11時限目 確保対象
「各員、装備を確認しろ」
「問題ありません」
「これより対象の確保に移る」
「見た目は子どもだが、油断するなよ」
「はっ」
「隊長、鍵がかかっていません」
「そのまま突入する」
「了解!」
マンションの室内に突入する。
その中はコンクリートだけの広大な空間だった。
「各員、サーマルサイトを使用しろ」
「真っ暗だな...」
「私語は慎め。対象に常識は通用しない」
対象を発見する。高校生くらいの女生徒に見えるが...
「危ないからやめてね」
特殊部隊の短機関銃が手元から消えていた。
「何が起こった?!」
「対象の生存を確認」
「各個散開!近接戦に移行する!」
「危ないって言ってるでしょ?」
時間が止まる。空間が歪んだような気がした。
「なぜだ...体が動かん...」
「全員そこに正座。私が良いって言うまでね?」
どういうことだ...装備が一式消えている...
「司令部!応答せよ、司令部...」
無線もダメか...
「お前は何者だ?!」
「なんだと思う?」
「このバケモノが!!!」
「バケモノ?女神って呼んでよ」
「どうする?まだやる?できれば無益な殺生はしたくないのだけれど」
少女がパチンと指を鳴らす
隊員の1人が上裸になる
「ひぃ...」
隊員の1人が叫び声を上げる
「俺たち、最初...何人だった?」
「痛くしたくないし、殺すのは一瞬だよ?」
「降参する!降参する!」
「よろしい」
「じゃあ今日は帰っていいよ」
「もう怖い玩具は持ってこないでね?」
「交渉ならしてあげる♡」
特殊部隊員たちは逃げるように去っていった。
振り返る者は1人もいなかった。
国家安全保障会議 特別対策室
「杵築真白の確保は失敗か...」
官房長官が報告書を机に置く。
「交渉は可能と、確かにそう言ったのかね?」
官房長官が眉をひそめる。
「はい。そのようです...」
数秒の沈黙
「......わかった。杵築真白を確保対象から外せ」
「日本国政府は、これより神との交渉を開始する」




