挑戦 ライン
読者様からのリクエスト話です。
ラインの復讐劇なかんじです
まだまだリクエストお待ちしております
天界の宮殿
いつものように、ラインは拷問な量の仕事をしていた
哀しいかな
拷問な量であるが、絶対強者級であるラインにとってはギリギリ掃ける仕事量であり、増援は期待できそうにもなかった
唯一増援として役立つ部下はいなかった
お花を摘みにと部屋を出たのは三分前
「はぁ…」
溜め息を吐きながら、お茶を飲みほす
そして、ボタンを押した
静かなノック後に、従者の天使が部屋に入りお茶を注いで退室する
(…仕事量が多すぎだろ)
両手を使って、途切れることなく仕事をするライン
そして二時間後
「遅い!!なんでトイレに二時間もかかるんだよ!!」
一向に戻ってくる気配が無い部下のアユリ
さすがに二人分の量を捌き続けるのはラインといえど厳しいものがある
五時間後
アユリは本当にお花を摘んで戻ってきた
「なにやってんのぉぉ!!?」
「お花を摘みにと言ったじゃない…貴方も許可したし」
その時のやりとり
「お花を摘んでくるわね」
「いってら」
以上
紛れもなくラインは許可していたのだ
「本当に花を摘むかと誰が思うかぁぁぁ!!」
「…逆ギレもいいとこだわ」
やれやれ、と肩を竦めながら花瓶に花を差し凍らせる
決して枯れぬようにとの配慮である
「ちょっと待て、確かに私は許可しただろう!!でもさ…それ魔界の花だよね?」
天界のであれば、まだ許せたが、ラインが記憶を総動員させて、メリアに咲いている花だと断定する
「どこに…とは言ってないわ」
あくまでも、クールに微笑を浮かべる
ちなみにだが、アユリはお茶会帰りである
(…このくそアマ…)
「うるさいわね…腐れチートのくせに」
「っ!!?」
心を読まれたライン
「腐れチートは関係ないだろ!!」
「…はぁ…サボってないで仕事をしましょう」
ガタっと立ち上がり、臨戦態勢にラインが入った瞬間
馬鹿を見るような眼でラインを見て、席に座り仕事を再開する
(…これは私、切れていいやつだよねぇ!!…けど心を抉られてお返しが、肉体破壊じゃどうせまた、飛影とダドマ辺りがど腐れとかチートとか色々貶してくるからね…これは正々堂々と口には口で反撃しなければ!!…幸い暴言も無限に涌き出てくるダドマとか、真っ白に燃え尽きるようなまさに攻撃力最強の暴言を放つ飛影じゃなくて、アユリだ!!まだ勝機はある!!…これがダドマや飛影だったら詰んでた!!これがダドマや飛影だったら詰んでたけど!!相手がアユリならば勝てる!!…筈だ)
高速思考で思考を張り巡らせながら、ラインは仕事を再開する
(…しかし、何が効くんだろうか…防御力最硬のアユリは心の防御力も最硬に等しい…何か…何かないか…弱点は!!やつに届きうる一撃を探すんだ私!!)
思考を張り巡らせながらであるが、その仕事の生産性は変わらない
そして一時間後
(何も浮かばない…もういいやてきとうで)
「あ~アユリ」
「なに?」
どうでもよさそうに返事をするアユリ
振り向きもしない
「そういえば飛影が言ってたんだけど」
「飛影様が!?」
しかし飛影の一言でガタっと勢いよく立ち上がる
「寒苦しいから近付くなだって」
「…」
ラインにとってはてきとうな今思い付いた言葉である
何でもいいやと口にした言葉
アユリが静止する
「……」
無表情のまま何も喋らないし身動き一つ取ろうとしない
「………」
(あれ?もしかして…クリティカルヒット!!?)
全く反応がないアユリ
「…………」
ふとラインは
徐々に徐々に周囲の気温が下がっていくことに気付いた
「あれ?」
ラインがヤバイと反応できたのは、空気中に氷が発生した瞬間であった
最初は小さな礫ほどの大きさであった
しかし気温の低下とともに氷が拡大していく
「……………」
「アユリ!?…いやアユリさん!?」
反応は全く無い
しかし気温がどんどんと低下していく
すでに-5度になっていた
氷の大きさも人一人程まで巨大なものになっていた
「………………っ」
そしてラインは見た
クールな部下であるアユリの眼が潤んでいた
(…やりすぎた!!?)
と同時に気温が更に低下した
一瞬にして極寒とも呼べる-50度まで気温が下がる
そして氷が僅かに欠けた瞬間爆発的に拡大を始める
ラインは即時撤退
宮殿が少し壊れることなど気にせずすぐに窓を突き破って逃走する
外は猛吹雪に変化しており、そして宮殿が一瞬にして氷付けとなった
「何これ!!?怖っ!!えっ!?もしかして私の一言で!!?」
他の部下の安否が心配であるが、確実に氷付けになっていると予想できてしまった
「うぅ…」
そして宮殿の中にはアユリが崩れ落ちていた
「寒苦しい…氷の魔法使いだからしょうがないじゃない…でも、本当に飛影様がそんなことを言ったのか、確認……本当だったらどうしよう…その時には潔く死にましょうか」
かなり思考がヤバイことになっていたアユリ
生まれたての小鹿のように脚を震えさせながら立ち上がり、ふらふらと歩き出す
魔界に行くために転移札を使用
する前にアユリは自身の格好を確認する
引き締まったスーツ姿
肩まで伸びる銀の髪と似合っていた
「着替えてから…着替えてからにした方がいいわよね」
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「アユリ何やってんだ…?」
魔界のメリア城
夜に飛影が一人中庭でだらけていた時である
アユリという名の不振人物が現れた
毛糸の帽子を二つ重ねて被り
スノボー用のゴーグルを装着し
マフラーを二つ口元を完全に隠すようにして
厚手のダッフルコートと中にダウンジャケット
下は分厚いセーターを着ていて
厚手のズボンを二つ履いていた
長い靴下を二足重ねて履き靴も皮のブーツで皮膚が外気に晒されていなかった
「えっと…その…」
しどろもどろになっているアユリ
「私…寒苦しいから…」
「新単語を作ったな…寒苦しいって、むしろその格好が暑苦しいぞ」
「う…」
「ん~?」
いつもと様子が違うアユリ
「…」
飛影はおもむろに立ち上がると、帽子とゴーグルとマフラーを取っ払う
「よし…可愛い」
満足したように頷く
「か…かわ…かわわわわ!!?」
飛影が再び寝転がろうとしている中、アユリは顔を真っ赤にしてショート寸前であった
「わ…私って寒苦しいでしょうか?」
「はい?…何いってのかがわからん」
アユリの勇気を振り絞った一言も一蹴された
「私は氷の魔法使いですから、いつも冷気を纏ってて寒苦しいかなと」
氷の魔法使い
しかも、その究極とも呼べる実力者のアユリ
強すぎる魔力によって、常時身体から微弱であるが冷気を発している
「それ言うなら、俺は熱気を放ってるぞ、俺は暑苦しいになるな」
炎の魔法使い
そして風の魔法使いの究極とも呼べる実力者の飛影
飛影もアユリ同様に、常時微弱な温もりと微風が発せられている
絶対強者級である者達は基本的にそのような体質となる
ダドマは、空気中の水分量が増加し
ギルギアは、重力が変化し
リタは、光量が増加し
ラインは、静電気が発生している
アンジェレネなど、属性として自然物に置き換えられないものには発生しないものである
「第一!!俺はアユリが近くにいると涼しくて好きだぞ」
「…ひゃぅ」
(…好きって言われた!!これがプロポーズ!?)
超が付くほどの拡大解釈
もちろん飛影にとってはそんなつもりはなく、ただ単にライクの意味での好きである
「…あれ?けどラインからは…」
そしてふとアユリは思い出した
「ん~?ラインがどうかしたか?」
「えっと実は…」
>>>>>アユリ説明中>>>>>>>>>>
「なるほどな!!」
説明しながら脱いでいたアユリの格好はTシャツ一枚にフレアスカートである
当人としても暑苦しかったのであった
「ふふふ…あの腐れチートどうしてやろうかしら…」
完全に誤解が解けたアユリ
復活を遂げていた
「…よし!!決めた!!!!じゃあアユリ喧嘩するぞ!!」
何かを思い付いた飛影
その笑みは被害者になる者の冥福を祈る必要がある笑みである
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一通り氷を溶かし終えたライン
時間は深夜である
「あ~疲れた…」
溜め息混じりにベッドに倒れこむライン
今日はもう寝ようと決めた瞬間である
宮殿の中で絶対強者級二人の魔力が解放され、宮殿に大きな揺れが起こる
「へ!?っていうか飛影とアユリか!!?」
魔力の主が誰だか一瞬で判断すると、すぐさま急行する
「アユリの阿呆!!」
《炎舞・なんか玉》
「えぇ~と…えっと…飛影様の主夫!!」
《魔氷・とりあえず玉》
互いに批判とも中傷とも言えないもはや悪口かも不明な言葉を言いながら魔法を放っていた
どれだけアホの所業に見えても魔法の威力は絶対強者級
宮殿が全体的に崩壊を始める
「ストォォォォッッップゥ!!!!?何やってんのさ!?ってか壊れるから!!」
ちらりと飛影とアユリはラインを見て、
《炎舞・でっかい玉》
《魔氷・とりあえず大玉》
威力を更に上げた
宮殿の崩壊が深刻なものへと変わる
「ぎゃぁぁぁぁあ!!?」
《幻想魔境》
悲鳴を上げながら、飛影とアユリを止めるために魔法を発動する
飛影の首をはね飛ばし、アユリの両手足を折る
《キュリクレイ》
つもりであったライン
「やらせませんよ?」
発動条件の光が出なかった
そして、背後から背筋が凍る声がラインに届く
「リタ!!?ちょま!!マジでマジでヤバイんだって!!」
にこやかに微笑むリタ
その笑顔はラインにとって最悪なものである
「ラスト!!」
「はい!!」
《炎舞・物凄いでかい玉》
《魔氷・物凄く大きな玉》
飛影とアユリが放った魔法は、ぶつかり合い相殺する
そしてその衝撃波によって、宮殿は粉々に粉砕された
「よし!!帰るぞリタ!!」
「はい」
一仕事終えて額を拭う飛影
颯爽とその場をあとにする
リタもそれを追いかけて去っていった
「し…仕事が死ぬって…」
その場に崩れ落ちるライン
「乙女の純情な心を弄んだのだから、当然よ…まぁ一応は魔王補佐として仕事の手伝いはしてあげるわ」
けど復旧の手伝いはしないわよと付け加えて、アユリは転送札で魔界へと移動した
「…これは…ダドマに頼むしかないか…しかし、これからはアユリに飛影関連のことを言うのは止めにしよう!!」
精神的な切り替えの早さは打たれなれているため、早いライン
アユリに飛影関連の悪口を冗談でも言わないようにしようと固く誓い
過ぎたことは悔やんでも仕方がないと、いかに早く復旧させるかを考える
そしてラインは、ダドマを一週間かけて拝み倒すという名の説得をして元通りに宮殿を直してもらったのである
きちんとリクエスト通りにできたか…不安です。
次話は、災厄の方を更新です




