file.last-4 崩れた電子音
前回のあらすじ
負傷人の救助と二人の捜索者の使命を果たすためにかだんとからん、そしてジランが行動する。救助の最中元フェルヴェーレングの宵の尖兵たちの襲撃を受けるがこれをいなし、ジランに何かしらの情報が伝えられた。その後剣呑と出会った3人はかなり負傷した渡部と無事だったキサラをそれぞれ送り届ける。そして更に救助を進めていたところ、ジランの弟フラスコが春咲を自身の力で救っていたため、そこに向かって無事に妹達毎保護することができたのだった…
句崇刃「なるほど…キサラも春咲さんも見つかったかよかった無事で…」
胤波「キサラ君は君の元に向かう準備をしていて、春ちゃんは今私の元に来たからサポートしてもらうつもりだ」
句崇刃「にしても崩れたタワーで電子機器系統が全てイカれてるから階段とか瓦礫を登らなきゃいけないのが辛いな…」
胤波「君なら大丈夫だろう…こっちでも最適なルートは考えてるからもう少し待っててくれ…」
春咲「頑張ってるわね〜句崇刃君、ほんとは手伝ってあげたいところだけど…」
句崇刃「春咲さんはそっちの方を手伝ってあげてください…」
既に駐屯地とかした胤波のいる場所は比較的元気な人が負傷者の様子を見つつ、場所を教えてもらったフラスコとそれに協力する人が食事を提供している状況だ
春咲「そうするわね…樫肯ちゃんは句崇刃君を助けてあげてね」
胤波「そうだな….彼に頼りっぱなしですまないと思う分の働きはしよう」
そうして通信には2人だけが残ることになった…
胤波「……少し、昔の話をしていいか?」
句崇刃「急にどうしたんだ…まあ厄介なことに敵の本元まではまだ時間がかかりそうだからいいけども…」
胤波「さっき私の両親は私が早くのうちに亡くなったというのは聞いているな?」
句崇刃「まあな…それが何かあるのか?この事件に関係あるとかいうわけでもあるまいしな」
胤波「鋭いな…私の両親は今の私のような仕事をしていたり、ときには研究員として区をよりよくするために奔走していたみたいだ…」
句崇刃「胤波さんのような仕事をしていて大事になるのはほとんどないとは思うが…研究員としても働いていたならそっちで何か起こってしまった可能性はあるか…」
胤波「そうなんだよ…両親は研究員時代に様々な計画やシステムを作っていたんだけどな、come・meダイナミックサーバー計画も実は両親の計画なんだよ」
句崇刃「そうなのか…でもそれの何が問題なんだ?胤波さんの両親ならそう変なものは作らないだろうに…」
胤波「まあ、それはそうなんだが…元のダイナミックサーバー計画もどっちかっていうとデータ化した区で遊んだりとか、別の何もない空間にゴミを多少投棄したりとかぐらいのものでな…」
句崇刃「ふーん…まあ普通に使ってれば仮想現実のゲームとかみたいでそんなに問題はないとは思うがな、それをコントロールする人間に悪意がなければな」
胤波「それが最初に懸念されたことだ…両親はあまりにも優秀すぎた研究員だった、だからあれやこれやと色々な機能を作ることができた。だが拡張されすぎたシステムにコントロールが追いつかなくなっていった、それは人間の手に余るほどに」
句崇刃「まあ、実際黒幕であろう人間(?)に今現在進行形で悪用されてしまったわけだしな…」
胤波「正直、いい気はこれっぽっちもしていない。この計画のデータをこのように害としてしか使わないということはよっぽど区に恨みのある人間か、支配者気取りのヤバいやつなのか…」
句崇刃「それが話しておきたい過去ってやつなのか?」
胤波「もう一つ……それは私の罪だ、私はこの計画案に悪用の危険があるのはすぐにわかっていたが…廃棄することができなかった」
句崇刃「計画の破棄か…まあ普通であれば実現しなくなった悪用される計画なんて誰の目にもつかないように廃棄する方が確実で安全な方法ではあるが…」
胤波「でも私は捨てることができなかった…それがまだ幼かった私と両親を繋げられることができる数少ないものだったからな…」
句崇刃「思い出の品みたいなものも一切なかったのか?」
胤波「結婚はしているが常に忙しくて結婚式すら開いてなかったみたいだしな…まあ私も計画書に縋って思い出に浸るぐらいだと思ってもらえれば」
句崇刃「とんでもねえ両親だなぁ…でも確かに残してた思い出の遺産ともなれば後悔するよな流石の胤波さんでも」
胤波「まあな…でも流石に決心がついたよ、事態が解決したらこの計画書は破棄するし裏で糸を引いてる黒幕は絶対捕まえる」
句崇刃「もう一度言っておくが…あんまりしょいこみすぎないでくれ、この騒動は皆で解決するんだ。そのための探偵…だろ?」
胤波「そうだな…君にAIの相手をさせるのは忍びないが、君のその力ならきっと今回の大事件だって解決できるはずさ…君は知らないだろうがちょくちょく君の様子を見ていたからな」
句崇刃「そうなのか…なんか恥ずかしいが、お墨付きってことにしておくよ。もうそろそろシステムサーバーが見える場所まで行けそうだ」
胤波「安全な場所についたらキサラちゃんを送ろうと思ってるが…今はどうだ?」
句崇刃「今の場所は比較的安全だから送ってもらって大丈夫だぜ」
胤波「そうか…そうそう事故は起こらないと思うが気を引き締めて転移を見ておいてくれ」
そうしてキサラが句崇刃の元に届けられる…
キサラは句崇刃を見て嬉しさ半分と心配半分の顔をしている
句崇刃「心配するな…まぁ確かに激務続きではあるが、誰が相手だろうと区に危害を与える敵に負けるわけにはいかねえ。それに今回はキサラも手伝ってくれるんだろ?」
その言葉にキサラは力強くうなづいた
句崇刃「さてどうするか…何か作戦とかあるか胤波さん?」
胤波「そうだな…AIを止めるとは言ったが、明らかに怪しい奴が近くにいたらそいつは普通にボコってくれ。黒幕ならそれでいいしそうじゃなくてもこの非常事態に変なことをしてるバカだ、後で説教してやる」
句崇刃「まあそんな期待とは裏腹に人一人の気配もねえな」
胤波「だろうな、だったら次はシステムを落とせるか試してくれ。多少ぶん殴ったりするくらいなら大丈夫だぞ」
句崇刃「いいのかよ…とりあえず一発殴ってみるか…」
そうしてシステムの外角を殴ってみるが…特に反応はない…
胤波「やっぱり内部に入り込んで元となるAIの機能を停止させるしかないか…ということで電脳世界に入る準備はできたかい!」
句崇刃「えぇ…唐突だな、まあ結局事件解決のためだしな。キサラも大丈夫か??」
キサラは頷く
胤波「すまないな、こっちも卿の力が強くなってるから十全のサポートを約束しよう」
句崇刃「どうやってこのシステムの中に入るんだ?そんなに簡単だとは思わないが」
胤波「それに関しては問題ない、これをこうしてこうやって!こうすれば…」
そうしてシステムを守る外郭に異次元の内部につながるポータルが現れる
句崇刃「力が増すとは言われているが…まさか内部につながるポータルとはな、母さんレベルじゃないとできないと思ってた」
胤波「まあ褒め言葉と受け取っておこうか…頼んだよ、区の命運は君にかかってる」
春咲「またこんなことになって…でも句崇刃君ならきっとできるはず!私は手伝いしかできないけど、頑張ってね…そして必ず帰ってくるのよ」
句崇刃「わかったぜ!行こう、キサラ!」
そしてキサラの手を引っ張ってポータルの中に入る…
その先にあった空間は特に何もない空白の空間だった
そこにいる魔王のような出立ちで空中に浮くAI以外は
ハルケイン「ん?この空間に人間が入ってくるとはな」
キサラはその姿に一瞬怖がるものの、持ち前の度胸で睨み返す
句崇刃「お前がこの事態を直接的に引き起こしている元凶のAIってやつか?」
ハルケイン「まぁ…そうだな、今はつまらない人間に使われている身だが」
句崇刃「そりゃ気の毒だが黒幕を見つけてる暇もないんでね、止めさせてもらう」
キサラもサポートのための道具を取り出す
ハルケイン「ほう…喋れないのか?それでは辛いだろう」
そうしてハルケインが出した波動のリングを受けたキサラは…
鬼沙羅「えっ…?喋れるようになってる!」
句崇刃「随分と優しいんだな…」
ハルケイン「まぁ…元はサポート用の高性能AIだからな、その分命令には忠実に作られたから今は敵だ、遠慮はするなよ…こちらも手は抜けないからな」
句崇刃「そうだな…早く終わらせよう、互いのために」
そうして利用されるAIとの闘いが幕を開ける…
file.last-5に続く…
???「従順にしたはいいけどなぁ…うまくやってくれるものなのかね、こっちも即興の対抗策を編み出してみるか…」




