10時限目 幼馴染が婚約者になってた件
「この世界には秘密があります」
隣の席の新宮寺清が呟いた。
......誰に言ってるんだ?
「新宮寺さん、秘密って?」
「それは内緒です」
——頭にノイズが走る
......なんだ?今の
「ここテストに出るぞ〜」
1565年 第二次月山富田城の戦い
「毛利と尼子の戦い?尼子と同じ名前じゃん笑」
クラスメイトの山中くんの声だ。
いい人なんだけど、あんまり喋ったことないんだよな......あれ?
てか高校の日本史ってこんなに詳しくやるものなのかな?難しすぎないか?
あとで真白たんにも聞いてみよ。
いつものように真白たんと昼食を食べる。
「あきくん、はいあ〜ん♡」
「あ〜ん。っていつからこんな風に食べてたっけ?」
「ずっと前からだよ♡」
「そっか.....」
「そういえば真白、日本史の授業のことなんだけどさ...」
「お前らそんな食べ方してんのかよ笑 いつから付き合ってんだ?」
山中くんが話しかけてくる。ちょっと恥ずかしいな...
「私たち婚約したんだ〜♡」
「え?!マジかよ!今時高校生で婚約なんてあるのかよ... 杵築と結婚できるなんて羨ましいぜまったく...」
「はは...」
——あれ?
高校生で婚約ってできたっけ?
まあ真白たんと結婚できるなら良いよね。天使だし。
授業が終わって帰路に着く。
「真白、帰ろうか」
「うん、あきくん♡」
いつものように恋人繋ぎをする。
......あれ?
いつも手繋いでたっけ?
真白たんの良い匂いがする。頭がクリアになる。
まあいいか。
「最近あきくん変わったよね?」
「そうかな?」
言われてみればそうかもしれない。
前までの俺って真白たんと堂々と話せてたっけ?
「前のあきくんは可愛かったけど、今のあきくんはかっこいい感じ♡」
「そう?真白に見合う男になれるように頑張るね」
「あきくん。いつもの、して♡」
真白たんが目を閉じる。
キス
真白たんの唇の感触。
柔らかい。
それだけのはずなのに、離れない。
......あれ?
こんなに長かったっけ?
軽く触れるだけじゃなくて、ゆっくり、重なったまま。
息が混ざる。
真白たんの指が、俺の服を少しだけ掴む。
引き寄せられる。
頭がぼんやりする。
さっきまでクリアだったのに。
「......ん♡」
小さく漏れる声。
距離が、さらに近くなる。
真白たんに引き寄せられるまま、体が触れ合う。
無意識に、手が動く。
その拍子に、手のひらに柔らかい感触が伝わる。
思考が遅れる
何を触ってるか理解が追いつかない
これ、いつものやつだっけ——
そんなこと、今はどうでもいいか——




