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ハチャメチャ魔王  作者: 火憐ちゃん
のんびり平和
108/110

挑戦 シーレイ

とりあえず、今のところなリクエストのラストです。

まだまだ、募集しておりますので、どうかお気軽に感想かメッセで思いの丈を仰ってください。


それはある日のことである


「ひっぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


メリア城に悲鳴が響いた


食事中

食堂で食事をしていた飛影とリタ


悲鳴主がアンジェレネということもあり、二人とも何一つ動揺せずに食事を続ける

少し慌ただしくなろうとする従者達を飛影は手で制す


瞬間的なものであるが、魔力探知の気配が飛影とリタを刺激する


「た…たたたたたたたたたたた大変ですよ飛影さん!!」


大きなたんこぶを作ったアンジェレネが顔面蒼白になりながらテーブルをバンバンと叩く

その度に味噌汁が溢れる


「アン…落ち着いてください」


直後リタからの金槌がアンジェレネの頭を打ち付ける


「痛い!リタちゃん!!私じゃなかったら死んでますよ!!」


たんこぶを狙った一撃によりさらにこぶが膨れていた

涙目になりながらもリタの狙い通りに落ち着かせることはできた


「それで?」


リタとアンジェレネがコントのようなやり取りを交わしている中、飛影は面白そうに見ながら食事の手は緩めない


「さっき、シーレイちゃんを起こしに行ったんですけど…起こす前にシーレイちゃんがなんと起きていたんですよ!!座ってマイマクラを抱き締めてましたけど」


「それで?」


なんかどうでもよい話だとリタは判断して、軽く流しながら食事を再開する


「そしたら、いきなりですよ!?飛影…死ぬって言い始めまして」


「は!!!!??」


ガタンと勢いよく立ち上がるリタ

シーレイの未来確知を知っている飛影だが、特に慌てた様子もなく食事を終えて手を合わせる


「詳細を聞かせてください」


アンジェレネに詰め寄り襟首を掴みながら頭を上下に揺らすリタ


「い…えっ!!これでぇ…ぜん~ぶ…ですぅ」


「何をやってるのですか!!?」


パシッと襟首を離される

リタがすぐさま、シーレイの所に赴こうとするが


「シーレイちゃん…不機嫌モードです」


ピタリとリタの動きが止まった


「私も聞こうとしたんですけど叩かれました!!」


(あ~だからこぶが出来てたんだな…)


悠長に飛影は食後のお茶を飲みながら、感想をもらしていた


シーレイの不機嫌モード

それは神のみぞ知るモードであり、寝起きのシーレイにあるタイミングで話しかけることにより発動する


その正体は物凄く寝るのである

だが物凄く寝ると言っても大爆睡となり、起こそうとするのであれば本気で抵抗してくる

というよりも、睡眠妨害をするモノは全部殺すほどである


「…いえ!!ですが飛影の危機とあらば!!」


完全に覚悟を決めたリタ

いろいろと準備を始める


「いや…リタとシーレイが戦ったら最善でも大陸が消えるからやめてくれ」


それを止めるのは飛影である

ニヤニヤと笑いながら、食後のお茶を飲み終わりお菓子を食べ始めていた


「そんな悠長なことを!!」


「焦ってもしゃあないしゃあない」


リタの頬をつつく飛影


「…わかりました。これより対策会議を開きます」


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


そんなこんなで会議が始まった


メンバーは

リタ

アンジェレネ

リーベ

静紅

飛影である


いつものメンバーに絶対強者級のみを集めた形である


「それで、まずは飛影…身体に不調などはありますか!?」


飛影の実力的に死ぬのであればまず、それを疑うのは当然である


「ないぞ」


「そこは、私も保証するわ…飛影は吸血鬼…だから身体はいつでも最善の状態になるわ…だから不調は有り得ない」


断言するのはリーベ

同じ吸血鬼であるリーベのその保証は信頼性は高かった


「そうねぇ…逆に考えて飛影君が負ける相手はいるのかしら?」


魔王であり、絶対強者級であり、吸血鬼である飛影を殺しきる人物は多くない

静紅の意見はすぐに取り上げられた


「飛影…そこら辺はどうでしょうか?」


「んと?俺を殺しきる人物?…ん~とラインは固いな」


リタはホワイトボードに抹殺対象リストと書いてラインの名前を書く

リタ的には殺られる前に殺るである

本当に光の神なのかと疑うくらいに、物騒な思考であった


「次にギルギア」


躊躇なくギルギアの名前を書き足すリタ


「可能性があるって話なら…え~アンジェレネ」


躊躇なく書き足したリタ


「ちょちょちょ!!リタちゃん!!?」


「何か?」


慌てるアンジェレネをリタは爽やかな笑顔で返す

黒のペンを持つ手とは逆の手には鋸が握られていた


(ワタシコロサレル!?)


「次にリーベ」


そして再び躊躇はなかった


「私は殺されるつもりも飛影を殺すつもりも無いわよ」


リタが聞き入るかは別として自分の意見を通すリーベ


「あとは~ダドマもだな、無限の魔力だから普通に殺しきる」


リタは名前を書き足しながら、説得性があることを確認する


ラインは殺し合い最強、飛影を殺しきるには充分すぎる

ギルギアも全力の飛影の再生力を削りきっていることは何度も目にしている

アンジェレネはリタでさえも、全容を把握できていない程の神の武器、その中に不死殺し、または吸血鬼殺しの武器があっても不思議ではない

リーベは本当の不老不死にもっとも近い存在である。再生力だけで比べても飛影とは格が違う

ダドマも無限の魔力を持つため、殺しきることは充分に可能である


「あとは~…静紅ぐらいかな。うん、殺し合いでなら悪いけどそのぐらいじゃないかな?俺を殺しきる人物は…まぁぶっちゃけて言えば全員当てはまるけど、特にって言われたらこのぐらい」


「ほぇ!!?」


リタの手は静紅が驚いていようが止まらない

だが静紅だけはリタも疑問を抱いた

確かに絶対強者級であり、かなりの実力者であるが飛影を殺しきることができるか?と言われればリタは首を振るであろう


「ふふ…私じゃ飛影君に勝てないとおもうのだけど…」


「いやいや…」


静紅と飛影は微笑みあう

災厄であった飛影と同族なのは静紅ただ一人である

それを口にはしないが、飛影の意図は伝わった静紅は溜め息を吐いていた


「それでは、まずはラインから殺しに行きましょう!!理由は殺しやすいからです!!」


その事は、とても気になったが今はそんな場合ではないとリタは気を引き締める


「異論は無いわ」

「同じくです!!」

「ふふ…賛成よ!!」


リタの意見は満場一致であった


「…ん…飛影…おんぶ…」


そして、さぁ行くぞとした瞬間に、不機嫌モードが解かれたシーレイがやってきた

いつも通りに眠そうに瞼を擦りながら座っている飛影を立たせておぶさる


「ちょ!!シーレイ!!飛影に対するその行動はまぁ許しますが、いつどこで誰が飛影を殺すのかをハッキリしてください!!」


眠ってしまってはまた不機嫌モードを発動しかねないため、リタは焦ってシーレイを問いただす


「…?」


しかし、シーレイは小動物のような可愛らしさで小首を傾げるだけである


「いやいやシーレイちゃん言ってたじゃないですか!!?」


たんこぶを作らされた原因であるアンジェレネが突っかかる


「…何?」


しかし、シーレイは首を傾げるだけであり、本当に知らないようである


「…いやいや!!飛影さんが死ぬって言ってたじゃないですか!!?」


「…知らない…アン…五月蝿い…寝る…邪魔…殺す」


飛影から飛び降りて自身の武器である巨大な鍵を手に取る


「いやいやいやいや!!シーレイちゃんが本当に言ってましたからぁ!!」


《アンビリルワールド》


魔法を発動して別世界へと逃げる

シーレイとアンジェレネの相性的にアンジェレネは消えた瞬間に勝負は決するのだが、そんなことはアンジェレネの頭には無かった


シーレイはその場で少し空を仰ぐと、何かを確知したらしく姿を消す


元凶×2がいなくなった今、残るはそれに振り回されたモノのみ


「飛影は何か知ってるんじゃないの?終始笑顔であったし」


ポカンとしている中、真っ先に戻ったのは流石と言うべきかリーベであった


「そうだなぁ~…それじゃネタばらしだな」


名探偵飛影の出番であった

リタを席に着かせて前へと出る


「まず、今回の発端はアンジェレネがシーレイの確知らしきものを聞いてからとなるが、その時の状況を思い出して欲しい…シーレイはマイマクラを抱き締めて座っていたと言っていたが、本当にシーレイは起きていたのか?答えはNOだ!!俺の経験上シーレイはその状態でも寝る!!…つまり、シーレイはその時に寝ていてアンジェレネが聞いたのはただの寝言である可能性が高い。つまり、そう考えればシーレイが知らなかったことも理解できる!!」


「えっと…つまり、私達は?」


飛影の推理を聞いて、ある結論が浮かんだリタ

飛影は力強く頷いた


「まぁシーレイの寝言に踊らされた感じ」


『はぁ』


全員が全員溜め息を同時に吐く

それは呆れではなく、安堵の溜め息であった


「くだらないわ…」


リーベはすぐに酒を求めて姿を消し


「まぁ飛影君良かったわ~無事で」


静紅も微笑みながら寝るために去っていった

異世界にまでその名を轟かせる静紅も今やニートであった


アンジェレネも居らず、残された飛影とリタ


「さすが飛影ですね」


「何が?」


「いえ、よくシーレイの言葉が寝言だとわかりましたね…」


リタとしては全く思い浮かぶことができなかったのである

さすが飛影と何度も頷く


「あぁ…ぶっちゃけさ…俺的にはいつ死んでもおかしくないと思ってるからシーレイの確知を受けても、動じはしなくてさ…だからこそ分かったのかな…」


普通は自分の命を低く見ている

だからこそ、今回の寝言の対象が自分であり安堵していたことも事実であり、冷静に状況判断もできたのである


(そこを一番に直して欲しいんですよ…)


リタは内心ではそう思いながら、飛影に無いことは確認できて安心していた


「まぁ…あれだよリタ…何事も慌てちゃ駄目だよ」


「心に刻んでおきます」


今後ともよろしくお願いいたします。


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