第5章第25話〜ベータ〜
俺達が襲撃をかける1日前、月見から連絡が来た。
『城内の将が判明、大将、ベータ』
月見から送られた書状をにはそう書かれていた。目玉のバイケルではなかったが敵の主力になるであろう1体を狙うことになった。
「よし、明日夜討ちをするぞ」
林の宣言に全員が頷いた。すぐに作戦会議となった。
「正面入口からは小林、野村、月見、影山、田所の5名。お前らは正面で暴れて敵を引き寄せ、意識を逸らすんだ。現場指揮は雄也、お前に任せるぞ。」
「あいよ、任せな。」
正面入口での陽動、一見軽い役回りだと思われるがかなり重要だ。正面入口に敵の戦力を割いたり、増援のために撤退する敵を入口に釘付けにする。数多くの敵を相手するため当然リスクも高い。
「月見がみつけた裏門から侵入するのは、俺、勝斗、山岡、アイリス、アリス」
戦力過剰と言いたいが未知の相手ならば妥当な戦力だ。アイリスとアリスが声をあげた。
「一つお耳にしていただいてもよろしいですか?」
「アルファ、ベータ、ガンマ、オメガは私達のような妖怪ではございませんわ。作られた、人工人間ですわ」
「人工人間…!?」
人工人間、つまり人の手によって作られた人間というわけか。そしてアリスは続け様に発言した。
「アルファ、ベータ、ガンマは完成されておりますが…オメガはバイケル曰くまだ未完成とのことですわ」
「そう、つまりオメガは未完成の状態でインフェルノとアクアリウスの2人を圧倒しましたのですの…」
魔人と戦闘をしたことがある俺らはその言葉に口を閉ざした。だが戦力を削るのが今回の目的、オメガは今関係はない。俺は林達の目を見て言った。
「俺達の今、やるべきことは敵の戦力を削ぐこと、オメガを倒すことも視野に入れるが、今ではない。決行は明日の深夜だ。」
「とにかく今回はベータを討ち取ることが先決だ。」
その言葉を皮切りに会議は終了、あとは各自武器や装備の手入れに入った。
作戦当日、日が高いうちに俺たちは福山へ向かい月見と影山と合流し、作戦の内容を伝えた。
「了解しました、引き付けや釘付けは任せてください。」
「わ…私も…頑張ります……死なない程度に…」
月見はかなり経験があり自信はあるが影山はまだ日が浅いからなのか自信がなさそうだ。
「まぁ無理すんな、深追いなどをしなければ死ぬことはねえ、いいな。」
忠告をするだけして先陣組を先に行ってもらった、夜の23時、俺達奇襲組は東門の少し手前で待機していた。0時、日付が変わった時。
ー小林視点ー
「よし、お前らいくぞ」
俺は両腕を機関銃に変形させ撃ちまくった、弾切れなんて概念はない、体で弾を作って撃っているからな。突然の奇襲と無数の銃弾の雨に撃たれ奴等は声すら上げることができずに死んでいく。
「…中々にエグいことしますね…」
穴だらけになった妖怪の死体を見ながら野村はドン引きする。その間に銃声を聞きつけた妖怪達が向かってくる。野村達が得物を構え、前へ突撃を仕掛ける。かなり大量の妖怪が向かってくる。高くてもAランク程度、だが余りにも数が多い。恐らく7割くらいは引きつけれているだろう。
「月見、起爆させろ」
「了解です!」
月見は手榴弾を3つ雪崩れ込んでくる敵の真ん中あたりへ落とす、それぞれタイミングをずらしているためすぐに起爆したり、落ちて少したって爆発する。ため敵は混乱している。
「…正面玄関に集中させろ、なるべくな」
俺は機関銃を乱射させ続ける。まだ耐えろ、引きつけろ。
ー渡辺視点ー
「…そろそろいくか」
林の呟きに俺と山岡さんは頷き東門から侵入した。囮作戦が効いているのか城内には簡単に侵入ができた。
「私達が案内しますわ!こっちですわ!」
アイリスが先導し向かっていく。道中まだ向かっていない妖怪や増援に行こうとする妖怪と鉢合わせてしまうが。
「邪魔だ!」
「オラァ!」
銃の範囲内のやつは俺がランチェスターで撃ち抜き、至近距離のやつは林が槍で対処していき背後から迫ってくる妖怪は山岡さんが青龍刀で斬り殺していく。城内の全体の妖怪の2割ほどだろうか、残っていた。
「…ここですわ、ここが本丸ですわ」
アイリスが止まり長槍を手に持つ、アリスも反発されるかのように大剣を手に取る。
「ここか…いくぞ」
林がドアを蹴破るとそこには1人の人間がいた。
「初めまして、ハンターの皆様と…裏切り者の吸血鬼姉妹。私がベータです」
振り向いた少年のような風貌の男は双剣をてにこちらへ振り向いた。




