第5章第22話〜決戦前〜
「なるほどなぁ…」
翌日すぐに林が月見達を連れて広島城に来て会議となり、全てを話した。話を聞いた林はアイリスとアリスを睨みつけながら問いかけた。
「そのオメガって奴を使って何をしようってのは分かるのか?」
「オメガの圧倒的な戦闘力を利用して日本そのものを荒らすというのは聞いたことがありますわ」
アイリスの話を聞いた俺達の顔が歪む、魔人よりも強いと言われたあのオメガを放たれるということは、清岡みたいにまた身内から死人が出てしまう可能性がある。 それを危惧したのか林は少し唸っていた、だが俺達が動いて止めない限り、言われた通りに日本がめちゃくちゃにされてしまう。決断は思ってたより早かった。
「バイケルのヤサは分かるか?」
「各地方に1つをランダムに使い分けていますわ、そして中国地方にはここ、広島にあるのですわ」
「成る程…場所は?」
「福山の福山城、そこを根城にしておりますわ」
福山、東広島の城にいるということか。
「大体どのくらいの周期でヤサを変えている?」
「不定期ではあるのですが、大体1〜3ヶ月の間に一度ですわ」
「思っていたより頻度はあるんだな?」
俺の問いにアイリスは頷いた。
「あの人は戦闘はほとんどしませんの…私達自体どれほどの強さなのかは分かりませんわ…恐らく自分の戦闘力を測られないように変えているのかと思いますわ」
「…」
脳裏に一年前、大将…源光一を襲撃された際の遺体を思い出す、銃弾は恐らく俺たちを裏切った森本のもの、切断された左腕は断面がかなり綺麗だった。斬撃の使い方が一流なんてものではない。そして1つとても印象的に覚えているのが驚異的な回復速度…最高戦力の1人、俺の師匠である坂田充の一撃を喰らったのにも関わらずにすぐに回復した。そんな奴がヤサを変えている。
「…今回違った場合は空撃ち…か…」
「いえそうゆうわけではありませんわよ?いなかった場合としての首尾としてアルファ、ベータ、ガンマ、が城についているはずですわ」
アルファ、ベータ、ガンマ。オメガや魔人程ではないが鬼とほぼ変わらないほどの強さを持っていると聞いた。
「どちらにせよ鬼と同等以上が相手になるってわけだな…雄也がまだ医療中なのが痛えな…」
「…本部から増援呼ぶ?」
俺の問いに林は少し考え、首を横に振った。答えは否、増援は無しと見た。
「…だがせめて雄也の回復は待ちたい、あと1週間と聞いている。」
「その意見賛成、あいつがいるいないでだいぶ変わる。」
林が頷いたのを見て林の目は月見と影山に目が向いた。
「月見、影山、お前らは一足先に福山城周辺へ行って偵察をしてくれ、妖怪の数と侵入できそうな場所だけでいい。」
「「了解しました」」
「アイリスは勝斗の、アリスは俺のところでそれまで待機、監視もつける。」
「あらまぁ監禁です?随分と重いおかたですこと」
「喧しいわ、暴れんだけか見るだけだ。」
1週間の猶予、それにより俺達は用意と小林の復帰を待つことにした。




