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111_最期の力

「お待たせしました、京さん」

「六花・・・?」

そこには六花の姿をしたゴーレムが立っていた。


「ほぉ、先ほどのゴーレム使いか」

「私が相手をします!」

「余程の自信だ。いいだろう!」

魔王はまた威圧感を上げる。

魔王は六花へと接近すると重い一撃を放つ。


「六花!」

「大丈夫!」

六花は片手で受け止める。

あの重い一撃を片手で止めた。


「つくづく勇者は我を愉しませてくれる!」

魔王は距離を取る。


「その体、ただの見せかけではないな。SPを使い作り上げたその体に魂を移したか」

「そう、これが私のとっておき!」

六花は固有スキルで戦えるゴーレムボディを作り、そのゴーレムへと自らの魂を移した。


六花と魔王の死闘が繰り広げられる。

六花の体は全身がミスリルいやそれ以上の硬度を誇っている。

魔王の攻撃は当たれど、傷をつける事が出来ない。


「厄介な体だ!」

魔王は間合を詰め、剣を振るう。

六花はそれを両手で防ぐ。

しかし、その攻撃は斬るというより叩きつける。


「きゃあっ!」

そのまま後ろへと飛ばされる。

だが体を反転させ、足からジェット噴射を吹き出し体制を立て直す。


「まだまだ!」

そのままの勢いで魔王へと殴りかかる。


「くっ、まるでロボットのようだな!」

魔王は長剣で防ぐ。


「これはどうです!?」

「おのれぇっ!」

六花は掌からエネルギーの塊を発射する。

何発何発も撃ち込み、魔王のいた場所は土煙があがる。


「すごい、、、魔王を倒したのか?」

土煙が徐々に晴れていく。

そこには健在な魔王の姿が。


「そんなっ!」

「ふふふ、いいぞ小娘!だが我を倒すには至らなかったな」

魔王はSPをさらに体へと纏う。


「なんて力なの・・・」

六花はまたもや掌からエネルギー弾を放つ。

だが魔王はそれを躱し、または剣で弾きながら近づく。


「こいつはどうだ?」

先程と同じく斬りかかる。

だが威力が違う。


「きゃあああ!」

六花は左腕で防ぐが、腕にヒビが入り折れる。

六花の左腕はボトリと落ちる。


「なんていう破壊力なの」

「見事だ、小娘。我もここまでSPを使うとは思っていなかった。奮闘したようだが終わりは近いぞ」

「私はあなたなんかに負けません!みんなを守るんです!」

「その意気込み、自らを奮い立たせるか。死ぬ気でがんばれ。我は無慈悲な暴力そのものだ。ここで戦わねば、大事な物を失う事になるぞ?」

「いやだ!あなたなんかに優しいみんなを殺させない!」

六花はジェット噴射で加速する。

右腕にSPを溜め、殴りに行く。


「如何に優れた肉体と言えど、それを使う技量がなければ十全な力は出せんぞ」

「やってみなくちゃ分からない!」

拳と剣が衝突する。

ものすごい音と衝撃が流れてくる。


「そんなそんなっ!!」

きっとそれが自らの体なら涙を流していたに違いない。

ゴーレムの体では涙を流すなどそんな機能はなかった。

六花の右腕は粉々に砕け、両腕をなくした無残な姿となっている。


「両腕がなければ、闘う事はできないな?」

「いや!いや!!いやーーー!!」

六花はそれでも前へ進んだ。

ジェットで加速し飛び上がる。

そして体を回転させると足を突き出し魔王へと向かう。

蹴りで決着をつけようと、残りのSPを振り分けていた。


「はぁっ!」

魔王もやられまいとSPを溜める。


「これで終いだっ!!!」

溜めたSPを魔王は剣に乗せ、振るう。

衝撃波と共に放たれ、六花の蹴りとぶつかる。

それは今まで見た事もない凄まじい威力で。


ゴオゥ


衝撃波が収まると決着はついていた。

決着を掛けた、互いの渾身の一撃は魔王の勝利に終わった。

六花は蹴った脚を粉々にされ、もう立つ事も出来ない。

全身にヒビが入り、少しでも動けばその金属製の体は割れてその命を散らしてしまうだろう。


「六花!!」

俺は必死に叫ぶ。

六花は顔をだけをこちらに向けるが喋る気力もないのだろう。


「見事だ、我の剣も今のでヒビが入ったぞ」

魔王は六花へと近づき止めを刺そうとする。


「やめろ!もう勝負はついたはずだ!」

「勝負?何か勘違いしているな8の勇者よ」

魔王はそれでも歩みを止めない。


「やめろぉぉぉ!!」

俺は叫びながら、体を起こし魔王を止める為、歩き出す。

だが傷ついた体では、魔王へ到達する前に六花は殺されるだろう。


「6の勇者よ、見事だった。我の糧となり、共に世界を見届けようぞ」

「・・・・・」

六花は魔王へと何かを告げるが俺のところまでは聞こえない。


「いいだろう、約束しよう」

魔王は長剣で六花に止めを刺した。


「六花!!」


ピロン

第6勇者が討たれました。

討伐した第1魔王にステータスと固有スキルが分配されます。


無慈悲にシステムメッセージだけが響く。

俺は傷ついた右腕に構う事なく剣を再び握りしめ、魔王へと斬りかかる。


「貴様ぁぁぉっ!!!」

魔王は簡単に攻撃を躱すと、長剣で俺を斬りつける。


「あああ!!」

俺は斬られた衝撃で軽く飛ばされ倒れこむ。


「案ずるな、浅く斬っただけだ」

「・・・くそ」

体に力が入らない。

このままでは殺られてしまう。


「貴様に、小僧は殺らせないネ」

「命をかけてでも、私は勇者を守りましょう」

賢者とアキームが、魔王の前へと立ち塞がる。

魔王は二人を見ると軽く微笑む。


「いいだろう、見逃してやる。我の用も達したからな」

魔王は長剣をしまい、帰ろうとする。


「必ず!必ず貴様を殺してやる!!」

「良いぞ、京八!我を殺す、その時までにもっと強くなるのだ!!」

俺は憎しみの篭った眼差しで魔王を捉えていたが、魔王の姿は徐々に遠くなっていった。

お読み頂き、ありがとうございます。

毎日22時に更新を予定しております。


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