4時限目 どう?自己肯定感上がった?笑
「尼子!一緒に帰ろうぜ」
山中が話しかけてくる。正直こいつは俺にとって喋る価値もない人間だ。何で陽キャのこいつが、陰キャの俺にわざわざ話しかけてくるんだ?
放っといてくれよ。
「山中くん、悪いけど、いつも杵築さんと約束してるんだ」
「釣れないやつだなー。たまには一緒にカラオケでも行こうぜ」
こいつは俺のなんなんだよ。
「あきくん一緒にかえろー!!!」
真白たんだ!助かった!友達でもない男と意味のない会話をするのは本当にストレスが溜まる。
俺を理解してくれるのは真白たんだけなんだ。
「いいよ!真白ちゃん!帰ろうか」
「新婚気取りかよー」
うるせえよ。外野はどっか行ってろ。
陽キャが陰キャに絡むことは、大日本帝国憲法で禁止されているんだ。
「山中くん邪魔だよ〜笑 あきくんは私の所有物なの!ね?あきくん!」
「あ、うん...」
思わず頷いてしまった。俺はこれで良いんだろうか?
まあ真白たんが可愛いから良しとしよう。
下校中、いつもの角を曲がる。
真白たんが腕に抱きついてくる。腕に柔らかい感触が伝わる。真白たんの良い香りがする。
心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
あ、やべ...勃ってきた....
やばい!やばい!平常心だ!
真白たんしか友達がいないんだぞ!
俺のLINEの連絡先は父と真白たんの2人だけ...
真白たんにキモがられたら俺の学園生活が終わってしまう!!!
「あきくん!あきくん!聞こえてる?」
「え、な、何?」
「どうしたのあきくん?また考え事?」
真白たんが上目遣いで俺を見つめてくる。
そんな目で俺を見ないで!ガチ恋しちゃうから!
あと胸当たってるから!
「いや、別に...」
「もしかして意識してる〜?笑」
「うっ...」
「あ〜!もしかして図星だった?」
「あきくんお顔真っ赤だよ〜笑」
何も言い返せない...
「あきくんってさ」
「うん..」
「自己肯定感低いよね?」
俺の中で何がが割れるような音がした。
オタクの心が硝子ということを、真白たんは知らないのだろうか?
「な、何でそう思うの?」
「え〜?見てればわかるよ。私以外友達いないでしょ?」
「真白ちゃん。この際だから言わせてもらうけど、友達って本当に必要かな?今の時代AIがあるし、友達なんかいらなくない?僕は合理性重視で、要らないものを切り捨ててるだけだよ」
「じゃあ、私も要らない...?」
「真白ちゃんは別」
「よかった〜...あきくんに嫌われたら、私生きていけないよ」
俺もそうなんだが?!てか真白たんはクラスのヒエラルキー頂点だろ?何で俺なんかにこだわる...
「あっ!いいこと思いついた〜」
「何?」
嫌な予感しかしない
「こうすればいいんだよ!」
ネクタイを掴まれぐいっと引き寄せられる。
真白たんの唇の感触が伝わる。
何が起きたのか理解できない。
「ぷはっ。どう?自己肯定感上がった?笑」
「え?え?え?」
「あきくんキョドリすぎだよ〜笑 不審者みたいだよ笑」
今何が起きた?!理解が追いつかいない!
誰か教えてくれ!
キス???
陰謀???
「真白ちゃん、い、今の何?」
「何って、キスしただけだよ?元気出るかなって思って」
「なんで?」
「何でだと思う?」
「わかんないです...」
「あきくんってほんと鈍感だよね〜笑 でもそこがあきくんの良いところだよ♡」
真白たんはおそらく人智を超越した存在なんだと思う。




