表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/119

100_アキームと修行

「部屋に入るヨ、小僧」

「おいおい、入ると同時に言うな」

「何だ、思ったより元気そうネ」

「はぁ、そう見えるか」

「まぁ、それはいいネ。ちょっとついてくるアル」

インド人・・・、アキームはそういうと部屋の外に出る。

やれやれと溜息を吐きながら、ついていく。

また神都の案内かと思っていたが、アキームは街の外に出る。


「おいおい、嫌な予感しかしないんだが。前みたく、強制的に命令を効かすのか?」

「安心するネ。あの呪いの紙はもう持っていないヨ。あれは中々なレアな一品。旅の最中に偶然手にしただけアル」

そうは言われたものの、不安は払拭出来ない。

ちょっと待てと言われ、しばらく待つ。

遠くから何かの雄叫びが聞こえ、徐々にこちらへと近づいてくる。


「じゃあ、そういう事でこいつと闘うアル」

「え?」

茂みから大きな熊みたいなモンスターが出現した。


「タイラントベア。位置付けとしてはBランクのモンスターヨ。冬眠中なのを叩き起こしたからかなり怒ってるネ」

「くそっ、やっぱりこうなるんじゃないか」

回復してから、久しぶりの実戦だ。

しかも武器がナイフ一本しか持っていない。

タイラントベアが地面を叩きつける。

叩きつけられた地面は土煙を上げ粉々になる。


「相変わらず、あんたはヤバいことを!」

「まぁ体を動かすのが一番ネ。もやもやした気持ちも汗と一緒に流せば忘れるネ」

全くこういう達人クラスの手合いはそういう事しか考えないのか。

俺はナイフで戦おうと思ったが、アキームの手前素手で戦う事にする。

とはいえ左手は龍の呪いのせいで使える気はしない。


「やはりその手が問題ネ」

一生このままだと、俺は片手で戦わないとならない。

タイラントベアは容赦なく攻撃を繰り広げていく。

師匠のおかげで気を読む事が出来る俺は難なく躱していく。


「ふぅむ、かなり腕を上げたネ。もっと手こずらせようと思ったアルが」

全くこのインド人は師匠以上のスパルタだ。

俺はタイラントベア相手に苦戦していなかったが、片手では致命傷を与えられずにいた。


「ちっ、タフだな!」

片手ではあるが穿つ拳を何度かお見舞いしている。


「もう一度!」

タイラントベアの横に周り、もう一発お見舞いする。

だが、俺の拳はめり込んで抜けない。


「なっ!」

何度も同じ攻撃のせいで対策を取られてしまった。

やっと拳を引き抜くと、タイラントベアは振り向き腕を振りかぶっていた。


「くそっ、間に合わない!」

おれはどうせならと思い、使えない左手で防ぐ。

鈍い音がした。

てっきり俺の左手が駄目になったと思っていたが、予想外に怯んだのはタイラントベアだった。


「硬さは龍並みって事か!」

物は試しと、左手に魔力を込める。


「何だ、これは!!!」

《ユウシャメ、、、ワレヲメッシタツモリカ》

龍の怨みの声が聞こえる。

こいつはまだ生きているというのか。

俺が呪いの声で思わず膝をついた瞬間にタイラントベアが再び攻撃をしかける。

俺は左手の魔力を消し、左手で防ぐ。


「龍が大人しくなった?」

声が消えた。

攻撃に絶対の自信を持つタイラントベアは二度も攻撃を防がれ、許すまじといった具合に俺を睨みつけている。


「またやってみるか」

俺はタイラントベアへと駆け出し、再度左手に魔力を込める。


《ユウシャメ!》

また呪いの声がする。

だが、痺れる様な感覚だが左手が動かせる。


「これなら!」

俺は左手でタイラントベアを叩きつけるように殴る。


「グォオオオ!」

そして蹴りを入れ、タイラントベアが屈んだ瞬間に踏みつけ飛ぶ。

ナイフを取り出し、脳天めがけ突き刺す。


「ギャオォォ・・・」

タイラントベアは大声を上げたが、徐々に静かになり息を引き取る。


「小僧、左手使えたアルか?」

「うーん、使えたというか、使ったというか。どうやら俺が殺した龍は俺に取り憑いていてまだ左手にいた」

「龍が取り憑く!?」

「あぁ、魔力を込めたら呪いの声がした。代わりに弱冠だが左手を動かせた」

「呪いとは、、、常人には呪いの声など聞けば卒倒してしまう程の効力があるネ。何で耐えられるカ?」

「知らないよ。まぁ前にもこの呪われたマフラーでもあったが問題なかった」

とにかくこれで戦いの活路は見えた。

普段は盾代わりに左手を使い、いざという時は魔力を込め殴りつける。

龍の声がうるさい以上は左手での武器の扱いは無理そうだ。

アキームに強引に連れ出されたのは不快だったが、実際戦ってる時は余計な事を考えずに済んだ。

俺はそこには感謝を感じた。

野暮ったく、一言ありがとうだけを伝えた。

・・・その後にタイラントベアを群れで連れてきた時には腹を立てた。

お読み頂き、ありがとうございます。

毎日22時に更新を予定しております。


感想・レビューお待ちしております。

誤字・脱字も報告頂けましたら対応致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ