表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/8

第一章 屋上からのプロローグ その弐

誤字、脱字、気になる点などあればご指摘の程よろしくお願い致します。

では本編をお楽しみ下さい。


 「清正悪い一旦ストップ!」


 「わかったわかったって!涼も一旦離れろおっさんが抱きついてたらキモいだろ」


 (確かに)と思いながら清正から離れ、彼女が消えていないか確認するように顔を向ける。


 「良かったぁ…消えてない」


 危なかった。あのまま清正が『ハイチーズ』と言っていたら彼女は消えてしまっていただろう。


 「あっあの!私は…私は未来で死んでしまう涼さんを助ける為に来たんです…だと思います、そうだと思います!それだけはわかるから…」


 必死に訴えかけるように彼女は俺と清正を見つめて言った。

 清正がタバコを一息吸ってそれに返す。


 「未来からねぇーちょっと、話しが飛んでるんだが、涼は心当たりとかあるのかい?」


 俺は清正に、彼女とは初対面である事、彼女が先程俺に教えてくれた、死ぬ直前までの記憶が無い事、未来で俺が死ぬ事、彼女が死んで未来から飛んで来たことなど一通り説明した。

 それを聞いた清正がタバコを消し、彼女を片目で見つめながら口を開く。


 「まぁ無くは無い話ではあるが、有ってしまうとすごく面倒臭いんだよねぇこの状況。四回結線が揺らぐ程の事態だし、俺一人の問題じゃ無くなってきちゃうんだけどさ、あんまり面倒事は避けたいんだが、そうはいかないみたいかっ」


 清正はそういうと隣のビルの屋上に片目を向けて、少しの間を置いてから片目で俺を見おろした。


 「涼はどうしたいんだい」


 「彼女を助けてあげたい?ごめん上手く説明できないけど…もう少し話を聞きたい」


 既に死んでしまってるのに助けると言う言葉はちょっと違う気がするが、彼女からもう少し話しを聞きたい、それに俺がこの先死ぬというのが本当にあり得るというのか?もし本当で確信的な物があるとすれば事情が大きく変わる。そんな俺の心情を探るように清正が答える。


 「まぁ涼はそう言うよなぁ…そんじゃそこの彼女、保護対象で。それでいいよなぁー!淀家よどけのおっさーん!!」


 「また勝手な事を清正様!!」隣のビルの屋上から怒声が響く。屋上であぐらをかき、明らかにキレている顔をしているのは五十代程で体格の良い男性である。その周りを二十名ほど赤装束の集団が囲うようにこちらを向き立っている。その集団は赤い布で目を隠し何とも異様な雰囲気を漂わしていた。


 「まぁまぁ落ち着いてよ、この件は五大五公家統括権限のもと、安倍家が引き受けるからさぁ!」


 「そう簡単に言われても困るのぅ、これだけの四回結線の揺らぎなど清正様が生まれた時以来ですので、それにここは我ら五公家の淀家が領土、四回結線の縛りも我らが請け負っているのだ、せめてそのお嬢さん一日だけ貸してくれんかのぅ、話しを聞くだけだ」


 「ごめん、無理!何か友人の命かかってるみたいだからぁ」


 清正はそう言うと片目で俺にウィンクをする。ただこの状況はまずいんじゃないか、絶対あのおじさんキレてるし、ただで帰してくれるのか?


 「さっきから勝手な事ぬかしおってからに、清正様この件ありのまま我が当主に持ち帰るが構わないかな?場合によっては協定違反とみなし、力づくでの行使になるが…」


 「いいよっなんなら今ここでやっちゃおうか……顕現けんげんせよ天乃矛杖あまのほこづえ


 清正が手を伸ばし目の前の空間から白く眩いほどに光る何かを引き抜こうとしている。辺りが一瞬で光に照らされる。


 「なっ!天乃矛杖だとぅ!?ったく少しは躊躇せんかいこの若造が…わかったわかった!今ここで清正様とやりやう程まだ頭は老いておらんわ。だがその女霊から発せられている陽気は何とかせねば、まだ四回結線が揺らいでおるわ。しかしこれほどの陽気…一体その女霊は何者だ。ひずみが生じたら面倒極まりないぞ」


 「何者なのかは俺が知りたいんだけどね、まぁ確かにこの陽気はよろしくないね、うーんよしお嬢さんとりあえずこっち来て」


 「えっはい」急に呼ばれ慌てたように彼女は清正に近づく。


 「とりあえず涼の腕時計、それ、憑代よりしろにしよっか」


 「できんのそんな事?」思わず俺は聞いてしまう。


 「簡単簡単、お嬢さん手貸して」


 戸惑いながら伸ばす彼女の手を清正が握る。清正のもう片方の手、人差し指、中指が俺の時計の文字盤表面に触れる。


 「じゃっ行くよっ!けつっ!」


 その瞬間、彼女は消えた。そして五秒程間が空き時計から声が発せられる。


 「えっ、あっ、あー!聞こえますかぁ!私です涼さん聞こえますかぁ?」


 「喋った!聞こえる聞こえるよ」


 「はぁ…良かった、死んだかと思った。あっ死んでるんだっけ、まっ良かったです」


 もしかして彼女は天然なのかなと思いながら、本当に憑依した事がわかり、俺は唖然にとられながら清正に顔を向ける。


 「うまくいったね、陰気で補強した腕時計もうまく器として機能してるし、お嬢さんの陽気も安定してる、揺らぎも収まったみたいだねぇ。そんじゃっ淀家のおっさん!いいよね!これでぇ!」


 「良くはねぇが…もう落とし所がここしかねーだろが清正様…ったくあのくそじじぃはどんな教育してやがんだか、あんな陽気の量、憑代に移すなんて誰がそんな簡単にできるかぁ、ガキが、馬鹿にしよって。なんて報告すりゃいいのやら、こりゃ帰ったら当主にこっ酷く怒られそうだわい、参った参った」


 最後にボソボソ小声で文句を言ったあと、隣のビルにいた、清正が淀家のおっさんって言ってた人と赤装束の集団は一瞬で消えた。俺はこの時、これ絶対面倒くさい事になるだろうとはっきりわかった。


 

次回更新日は本職の都合上未定となっております。

時間をつくってなるべく早く更新したいと思っております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ