつらをぶっ倒してくれよ?」
「ああ、いいぜ。仲間の為なら体張ってやるよ」
俺が成人したが、頭も良くなければ学校も途中で辞めてしまった俺は定職に就けてなんかいなかった。
仲間達も同じく仕事になんか就いていなかったが、何かしらで生活はしてるようだった。
俺はそいつらから、世話になってるからって言われてたまに生活費をもらったりしていた。
ぶっ倒す相手の中にはやばそうな奴が中にもいたりしたが、気にしなかった。
「二瓶!来なさい!」
ある日、母親に呼び出され玄関まで行くと見知らぬおっさん達が家にぞろぞろとやってきていた。
「あ?何だ、あんたら?」
「警察だ。来てもらうぞ?」
俺は良く分からないまま、警察に連行されてしまった。
きっといつもの喧嘩についてだろうと思っていた。
最悪、訴えられたとしても傷害程度だ、大したことはないだろう。
「は?麻薬?」
俺は全く見に覚えのない事を言われた。
「そうだ、お前が麻薬取引に関与している事は分かってる。お前の仲間からも供述を取ったしな」
「仲間?おい、どういうことだよ!!」
何が起きたか分からなかった、俺はその仲間とやらにあって話を聞きたかった。
「おい、暴れるな!!」
暴れる俺を警官達に取り押さえられる。
少し落ち着いた頃に俺の知ってる顔の奴が、取調室に連れてこられる。
「てめぇ!!」
「二神、お前は本当にめでたい奴だな」
「麻薬取引だなんて、どういう事だ!?」
「金を稼ぐ為に決まってるだろ?お前が邪魔な奴は大体ぶっ飛ばしてくれたから商売しやすかったぜ」
「金だと!?俺はお前が仲間だと思って!」
「仲間・・・。そう思ってるのはお前だけだぜ。大したことも出来ないのにお前がやるのは人を殴る事だけだ。そんな奴に誰が仲間だと感じるかよ」
「裏切ったって事か!!!」
「裏切る?勘違いするなよ、利用してたんだ。その変わりにお前は金を受け取ってただろうが!」
確かに俺は金を受け取っていた。
それは麻薬取引の報酬だったという事だ。
「何も知らなかったのはお前だけだ!」
「くそがぁぁっ!!!」
またしても俺は警官に押さえつけられる。
「ここまでだ。もういい、留置所へ戻せ!」
そういうと俺は留置所へと入れられた。
俺は仲間だと思っていた奴らに裏切られた。
いやあいつの言葉を用いるなら、最初から仲間じゃなかったんだ。
「くそっ、くそっ・・・・!」
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