↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンケート  作者: 菊池まりな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/104

第38話 招集

「この映像をご覧ください」




有栖川玲の合図とともに、巨大スクリーンが静かに点灯し、かすかなノイズ音とともに一つの映像が始まった。そこには、LAPISの内部と思われる空間が映し出されていた。無機質な壁。無人のカプセル。そして、ホログラムのような光の輪が幾重にも重なる中央制御台。




《Revelation system standby. Awaiting subject authorization…》




女性の電子音声が淡々と響く。美佳の背筋に、冷たいものが走った。




「LAPISが進めている再構築プログラム……それを、我々は“啓示計画(プロジェクト・レヴェレーション)”と呼んでいます」




玲の声は、まるでプレゼンのように滑らかだった。けれども、その内容は、すべての出席者にとって非現実的で、そして危険に満ちていた。




「藍都学園都市に点在する複数の実験施設で、選ばれた“適合者”による意識・記憶の統合実験が進行中です。目的はただ一つ。世界の分断を超え、究極のシンクロナイズを実現すること」




ざわつく会場。困惑と不安、そして一部には興奮すら見えた。誰もが理解していた。この“裏同窓会”は、ただの再会の場ではない。“選抜”の場だったのだと。




「このプロジェクトに賛同する方は、席に残ってください。拒否する方は、右奥のドアより退出を——」




言い終えるより早く、数人が立ち上がり、右奥のドアへと向かった。けれど——。




ガシャ。




ドアは、開かなかった。エラー音。赤く点滅するセンサー。係員すらいない。




「な……何これ、開かないじゃない!」




「嘘だろ!? 戻れないのか!?」




美佳も立ち上がろうとしたその時、隣の純が彼女の手をそっと掴んだ。




「美佳……見ろ。これは最初から、退席など許されない“儀式”だ」




映像が切り替わる。画面には、参加者それぞれの顔写真と識別番号が表示され、画面右下には“Synchronization Index”と記されたバーが伸びていく。




「選ばれてしまった……私たち、全員」




美佳の胸が締め付けられる。これは再構築でも、実験でもない。“支配”だ。意識の、記憶の、存在の——。




「……もう、戻れないの?」




美佳の問いに、玲が静かに頷いた。




「そう。これは、新しい“自我”の夜明けです。ようこそ、プロジェクト・レヴェレーションへ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。