116_暗躍
「くそっ!!!」
二神はふてぶてしく、そう言い放ち帝国本陣の椅子へ座る。
大臣を含め貴族たちは二神の荒ぶる様子を見て、我先にとその場から逃げ出す。
先ほど、正式に帝国から停戦宣言され、それが受理された。
「くそ!!三上、あいつは俺を騙してやがったのか!!それに一歩の野郎!!」
二神は包帯が巻かれた右手で、目の前の机を叩く。
机はひび割れ、叩いた右手は包帯が赤く滲む。
「し、失礼します!」
「あぁん!?」
怯えた声で訪問を告げると中に人が入ってくる。
一人はどっかで見たことがある男。
そしてもう一人はフードを被った女。
「誰だ、てめぇは!?」
「す、すいません、わたくしはオセ伯爵です」
「オセ?ああ、そんな奴もいたか。何の用だ?それにその女は?」
オセ伯爵は二神のその姿をみて、怯えている。
その姿に呆れたのか、隣にいた女が一歩前へ出る。
女は丁寧にお辞儀をする。
「これは失礼致しました、皇帝陛下。私はあなた様の疲れを癒やしに来たのです」
「ちっ、そういう事かよ。今は女を抱く気にはなれん、さっさと消えろ」
貴族達のおべっかだろう、女性をあてがい怒りを沈めさせたいのだ。
それに嫌気がし、早くこの場から去るように促す。
だが、女性は二神へと近づく。
「聞こえなかったのか、消えろ!」
「ご安心を、安らかな眠りへとご案内致します」
そういうと女は何かを出し、二神へと向かう。
「なっ!!」
その何かは繋がれた刃だ。
咄嗟の事で防御が間に合わず、刃は二神の心臓を貫く。
「て、、、てめぇ!!!」
二神は最後の力を振り絞り、その女へ黒い雷と共に拳を振り下ろす。
女は避けもせず、直撃し叩き潰される。
「・・・・くそが」
女を殺したことに安心し、力を失っていく。
「残念ね」
見上げると、無傷の女性が立っている。
「・・・何?」
「【弐審】。私の固有スキルの一つ。どんな攻撃でも二回だけ無かった事に出来るの」
「魔王・・・」
二神は倒れこみ、そのまま息絶える。
ピロン
第2勇者が討たれました。
討伐した第2魔王にステータスと固有スキルが分配されます。
「ほほほほほほ!!やったわぁ!!ついに勇者を殺したのよ!!」
第2魔王は、勇者を殺害したことに喜び跳びはねる。
「お、おめでとうございます、巳狗弐様!!」
「ふふふ、使えない駒だとは思ったけど、やるじゃないの。褒めてあげるわ!」
「あぁぁ、ありがとうございます!!」
オセ伯爵は巳狗弐に褒められ喜んでいる。
「さて、じゃあ悪いけど私はここを去るわ。後はあなたがこいつを殺した事にして頂戴。後は、別の駒を用意してあるから、そっちの方で帝国を奪うわ」
「そんな!!私は貴方が好きで!」
魔王は指を鳴らす。
「な、、、これは!!貴様がこれを!?どういう事だ!!私は、お前に従って・・・!」
指を鳴らすと、オセ伯爵にかけていた【弐心】が解かれる。
「まぁ、そういう事だから。じゃあね」
第2魔王は取り乱している、オセ伯爵を残し本陣を出て行く。
しばらくすると騒ぎを聞きつけた衛兵にオセ伯爵は囚われた。
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