第5章第26話〜戦闘開始〜
「お前がベータか」
林が問いかけると同時俺達も構えを取る。
「えぇ、私がバイケル四天王が1人、ベータです」
「四天王とは随分と高く見てるんだな?」
「えぇ、私の他にアルファ、ガンマ、オメガがおられますので…それに私たちはバイケル様から作られた完璧な兵器ですので。」
そう言うとベータは斧を取り出した。あの斧が得物だと判断し交戦に入る。先に仕掛けたのはこの俺だった。ランチェスターを取り出し早撃ちをする。しかしその銃弾は掠りともしなかった。
「遅いですね、お兄さん?…おっと…」
「チッ…」
だが既に林達はベータを囲んでいた。林が正面から刺突を繰り出し、アリスもベータの背後から刺突を繰り出して退路を塞ぎ、アイリスと山岡さんの2人が左右から挟んだ。
「…4対1で挟み撃ち…悪くないですが…私には余裕です」
そう言うとベータは上に飛んだ、そして降りてくることは無かった。
「なんだと!!」
「私の能力…空間を歩くことができるのです」
「だったらこれだぁ!」
山岡さんが能力を使った、視認した対象を3秒行動不能にする。同時に俺は正確にベータの額に狙いを定めて早撃ちをした。
「悪くないね…でも」
しかしベータは斧の側面で銃弾を防いだ。
「なんだと!?動けないはずじゃ…!」
「条件はわかります…あなたが視認したら発動…であればその空間をいじればいいのです…さて、そろそろこちらからいかせてもらいます」
そう言うとベータは瞬時に山岡さんの正面に現れ、斧を振りかぶった。
「なっ!?ぐぅぅ…!」
反応が遅れたが山岡さんは半歩引いた、しかし避けきれずに左目が斬られ、胸も薄皮一枚斬られていた。
「!山岡さん!!離れろ!」
俺はランチェスターを乱射し距離を取らせた、そしてその先にはアリスとアイリスが既に待っていた。
「はぁ!」
「おっと…吸血鬼姉妹如きに手負いになる程、私は落ちぶれていませんよ…シュッ…!」
「妹に手は出させませんわ!」
ベータはアリスの刺突を回避し斧を振り下ろそうとする、だがそれは姉のアイリスが許さず大剣を横に振る。しかしそれすら奴は簡単に回避し距離をとった。
「くっ…!」
「お姉様!」
アイリスはいつの間にか左肩に六角を刺され血を流していた。
「これで貴方は左腕が死んだ、大剣を振るうには貴方の華奢な身体では両手ではないと振れないはず」
再び距離を取らせるために乱射した、しかしパターンが読まれたのか当たる気配は微塵もない。
「いい加減当たれよ、自信無くすわ」
「では貴方のその得物を破壊させてもらいます」
『真・十字乱槍』
『地凱喇叭』
俺に向かってくるベータの横を林と山岡さんが技を使って挟撃した。奴は回避しようとする。視線が俺から逸れたため俺はメガホンを取り出した。
『動くな』
「…!?言力…!」
海外で模倣した技『言力』を使用した、意識が俺から逸れていたため、奴は対策が遅れ動きが止まり2人への対応が遅れた。一撃の山岡さんの技は回避されたが連撃技の林の技は奴の腹や頬を掠めることができた。
「成る程…言力の使用者…ならば対策は簡単だ」
そう言いながら奴の狙いは俺に変更された。




