第5章第24話〜帰還〜
襲撃まであと2日、いまだに月見と一緒に偵察に行った影山から大きな連絡は一つもない。その合間にも妖怪は出ており心無しか少し増えているような気がする。今回は低ランクの妖怪だったため野村さんが単騎で出撃している。
「野村圭一、ただいま戻りました…今回はパチンコ店でDランクが3体、街道でEランクが2体でした。」
「おかえり野村さん、お疲れ様です。」
野村さんを労いの言葉を掛け、俺は野村さんから刀を借りて刀の手入れを始める。アイリスは物珍しそうにそれを見る。
「あら?貴方が手入れするのです?」
「ん?あぁ…こういうのは好きだし…」
「ふーん…」
アイリスはつまらなさそうにドレスを軽く左右に揺さぶるが無視する。野村さんの刀は中々に綺麗であり波もしっかりしており、斬れ味も落ちていないらしく刃こぼれもない。丁寧に使われているのが分かる。野村さんが手洗いから戻ってきたので刀を渡した。満足したのか上機嫌な野村さんを見ていると林から連絡がきた。
『雄也が帰ってきた、なんかおもろいことになってて笑える。』
「......なにがあったあいつ…」
林からの連絡に顔を顰めていると、それを見ていた野村さんとアイリスは首を傾げた。
「小林さんですか?戻ってくるならいいじゃないですか。」
「小林ってあれですわ?あのライフルのお方ですか?」
「戻ってくるには戻ってきますが...まぁいいや...」
翌日、俺は野村さんとアイリスを連れて林がいる吉田郡山城に来た。出迎えは山岡さんがしてくれた。城内は俺が前に来た時よりかなり綺麗にされていた。どうやら偵察に向かった月見が毎朝城に来ては掃除などをしてくれていたらしい。そのまま俺たちは山岡さんに連れられながら林と小林がいる玉座の間に向かった。玉座の間には上座に座っている林、そして下座には紅茶を飲んでいるアリスと...
「随分と派手な姿になったな...小林君...」
「こ...小林さん..!?」
「まぁ...」
なんか腕が機械的な感じになった小林がいた。
「おぉ、勝斗に野村さん、すまねぇなしばらく開けてて。」
「いや、それはいいんよ。いいんだけどさ...なんでそんな腕になってんの?しかもなんか火薬臭いし...」
俺がそう言うのを待っていたのか林と小林は互いに顔を見合い、にやりと口角をあげると小林君は腕を前に突き出した。
「見ろ!勝斗ぉ!!」
小林がそういったとほぼ同時、小林の腕が変形し機関銃の銃口が現れた。は?
「...とうとう頭おかしくなったんか?」
「いやいやこれには訳があるんだって。」
どうやら小林の腕がこんなのになったのには理由があるらしく、あの時丸上との戦闘で腕の修復が不可能の領域にまでいってしまったらしく止む無く手術をしこの腕にしたらしい。理由を聞いた...というより腕が変形した辺りから絶句している野村さんは口が開いたまんまになっていた。アイリスはというと、アリスと一緒にいつの間にか紅茶を飲んでいた。
「ごめん、だいぶ言ってる意味が分かんないわ。」
「ちなみにこの機関銃、清岡が使っていたやつね、一回バラして取り付けた。」
こいつは本当に頭がおかしいと思ったのと同時、こいつを超える頭がおかしい奴なんていないと思った。...この時までは。




